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■ノーベル受賞でがん免疫薬への問い合わせ多数 注意が必要な免疫治療も [健康ダイジェスト]

 今年のノーベル医学・生理学賞に京都大学特別教授の本庶佑(ほんじょ・たすく)氏が選ばれた後、病院のがん相談窓口などには受賞理由となったがんの治療薬を使いたいという問い合わせが多くなっていて、スタッフは、保険診療となるのは胃がんや肺がんなど特定のがんのうち、一定の条件の患者に限られることなどを説明しています。
 全国にあるがんの拠点病院には、患者や家族から治療などの相談に応じる窓口が設けられています。このうち東京都中央区の国立がん研究センター中央病院の相談窓口では、ノーベル医学・生理学賞の発表があった10月1日以降、寄せられる相談の8割以上が本庶氏の受賞理由となったがんの治療薬「オプジーボ」に関するものだということです。
 その多くは、がん患者が「自分もオプジーボを使いたいがどうすればよいか」というもので、スタッフは、がんの状態などを聞き取りながら、「オプジーボの投与で保険診療となるのは、皮膚がんのうちの悪性黒色腫のほか、胃がんや肺がんの一種など特定のがんの一部で、さらに手術ができず、再発した患者などに限られる」と説明していました。
 また、医療機関の中には、有効性が科学的に証明されていない免疫治療を行っているところもあり、相談窓口では、標準的な治療の選択肢がなくなり自由診療の免疫療法を検討する時は、公的制度に基づく臨床試験などを熟知したがん拠点病院の医師にセカンドオピニオンを求めるよう呼び掛けています。
 国立がん研究センターがん対策情報センターの若尾文彦センター長は、「オプジーボにも副作用の恐れはあるほか、効果が出るのは投与した患者の2割から3割で、誰にでも効果があるものではない。治療法の選択は、信頼できるがんの専門医とよく相談することが重要だ」と話していました。
 オプジーボを投与する際に保険診療として認められるのは、皮膚がんのうち悪性黒色腫の患者、肺がんのうち非小細胞肺がんで手術することができず、進行性で再発した患者、腎臓がんのうち腎細胞がんで手術することができないか、転移した患者、悪性リンパ腫のうち古典的ホジキンリンパ腫で、難治性か再発した患者、咽頭がんや舌がんなどの頭けい部がんで、再発したかほかの臓器に転移した患者、胃がんで化学療法を受けた後に悪化し、手術が難しく進行性で再発した患者、胸膜や腹膜にできるがんのうち悪性胸膜中皮腫で抗がん剤などの化学療法を受けた後に悪化し、手術が難しく進行性で再発した患者です。
 また、薬の添付文書で、この薬の成分で過敏症を経験した人は投与できないとされ、ほかにも自己免疫疾患がある人や高齢の人などでは慎重に使う必要があるとされています。
 このようながんの免疫治療の薬は今年3月の時点で10種類あまりあり、いずれもがんの種類や患者の状態によって保険診療の対象が決められています。
 さらに、医療機関の中には有効性が科学的に証明されていない免疫療法を行っているところもあるとしており、相談窓口では、標準的な治療の選択肢がなくなり、保険が適用されない自由診療の免疫治療を検討する時は、公的制度に基づく臨床試験などを熟知した医師ががん拠点病院などにいるので、まずは相談してほしいとしています。

 2018年10月5日(金)

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