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■病気 フィラリア症(糸状虫症) [病気(は行)]

[iモード]線虫類のフィラリアの寄生によって引き起こされる寄生虫病
 フィラリア症とは、線虫類のうち、糸のように細く白い種類のフィラリア(糸状虫)が寄生して、引き起こされる寄生虫病。糸状虫症とも呼ばれます。
 かつては西日本を中心に日本国内でも発生した疾患で、今でもアフリカ大陸、アラビア半島南部、インド、東南アジアや東アジアの沿岸域、オセアニア、中南米と世界の熱帯、亜熱帯を中心に、フィラリア症の流行地が広がっています。推定感染人口は9000万人。
 フィラリアの成虫が人のリンパ節、リンパ管に寄生し、人体内で生まれた幼虫(ミクロフィラリア)がアカイエカなどの蚊に吸われ、その蚊が吸血する時に他の人の体に入ります。
 人にはバンクロフト糸状虫、マレー糸状虫、チモール糸状虫などが感染し、今日の日本では、犬に感染する犬糸状虫がよく知られています。ごくまれには、犬糸状虫が人に感染することもあります。
 しばらくは無症状ですが、感染後9カ月ほどで発熱、リンパ管炎、リンパ節炎などの反応性炎症が現れ、数週、数カ月ごとに反応性炎症が繰り返されるようになります。
 その後、通常は数年を要して、四肢、生殖器、乳房にリンパ管の閉塞(へいそく)が起こると、下肢の皮膚が硬く肥厚する象皮(ぞうひ)病、陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)、乳白色を呈する乳糜(にゅうび)尿などが現れます。
[iモード]フィラリア症の検査と診断と治療
 フィラリア症の流行地から一時帰国時、あるいは帰国後の健康診断で、著しい好酸球増多が認められる場合、本症を疑い医療機関を受診し、検査を受ける必要があります。
 医師による診断では、症状とともに、夜間の血液中の幼虫(ミクロフィラリア)の検出が重要です。昼間は肺の毛細血管に潜んでいる幼虫が、夜10時ごろになると末梢(まっしょう)血管に現れる定期出現性を有しているためです。
 治療では、スパトニン(成分はクエン酸ジエチルカルバマジン)、ストロメクトール(成分はイベルメクチン)などの駆虫剤の投与が行われます。感染の副産物としての心不全などに対処するために、血管拡張剤や血圧降下剤が投与されることもあります。感染早期なら薬物治療が有効なものの、象皮病などの症状が出現した時点では無効。
 心臓などに寄生された場合は、外科手術でフィラリアの成虫を物理的に取り除く方法がとられることもあります。

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■病気 ヒスタミン食中毒 [病気(は行)]

[iモード]魚肉中に含まれるヒスタミンによって引き起こされる食中毒
 ヒスタミン食中毒とは、魚肉中に含まれるヒスタミンによって引き起こされる食中毒。アレルギー様食中毒の1つです。
 不適切な温度管理や長期に渡る保存などにより鮮度の落ちた魚肉中では、もともと多量に含まれているヒスチジンというアミノ酸に、ヒスタミン生成菌(ヒスチジン脱炭酸酵素を有する菌)が付着することで、ヒスチジンが分解されてヒスタミンに変化し、多量に蓄積されています。ヒスタミンは熱に強く、通常の加熱では分解されないために、摂食によりヒスタミン食中毒を発症します。
 魚肉に付着しているヒスタミン生成菌は、大きく2種類に分けられます。1つは腸内細菌科の細菌で、その中で最も有名なのはモルガン菌。この菌は室温で増殖し、低温では増殖しにくい性質を持っています。もう1つはビブリオ科に属する細菌で、この菌は海で生息しているため漁獲前に魚に付着している可能性が高く、低温でも増殖するので冷蔵保存の際も注意が必要です。
 ヒスタミン食中毒は毎年、全国で10数例が報告されています。
 原因食品としては、マグロ、カツオ、サバ、サンマ、アジ、イワシ、ブリ、シイラ、カジキなどの赤身魚や、その加工品である照り焼き、蒲焼、ムニエル、フライ、干物、すり身などが挙げられます。サバでは温度5℃5日間の保存で、腐敗臭を感じない状態でも、ヒスタミン量が中毒の最小値を超えている場合もあります。
 摂食直後から60分くらいで、吐き気、嘔吐(おうと)、下痢などのほかに、顔面の紅潮、頭痛、発疹(はっしん)、発熱などの症状が現れます。症状は多くの場合、1日以内の短時間で回復しますが、重症の場合は呼吸困難や意識不明になることもあります。
[iモード]ヒスタミン食中毒の検査と診断と治療
 ヒスタミン食中毒の症状が現れたら、可能であれば、できるだけ早く胃の中の毒性物質を除去します。ほとんどの場合は、嘔吐で胃の中の毒性物質を吐き出せます。最初に吐いた嘔吐物を少量取っておくと、後で医師が検査をする場合に役立ちます。
 続いて、大量の水分を摂取するようにします。大量の水分を口から摂取するのが難しい場合は、救急外来を受診して点滴による水分の補給を受ける必要があります。ほとんどの場合は、水分と電解質の補給のみで迅速に、そして完全に回復します。
 胃の内容物が十分吐き出せず、症状が重い場合は、抗ヒスタミン剤の投与が行われ、細い管を鼻や口から胃に通して胃の内容物を除去する処置も行われます。毒素を腸から早く排出させるため、下剤を使用することもあります。
 予防法としては、以下のものが挙げられます。ヒスタミンは白身魚より赤身魚から高率に検出されるので、特に赤身魚の生魚は鮮度のよいものを購入、喫食する。生魚は室温で放置せず、冷蔵または冷凍で保存する。生魚は冷凍と解凍を繰り返さない。古くなった生魚は、火を通しても食べない。

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タグ:ヒスタミン食中毒 感染症(性病、寄生虫病を含む) 病気(は行) 病気 健康創造塾 胃アニサキス症 潰瘍性大腸炎 過敏性腸症候群 臍ヘルニア クローン病 虫垂炎 大腸がん 急性虫垂炎 偽膜性腸炎 感染性胃腸炎 赤痢 十二指腸潰瘍 潰瘍 急性腸炎 急性大腸炎 アメーバ赤痢 慢性腹膜炎 ロタウイルス腸炎 急性腹膜炎 吸収不良症候群 腸結核 臍炎 機能性胃腸症(機能性ディスペプシア) 大腸憩室 急性出血性腸炎 薬剤性大腸炎 蛋白漏出性胃腸症 移動盲腸 直腸炎(潰瘍性大腸炎直腸炎型) 直腸ポリープ 直腸脱 毛巣瘻 腸閉塞(イレウス) 鼠径ヘルニア(脱腸) 横隔膜ヘルニア 乳糖不耐症 臍帯ヘルニア 臍肉芽腫 腹壁ヘルニア 嵌頓ヘルニア 脱腸(鼠径ヘルニア) 移動性過S状結腸症 腸捻転 腸重積症 腸管癒着症 小腸がん 巨大結腸症 炎症性腸疾患 大腸カタル びらん性胃炎 薬剤起因性腸炎 セリアック病 表層性胃炎 消化管カルチノイド 大腸カルチノイド 直腸カルチノイド グルテン腸症 原発性吸収不良症候群 非熱帯性スプルー 櫛状胃炎 慢性びらん性胃炎 牛乳不耐症 好酸球性胃腸炎 好酸球性消化管疾患 ガストリノーマ 細菌性下痢症 細菌性急性胃腸炎 急性大腸炎(大腸カタル) 食中毒 メタノール中毒 毒キノコ中毒 フグ中毒 ボツリヌス菌食中毒 ブドウ球菌食中毒 腸炎ビブリオ食中毒

■病気 フグ中毒 [病気(は行)]

[iモード]フグの臓器に含まれる毒素によって起こる食中毒
 フグ中毒とは、海産魚のフグの臓器、ことに卵巣、肝臓に含まれる毒によって引き起こされる食中毒。他の食中毒に比べて、患者数のうちの死者数の割合を示す致死率が極めて高いのが特徴です。
 日本ではここ10年間の統計上、年間33〜61人のフグ中毒患者と1〜6人の死亡者がみられます。その多くが、フグ調理の資格を持たない一般人がフグを調理した結果起きています。しかし、フグ中毒に対する知識が高まったため、発生件数は減少傾向を示しています。
 地域的には、近畿、中国、九州などの西日本、特に兵庫、大阪、広島、山口、岡山、愛媛など瀬戸内海沿岸の府県で多発しているのが特徴で、神奈川県でやや多い程度で他の東日本ではまれです。
 季節的には、冷凍フグの流通のために年間を通して食べられるようになっているものの、フグは鍋(なべ)を中心とする冬の季節料理であるために、冬期に多発しています。
 フグ毒はテトロドトキシンと呼ばれ、神経刺激の伝導を遮断する作用を持っており、熱に強く、アルカリに弱いという性質があります。テトロドトキシンは、フグの卵巣、肝臓、腸管などに多く含まれていますが、毒フグの種類によって含有量の多少があります。
 日本で最もよく食用にされるフグはトラフグで、そのほかマフグ、ヒガンフグ、ショウサイフグなどもありますが、ショウサイフグ以外はいずれも有毒なフグ。
 フグ中毒は、食後20〜30分、遅くても4時間くらいで発症します。吐き気、嘔吐(おうと)に続いて、唇、舌のしびれ感が起こり、上肢、下肢の知覚まひ、さらに運動まひ、発声困難、呼吸困難を起こします。血圧が低下し、意識が混濁し、重症例では4時間くらいで呼吸停止を起こし死亡します。
 なお、フグを食べた時に口の中がピリピリとしびれたりしたら、フグ毒の作用と考えられので口中を洗うなどの応急処置をすることが大切です。
[iモード]フグ中毒の検査と診断と治療
 フグの毒に対して、解毒剤や血清など特異療法は開発されておらず、神経毒であるテトロドトキシンによる呼吸困難が収まるまで人工呼吸器をつなげることが唯一の治療法となります。テトロドトキシンの解毒、排泄(はいせつ)に要する時間は8〜9時間とされており、その間呼吸を保てば、大部分は救命できます。
 とりあえずの救急処置としては、テトロドトキシンがアルカリに弱いことを利用して、アルカリ製剤である炭酸水素ナトリウム(重曹)で胃洗浄を行ったり、活性炭末などの吸着剤の投与や、下剤、利尿剤の投与をしたりします。輸液も行われますが、心臓への負担に注意しなければなりません。
 治療で最も重要なことは呼吸の管理なので、高濃度の酸素を用いた気管内チューブによる人工呼吸や、呼吸中枢刺激剤も積極的に使用されます。そのほか、血圧を上げる昇圧剤や強心剤なども対症的に投与されます。
 フグ中毒の予防法は、死亡事故のほとんが素人料理によって発生しているため、釣ったフグを自分で調理して食べるのをやめることに尽きます。フグには種類鑑別の難しさや毒カの季節による変動、個体差などがあり、食用にするためには専門的な知識と技術が必要です。
 一般に、テトロドトキシンの毒力は猛毒の青酸カリの約1000倍で、100℃30分以上の加熱でもほとんど分解しないので、煮たり焼いたりの調理ではなくなりません。
 特に、卵巣、肝臓などの内臓は、フグの種類にかかわらず決して食べてはいけません。一般消費者に販売されているフグでは、保健所に届出をした施設で卵巣や肝臓などの有毒部位を除去する処理が行われています。フグを取り扱う営業をするには、フグ処理者の資格を持ち、営業施設ごとに保健所長への届出が必要となっています。

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■病気 ボツリヌス菌食中毒 [病気(は行)]

[iモード]ボツリヌス菌の作る毒素によって起こる食中毒
 ボツリヌス菌食中毒とは、強力な毒素を産生するボツリヌス菌によって引き起こされる食中毒。
 ボツリヌス菌は土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している嫌気性菌で、熱に強い芽胞を形成します。この菌による食中毒は、欧米では古くからハム、ソーセージなどによる腸詰め中毒として恐れられていて、ハム、ソーセージに発色剤として添加される硝酸塩は発色作用よりも、ボツリヌス菌の繁殖を抑える目的で使用されています。
 酸素がなくて水分や栄養分があるなど一定の発育条件がそろった食品中で、猛毒の神経毒素であるボツリヌス毒素を産生。食品とともに摂取された毒素は、主に小腸上部で吸収され、リンパ管をへて血液中に入り、末梢(まっしょう)性の神経まひ症状を起こします。
 現在知られているものでは最強の毒力があるといわれ、テロリストによって生物兵器として使われるのではないかと心配されています。
 菌は毒素の抗原性の違いによりA~Gまでの型に7分類され、人に対する中毒はA、B、E、F型で起こります。A、B型は芽胞の形で土壌中に分布し、E、F型は海底や湖沼に分布します。
 日本では、缶詰、ビン詰、容器包装詰低酸性食品(レトルト食品類似食品)、自家製の飯鮨(いずし)などによる食中毒がみられます。海外では、キャビア、野菜などの自家製ビン詰や缶詰、ハム、ソーセージによる食中毒がみられます。
 日本では、北海道や東北地方の特産である魚の発酵食品、飯鮨(いずし)による食中毒が数多く知られています。飯鮨は生魚、飯、酢、食塩、砂糖などを混ぜた自家製の保存食品で、調理に加熱工程がないことや、海底にボツリヌスE型菌が分布していることなどが、発生原因とされています。
 しかし、1998年と1999年に連続して、容器包装詰低酸性食品を原因とするA型およびB型毒素による食中毒が発生して以降、ボツリヌス菌食中毒の発生はありません。
 潜伏期間は平均1〜2日で、吐き気、嘔吐(おうと)、腹痛、下痢などの腹部症状に続いて、物が二重に見える複視、発語困難、舌のもつれ、口渇、物を飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害などの神経まひ症状が現れます。さらに症状が進むと、便秘、尿閉、四肢のまひが現れ、次第に呼吸困難に陥ります。
 10日以上経過すれば死亡を免れますが、それ以前に呼吸筋のまひによる呼吸不全などで死亡することも少なくありません。
[iモード]ボツリヌス菌食中毒の検査と診断と治療
 ボツリヌス菌食中毒は極めて致死率が高いため、医師による検査および診断は、迅速な対応が求められます。診断は中毒の原因と推定された食品、発症者の糞便(ふんべん)、血液、胃内容、吐物などから毒素の証明をし、菌を分離することで行われます。
 近年では、糖とボツリヌス毒素を結合させ、毒素遺伝子を迅速かつ特異的にレーザーで検出する遺伝子増幅法が普及しています。区別が必要な疾患には、脳卒中、急性球まひ、メタノール中毒などがあります。
 治療では、抗毒素を注射で投与するとともに、輸液によりブドウ糖液、リンゲル液などの電解質液、あるいは水を補充して症状の改善を待ちます。さらに症状の経過に応じて、 人工呼吸器による呼吸の補助など、さまざまな対症療法も行われます。日本では1962年に抗毒素療法が導入された結果、致命率は著しく低下しました。
 このボツリヌス菌食中毒のほとんどは、自家製食品によって起こっています。菌の食品汚染は、原材料に由来するとされています。食中毒を防ぐためには、以下のことを心掛けます。
 新鮮な原材料を用いて十分に洗浄する。低温下で素早く調理する。飯鮨などの魚肉発酵食品には、酢酸を添加する。食肉製品や魚のスモークは十分に加熱する。自家製の缶詰、真空パック、びん詰を製造後は、冷蔵あるいは冷凍下で保存する。製造後あるいは保存中に異臭がする食品や、容器包装詰低酸性食品の食べ残しなどは廃棄する。

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