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■体格差ある患者への脳死肺移植手術に成功 岡山大学病院、基準改正後初めて [健康ダイジェスト]

 岡山大学病院は28日、厚生労働省が臓器提供者(ドナー)よりも体格の小さい患者に脳死肺移植が行えるよう2014年に基準を改正して以降、国内初めてとなる脳死肺移植手術に成功したと発表しました。
 患者は岡山県内在住の50歳代女性で、容体は安定しているといいます。
 脳死肺移植では、身長や年齢などから換算した肺の大きさがドナーとほぼ一致していなければ、患者は移植の候補者に選ばれませんでした。岡山大学病院臓器移植医療センターでは「肺の一部を移植する方法であれば、体格の小さい子供らにも手術を行える」などと国に提案したこともあり、基準が改正されました。
 同センターによると、女性は肺胞の壁が硬くなって肺が委縮し、酸素が取り込みにくくなる「間質性肺炎」を患って、治療を受けていました。肺移植しか助かる方法はありませんでしたが、生体肺移植ができる親族がおらず、体格に比べて肺が小さくなっており、病状の進行も速かったといいます。
 臓器提供したのは、九州地方の病院で脳死判定されたと日本臓器移植ネットワークが26日に発表した30歳代の男性。移植手術は27日午前11時頃から行われ、提供された右肺下部の「下葉」を女性の右肺に、左肺上部の「上葉」を左肺に移植し、約7時間半後に終了しました。約3カ月の療養を経て、退院する見込み。
 女性は手術前に、「基準の改正がなければ、こうして移植を受けることはできなかった。早く元気になって旅行にゆきたい。(提供者と)2人分の人生を歩んでいきます」とコメントしました。
 記者会見で、執刀した同センター長の大藤剛宏(おおとうたかひろ)教授は、「従来は体格が合わないと移植できなかったため、適合しない臓器は使われないことがあった。基準の改正で、体の小さな人や子供にも脳死肺移植の幅が広がった。臓器提供の機会に恵まれない患者のためにも、移植医としての責任を果たしていきたい」と語りました。
 岡山大学病院では、大人の肺の「中葉」部分を幼児に移植する、生体間の中葉移植に世界で初めて成功するなど、移植の選択肢を広げる手法に取り組んでいます。

 2018年5月1日(火)

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