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■新型コロナウイルス再感染、ベルギーなど各国で報告相次ぐ ワクチンの免疫効果に懸念も [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルス感染症から回復した患者がしばらくして再び感染したとの報告が、各国で相次いでいます。一般に最初の感染で免疫がつくと、抗体などが次の感染を防ぐとされます。新型コロナウイルスは抗体ができにくいか、回復後に抗体が減少するとの指摘もあります。ワクチンの効果にも影響することから、研究者らはどんな人が感染を繰り返すのか原因究明を急いでいます。
 ベルギーとオランダで8月25日、新型コロナウイルスの再感染例が次々と報告されました。香港でも8月24日、新型コロナウイルス感染症から回復した男性が4カ月半後に再感染した事例が報告されていました。
 香港の例は、33歳の男性が3月に新型コロナウイルスに感染し、14日間の入院後、4月に退院。その後、症状はみられず、8月6日から15日にイギリスとスペインを旅行し、帰国した際の香港国際空港での唾液検査をへて、新型コロナウイルス検査で再び陽性と判定されたといいます。男性に目立った症状はなく、21日に治療施設から退院しました。
 香港大学の科学者らによると、1回目と2回目に感染した新型コロナウイルスは、遺伝子の配列から「明らかに異なる」ものだといいます。
 ベルギーの例は、女性が3月第2週に感染し6月に再感染しました。症状が比較的軽く、1回目の感染後に十分な抗体ができずに再感染した可能性があるといいます。オランダの再感染者は高齢で、もともと免疫システムが低下していたため、再感染が起きること自体は予想されていたといいます。
 これまでにも回復後にPCR検査で再び陽性になる例はあったものの、体内のウイルスの残がいを検出していたとされます。今回はウイルスの遺伝情報から、回復後に再感染したことが明らかになりました。
 新型コロナウイルスでは、感染後に抗体があまりできなかったり、持続しなかったりする場合があるとみられます。
 中国の重慶医科大学などが、感染して急性期にある複数の人を調べると、2割弱が抗体検査で陰性になりました。退院から8週間後に再び調べると、9割以上の人で抗体が減っていました。
 横浜市の、けいゆう病院の菅谷憲夫医師は、「再感染は抗体が持続しないことが主な原因と考えられる」と話しています。
 国立感染症研究所の松山州徳室長は、「無症状の再感染は風邪など他の呼吸器感染症でもある」とみています。気道などには抗体ができにくいためで、多くは体内の免疫が働くなどして発症せず、気付かないといいます。
 免疫の強さは、ウイルスと闘うワクチン戦略にも影響します。専門家からは、「重症化を防ぐ効果が期待できるが、半年くらいしか効果がないかもしれない」との指摘も出ています。ベルギーのウイルス学者は、「ワクチンを毎年、もしくは2〜3年ごとに接種する必要が出てくる可能性がある。10年程度の効果は見込めなさそうだ」との見方を示しています。
 気掛かりなのは、エクアドルの再感染例。海外の報道によれば、再感染後のほうが症状が重く、本来は感染を防ぐ抗体が症状を悪化させた可能性があります。まれな例なのかどうか不明ながら、ワクチン接種で同様の現象が起きないか専門家は注視しています。
 ウイルスのタンパク質の形が変わると、それまでの免疫では対応できず再感染して発症しやすくなります。ただ菅谷医師によると、普通は短期間で大きな変化は起こらないので可能性は低いといいます。
 再感染のリスクを調べるため、国内でも横浜市立大学などが元患者の抗体の量を調べる研究に乗り出し、2日から検体の採取を始めました。新型コロナウイルスのなぞは数多く、解明にはなお時間がかかります。

 2020年9月6日(日)

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