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■睡眠不足は肥満のもと、レム睡眠の不足が関係 筑波大学が証明 [健康ダイジェスト]

 睡眠不足は体重増加をもたらす要因の一つといわれてきましたが、筑波大学の研究チームは、浅い眠りであるレム睡眠が足りないと、脳の前頭葉が砂糖や脂質など高カロリーの食べ物が欲しくなるよう指令を出していることを、マウスの実験で確かめました。
 睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互に現れて、1セット約90分で一夜に4、5回繰り返すことで構成されています。ノンレム睡眠は脳も体も眠っている深い眠りで、入眠直後に現れる状態である一方、レム睡眠は体は眠っているのに、脳は活動している浅い眠りの状態を指していて、この時に夢を見ることが判明しています。
 筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構のミハイル・ラザルス准教授らの研究チームは、飼育ケースの底に金網を敷いた不安定な環境にマウスをおくと、レム睡眠だけが極端に減る現象を応用。この状態でレム睡眠不足に陥ったマウスの摂食行動を観察したところ、砂糖の成分であるショ糖や脂質を食べる量が増えました。
 次に、味や香りなどを判断する役割を担う脳の「前頭前皮質」と呼ばれる、前頭葉の前側部分の働きを遺伝子改変技術で抑えて同じ実験をすると、レム睡眠が不足してもショ糖を食べる量は増えませんでしたが、脂質を食べる量は増加したといいます。
 これにより、レム睡眠不足になると前頭前皮質の活動によって、ショ糖を多く含み体重を増加させる、いわゆる太りやすい食べ物を摂取したくなる欲求が現れる、という可能性が明らかになりました。
 レム睡眠は、加齢とともに減少することが知られています。また、高齢化に合わせて、2型糖尿病や心血管疾患など、肥満と密接に関連する疾患は増加しています。
 研究チームは、「実験で得られた知見をもとに、糖尿病や心血管疾患など肥満とつながりのある生活習慣病に対して、神経薬理学的なアプローチで新たな治療方法を開発したい」と話しています。
 この研究成果は、イギリスの学術雑誌「イー・ライフ」に発表されました。

 2017年1月16日(月)

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