■がん研、がん患者5万人の遺伝子を解析 治療薬の候補発見は約15%にとどまる [健康ダイジェスト]
国立がん研究センターなどは29日、日本人のがん患者約5万人の遺伝子の異常を解析し、欧米の患者との違いを明らかにしたと発表しました。日本人対象の大規模研究は初めてといいます。患者の遺伝情報を調べて治療に生かす「がんゲノム医療」の基盤となる成果で、今後解析を続けて治療技術の向上につなげます。
2023年8月までに収集した約5万人の患者データを解析し、がんの発生や進行の原因となる約70の遺伝子について異常の有無を調べました。患者の約15%は治療薬のある遺伝子異常を持つタイプか、特定の治療薬の効きやすさを予測できるタイプでした。
がん種別にみると、甲状腺がん患者ではこうした遺伝子異常を持つ人の割合が85・3%と最も高く、浸潤性の乳がん60・1%、肺腺がん50・3%が続きました。割合が低いのは唾液腺がん、脂肪肉腫、腎細胞がんで、いずれも0・5%未満でした。
また、日本のがん患者のデータをアメリカの白人患者と比べると、治療薬のある遺伝子異常を持つ患者の割合は低くなりました。
日本では胆道がんや膵臓(すいぞう)がんの患者が比較的多いのに対して、欧米では少ないため、治療薬の開発が進んでいないことが影響しているといいます。
国立がん研究センターの片岡圭亮分野長は、「欧米のデータと比較し、がんの遺伝子異常についての人種差を明らかにできた。人種ごとの遺伝子異常の特徴を明らかにして治療薬の臨床試験(治験)などを進めていく必要がある」と話しました。
2024年3月1日(金)
2023年8月までに収集した約5万人の患者データを解析し、がんの発生や進行の原因となる約70の遺伝子について異常の有無を調べました。患者の約15%は治療薬のある遺伝子異常を持つタイプか、特定の治療薬の効きやすさを予測できるタイプでした。
がん種別にみると、甲状腺がん患者ではこうした遺伝子異常を持つ人の割合が85・3%と最も高く、浸潤性の乳がん60・1%、肺腺がん50・3%が続きました。割合が低いのは唾液腺がん、脂肪肉腫、腎細胞がんで、いずれも0・5%未満でした。
また、日本のがん患者のデータをアメリカの白人患者と比べると、治療薬のある遺伝子異常を持つ患者の割合は低くなりました。
日本では胆道がんや膵臓(すいぞう)がんの患者が比較的多いのに対して、欧米では少ないため、治療薬の開発が進んでいないことが影響しているといいます。
国立がん研究センターの片岡圭亮分野長は、「欧米のデータと比較し、がんの遺伝子異常についての人種差を明らかにできた。人種ごとの遺伝子異常の特徴を明らかにして治療薬の臨床試験(治験)などを進めていく必要がある」と話しました。
2024年3月1日(金)
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