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■がん患者の遺族2万人を対象に大規模調査へ 厚労省が初、終末期ケアの実態把握 [健康ダイジェスト]

 がん患者の終末期の療養実態を把握するため、厚生労働省が約2万人の遺族を対象とした初の大規模調査を2017年度から始めます。終末期の患者・家族が適切なケアを受けたかどうかや、医療や介護サービスの利用状況などを把握し、がん患者の療養環境の改善につなげます。
 調査は、厚労省が国立がん研究センターに委託して実施。対象は全国のがん患者の遺族約2万人を想定し、死亡診断書に基づいて作成される人口動態統計の詳細データから選びます。
 国は、がんを抱える患者が体や精神的なつらさを和らげる「緩和ケア」を受け、医療だけではなく介護サービスも活用することによって、療養生活に伴う苦痛や困難を減らす体制整備を目指しています。
 終末期は病院から自宅へ帰る患者も増え、治療の選択に迷ったり、痛み・不安を軽くする緩和ケアや在宅療養生活を支えるサービスが十分に提供されていなかったりするケースもあります。厚労省研究班が実施した2014年度の調査によると、身体的苦痛や精神的苦痛の緩和が十分にされていない患者が3~4割を占めました。
 これまでも、がん患者が終末期に適切な緩和ケアを受けたかどうかを尋ねる遺族調査はありましたが、規模が小さく、対象も一部の病院に限定されており、国のがん政策を検討するがん対策推進協議会から「実態を把握できていない」と指摘されていました。
 今回の調査項目は、「緩和ケアが適切に患者・家族に提供されたか」、「どんな治療を受けたか」、「医療者とのコミュニケーション」、「治療・療養について患者本人の意思が尊重されたか」、「利用した医療・介護サービス」、「サービスに満足できたか」などからなります。
 厚労省は、調査結果をもとに、患者が住み慣れた地域で質の高い療養を受けられるようにする対策の検討に生かす方針です。
 遺族調査の実施を求めてきた患者支援団体「HOPEプロジェクト」の桜井なおみ理事長は、「患者や家族にとって一番大切な最終段階の実態はほとんどわかっていない。緩和ケアを十分に受けられずに亡くなる患者は多いとみられ、遺族の体験を知る意義は大きい」と話しています。

 2017年1月16日(月)

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