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■オミクロン型「BA・4」と「5」、現在主流「BA・2」より感染力高い可能性 [健康ダイジェスト]

 国内でも感染者が見付かっている新型コロナウイルスのオミクロン型の派生型「BA・4」と「BA・5」について、現在主流の「BA・2」よりも感染力や病原性(重症化リスク)が高く、感染やワクチンなどによる免疫も効きにくい可能性があると、国内の研究チーム「G2P-Japan」が査読前の論文を投稿するサイト「bioRxiv」で5月26日付で報告しました。
 研究チームの佐藤佳・東京大教授(ウイルス学)は、「BA・4、BA・5は、伝播(でんぱ)力、免疫抵抗性、病原性のいずれの点においても、現在主流のBA・2よりリスクの高い変異型と考えられ、警戒が必要だ。新型コロナは変異して次第に重症化しなくなるという予想もあったが、そうとは限らない」と話しています。
 オミクロン型の世界的な流行型は現在、BA・1から、より感染力の強いBA・2に置き換わっています。だが、最近は、BA・2の表面の突起状のスパイクタンパク質に新たな変異が入ったBA・4やBA・5、BA・2・12・1といった派生型が複数出現。南アフリカやアメリカなど一部の国でBA・2から置き換わりつつあります。
 研究チームの解析によると、BA・4とBA・5は、南アではBA・2よりも約1・2倍感染力、伝播力が高くなっています。また、BA・4とBA・5に特徴的な変異を持つウイルスを人工合成し、ワクチンを2回以上接種後にBA・1やBA・2に感染した人の血液と混ぜて細胞培養したところ、血液中の抗体がウイルスの細胞感染を防ぐ効果がBA・2に対してよりも約2倍低くなりました。
 また、ワクチン未接種でBA・1、BA・2に感染した人の血液には、BA・4とBA・5に特徴的な変異を持つウイルスの細胞感染を防ぐ効果がほとんどみられませんでした。
 さらに、この人工合成ウイルスをハムスターに感染させたところ、BA・2への感染よりも体重減少が大きく、肺組織でも感染が広がりやすくなっていたといいます。オミクロン型は肺より鼻、のどで増殖しやすいとされていましたが、性質が変わっている可能性があります。
 BA・4やBA・5は国内でも4月以降、空港検疫で相次いで検出されており、5月24日には、東京都がBA・5の市中感染とみられる事例を発表しました。

 2022年6月2日(木)




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