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■病気 アジソン病 [病気(あ)]

[手(グー)]副腎が損傷を受けて、副腎皮質ホルモンの分泌量が低下
 アジソン病とは、副腎(ふくじん)機能の低下によって、すべての副腎皮質ホルモンが不足する疾患。慢性副腎皮質機能低下症、慢性原発性副腎皮質機能低下症とも呼ばれます。
 副腎皮質ホルモンは、生命の維持に必要なホルモンで、健康な人では体の状態に合わせて適切に分泌されています。この副腎皮質ホルモンには、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、男性ホルモンがあり、アジソン病では、主に糖質コルチコイド、鉱質コルチコイドの欠損症状が現れます。
 副腎自体の疾患による場合と、副腎皮質ホルモンの分泌を調節する下垂体の疾患による場合とで、副腎皮質ホルモンの不足は起こりますが、このうち副腎自体の疾患が原因で慢性に経過したものがアジソン病です。下垂体の疾患で副腎を刺激しないために副腎の機能が低下するものは、続発性副腎機能不全症というアジソン病に似た疾患です。
 副腎は両側の腎臓の上、左右に2つあり、両側の副腎が90パーセント以上損なわれるとアジソン病になります。副腎が損なわれる原因として最も多いのは、副腎結核と自己免疫によるものです。まれに、がんの副腎への転移によるもの、先天性のものなどがあります。
 アジソン病は1855年に、英国の内科医トーマス・アジソンによって初めて報告されました。あらゆる年齢層の人に、また男女いずれにも同じように発症します。乳児や小児の場合は、副腎の遺伝子の異常が原因です。
 現れる症状はさまざまですが、主なものとして、色黒、倦怠(けんたい)感、脱力感、体重減少、食欲不振、便秘、下痢、低血圧、低血糖などが挙げられます。また、不安、集中力の低下などの精神症状や、腋毛(えきもう)、恥毛の脱落などもしばしば認められる症状です。体内のナトリウムイオンとカリウムイオンのバランスが崩れるので重症の場合、心停止を起こして死ぬこともあります。
 自己免疫が関係する特発性アジソン病の場合、甲状腺(せん)疾患や糖尿病、貧血、真菌症などを合併することが多く、これらの症状が現れることもあります。
[手(パー)]アジソン病の検査と診断と治療
 アジソン病の初期では副腎皮質の障害が軽度なので、ホルモンの分泌も生活に支障を来さない程度に保たれています。自覚症状もはっきりしたものではなく、気が付かないことがほとんどです。しかし、この状態の時に、けが、発熱などで強いストレスがかかった場合、急性副腎不全を来して危険な状態になることがあります。アジソン病の症状があった場合、内分泌・代謝を専門とする病院で一度精密検査をしておくことが望まれます。
 アジソン病の診断においては、一般的な血液検査、尿検査に加え、ホルモンの検査、腹部CTなどが必要になります。ホルモンの検査は、血液中の副腎皮質ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、尿中に排出される副腎皮質ホルモンなどを測定するほか、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)や副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)放出ホルモン(CRH)を投与した後の副腎や下垂体の反応により、副腎の機能を評価します。
 そのほか、副腎を損なう原因を調べるため、結核など感染症に対する検査、がんの検査、自己免疫疾患の検査などが行われます。
 治療においては、疾患の程度、日常生活に合わせて、副腎皮質ステロイド薬を補充します。通常、1日1〜2回の内服ですみますが、けがや発熱などで体に強いストレスがかかる場合は、それに応じて内服量を増やす必要があります。筋力の低下や全身消耗の強い場合は、副腎性アンドロゲン(男性ホルモン)を補充することもあります。

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■病気 アスベスト症 [病気(あ)]

●アスベスト症とは
 「アスベスト(Asbestos)」とは「石綿(いしわた、せきめん)」のことで、蛇紋(じゃもん)石などの繊維性鉱物を綿状にほぐしたものです。アスベストを製造している会社、炭鉱、建材メーカーなどで働いている労働者や家族が肺に間質性繊維化を起こし、呼吸困難となるのが、「アスベスト症(Asbestosis)」です。
 近年では、アスベストを扱う工場の周辺住民がただ近くに住んでいるだけで、健康被害を受けるリスクがあるということまで、認識されるようになりました。
 アスベスト症の症状は、息切れ、咳(せき)、長引くしわがれ声、肺から咳をして出る血痰(けったん)、胸または腹の痛み、胸水または腹水、血液中の酸素欠乏により皮膚が青くなるチアノーゼ、際立った体重減少などです。
 医師の側では、胸部X線検査、CT検査で肺の間質性繊維化と胸膜の斑点がみられ、呼吸機能検査で著明な機能低下が認められと、アスベスト症と診断を下します。専門の医師でも、一度吸い込んだアスベストを除去することはできません。アスベスト症の治療は、対症療法になります。 
●広く使用されてきたアスベスト
 天然で産出する繊維状の鉱物の一群を原材料としたアスベスト(石綿)の繊維一本は、だいたい人間の毛髪の5000分の1の細さで、数千本をより合わせて糸状にも、布状にも加工できる素材です。
 アスベストを性質によって分けると、6種類あります。巻き毛状の繊維を持つ蛇紋石系のクリソタイル(白石綿、温石綿)と、棒状の繊維を持つ角閃石系のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトです。これら6種のうち、日本や世界で工業的に使用されてきたのは、主としてクリソタイル、アモサイト、クロシドライト。
 逆上れば、1800年代の終わりに、アスベストは北アメリカで営利上採掘され、使用され始めました。第二次世界大戦中に、需要が大幅に増加し、以来、多くの産業において使用され続けてきました。
 高抗張力、不燃の特長を有し、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、親和性などにも非常に優れ、しかも安価であるため、「奇跡の鉱物」「夢の素材」と珍重されました。一つの物質で、これほどの特長を有しているものは他に見当たらず、アスベストを代替する場合には、それぞれの特長を持った複数の繊維や材料を組み合わせて使用することになります。
 戦後の日本では、1948年にアスベストの輸入が再開し、1974年には35万トン強と輸入量が最高になっています。1970年~1990年にかけては、年間30万トン前後の輸入がありました。1991年以降は、アスベストの輸入量は減少していきます。
 この間、建築資材、電気製品、自動車、船舶、家庭用品などで、3000とも5000を超えるともされる種類の製品に、アスベストが使用されていました。例えば、建設業では、断熱材、保温材、耐火材、防音材として建築資材に用い、同様にセメントとプラスチックを強くするために、アスベストを壁や天井に吹き付けて用いました。自動車産業では、ブレーキライニングやブレーキパッド、クラッチフェーシング、 クラッチライニングで、アスベストを使用しました。
 一方、アスベストの使用については、1972年のILO(国際労働機関)による発がん性の指摘など、早急な対策の必要性が、世界的にで論じられてきました。86年には、吹き付け作業や発がん性の高いクロシドライト(青石綿)の使用などを禁止した「石綿条約」がILOで採択されましたが、日本は条約を批准せずに「管理して使えば安全」という立場をとり、規制はしませんでした。
 80年代には、ヨーロッパ諸国が相次いで、クロシドライトの使用禁止の措置をとりました。アメリカでは、89年に環境保護局(EPA)がアスベストの新用途すべてへの使用を禁止しました。
 当時の日本も90年頃から、まず吹き付けによるアスベスト使用を法的に中止しました。アモサイト(茶石綿)とクロシドライトについては、有害性が高いことから、1995年に使用禁止にしました。
 一方で、よく使われているクリソタイル(白石綿)は量も多いし、それほど危険性はないと判断し、アスベストを含んだ建材やアスベスト板などを作っている会社には零細業者が多いということで、使用禁止を猶予し、2006年にずれ込みました。
 EU加盟国(25カ国)では2005年1月から、日本においても2006年9月から、クリソタイルを含めたアスベストの新たな使用については、全面禁止となりました。ただし、日本では一部の製品について、石綿無使用品の安全性が確認できるまで当分の間使用できますが、2008年を期限にすべてのアスベストの使用が禁止されます。アメリカでは、2003年8月現在で石綿紙、新規製品等への使用は禁止されていますが、建材、摩擦材等への使用は認められています。
 なお、世界におけるアスベストの生産量は、2000年以降増加しています。主産地のカナダでは減少しているものの、ロシア、中国、カザフスタンで増加している影響です。世界の現在の使用量のデータはありませんが、2004年の年間のアスベスト産出量は223万トンと発表されています。日本のアスベストの輸入量は減少し続け、財務省の統計によると年間輸入量は2004年に約8000トン、2005年に110トンとなり、2006年は輸入がありませんでした。  
●住まいの中にあるアスベストへの対応
 かつての建設業では、大別して「建材」と「吹き付け」の二種類の方法で、建物にアスベスト(石綿)を使用しました。断熱材、保温材、耐火材、防音材などの建材として用い、壁や天井を強くするために吹き付けて用いました。
 現在、学校などで問題となっているのは、セメントにアスベストなどを混ぜて、鉄骨や壁面に吹き付けた「吹き付けアスベスト」です。アスベストの繊維は非常に細かいので飛散しやすく、人間が吸入してしまう恐れがあるため、健康への害が懸念されています。
 アスベストのほか、吹き付けによく使われる材料として、ロックウールという岩綿(がんめん)があります。アスベストと同様の特性を持ちますが、繊維がより大きいため、人間の体内に入っても肺がんや中皮腫(ちゅうひしゅ)の原因にはならないと見なされています。このロックウールとアスベストの二つは見た目ではほとんど差がなく、外見で判別することは、専門家でも不可能です。
 しかし、アスベストを使用した吹き付けは、1990年頃からほとんど使われず、95年までは5パーセント以内の割合でアスベストが含まれていたものもあるといえど、完全に使われなくなった96年以降の吹き付けであれば、安全であると考えられます。
 一方、一般家庭やオフィスなどで問題となるのは、床や壁、天井、キッチンのタイルの裏側、屋根瓦などに、アスベスト入りの建材が2004年まで使われていたことです。
 ここで大切なのは、「アスベストを含んだ建材があること自体は、大きな問題ではない」、と認識することです。過剰反応して「気持ちが悪いから取ってしまおう」などと、考えないことです。
 建材を破損させて断面をむき出しにしたり、建物を壊したりしない限りは、アスベストは飛び散りません。従って、住居にアスベスト入り建材が使われていても、健康への害はほとんどないと考えられています。
 アスベスト入り建材の使用場所を知るには、家を立てた際の図面を見ることがまず第一です。見てもわからない時や図面がない場合は、施工した工務店に問い合わせましょう。自宅でアスベストが使われている場所を知っておけば、壁に穴を開けたり、むやみに傷を付けたりすることを避けられます。
 どうしても気になるなら、その部分だけを取り除くのではなく、壁紙などを張ったり、厚めに塗料を塗るのがいいと思われます。 
●アスベスト症により引き起こされる病気
 現在、飛散したアスベスト(石綿)をどの程度吸い込むと発病するかという明確なデータは、ありません。しかし、体への影響は、吸った濃度と量(期間)が深く関係します。 
 例えば、高濃度ではなくても、吹き付けのある倉庫で何十年も働いていたり、石綿工場周辺に長く住んでいたりした場合は、時間の長さが問題となり、あくまでも実験下の数字でいえば、危険度が高いことになります。
 アスベスト症により引き起こされる病気として、長い期間アスベストに曝露(ばくろ)されると、特殊な肺がんを発症することが知られています。アスベストは劣化しにくいため、長期間にわたって空気中や水中に存在し、人間の体内に入るとほとんど分解されず、肺などに蓄積して、がん化するのです。
 大量のアスベストを日常的に吸った際に起こる「石綿肺」、より少ない曝露でも起きる「石綿肺がん」、肺を取り囲む胸膜などに悪性の腫瘍(しゅよう)ができる「悪性中皮腫」が、主な病気です。息切れ、胸痛、咳などの初期症状があり、吸い込んでから約15~50年の潜伏期間をへて、発症します。また、アスベスト症の罹患者で喫煙した場合には、肺がんによって死亡するリスクが50倍以上になると云われています。
 2006年2月には、アスベスト(石綿)による健康被害者らに国が医療費などを払う「石綿被害者救済法」が、国会で成立しました。日本政府へ望まれる今後の課題は、省庁間の総合的な対策を基本に、家の改築・解体時の飛散防止、過去に吸入した人への健康対策、専門家の育成などの早急な対策を講じることだと考えられます。

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■病気 アスペルガー症候群 [病気(あ)]

[電話]言語能力は正常で、自閉症より程度の軽い発達障害
 アスペルガー症候群とは、言語の習得に遅れのない自閉症近似の発達障害の一つ。広汎性発達障害の中に含まれますが、そのほかの広汎性発達障害との違いは、アスペルガー症候群には言葉の遅れがないということです。
 2歳までに単語を発話し、3歳までには二語文を習得するのは自閉症と異なりますが、コミュニケーションをとったり、対人関係を築くことができないため社会生活に困難を生じてしまうのは自閉症のそれと同等です。対人関係の障害のほか、特定の分野への強いこだわりを示したり、感覚的あるいは生理的異常を示したり、運動機能の軽度な障害も見られたりします。
 具体的な治療的対応は高機能自閉症(知的障害がない、あるいはほとんどない自閉症)と同様で、予後もほぼ同様であるとして、高機能自閉症と同じものとして扱われることもあります。しかし、多くの公的な文書においては、アスペルガー症候群と高機能自閉症とは同じ高機能広汎性発達障害の中に含まれますが、区分して取り扱われています。自閉症の延長線上にあっても、知的な遅れのないものが高機能自閉症で、さらに言葉の発達に問題を持たないものがアスペルガー症候群です。
 日本では従来、アスペルガー症候群への対応が進んでいませんでした。2005年4月1日施行の発達障害者支援法により、アスペルガー症候群と高機能自閉症に対する行政の認知は高まった一方、社会的認知は依然として低い状態です。
 オーストリアの小児科医、ハンス・アスペルガーが1944年、小児期より自閉的精神病質(性格異常の一種)を示す4例の症例報告を発表しました。このドイツ語で書かれた論文の存在とアスペルガーの名前を世界的にしたのが、イギリスの自閉症研究者であり臨床医であったローナ・ウイング。1981年の彼女の論文で、アスペルガー症候群の用語が始めて用いられ、1990年代になって世界中で徐々に知られるようになりました。
 アスペルガー症候群の原因は、明らかになっていません。自閉症と同様に、家族的・遺伝的要因の関与を示唆する研究がありますが、結論は一般化されていません。現在、最も注目されているのが脳の先天的な機能障害説で、実験データなどもそろってきています。脳幹障害説、小脳障害説、前頭前野障害説、一時感覚と関連した機能障害説、扁桃体(へんとうたい)システム障害説など、国内外でさまざまな意見があります。
 女性に比べて男性に多く発症することは確実ながら、自閉症ほどの優位性はありません。アスペルガー症候群の子供では、言語の習得に遅れを示さず、特定の分野に極端な関心と知識を持つだけなので、自閉症と比べて障害に気付かれるのが遅くなります。逆に、ユニークであるが早熟な子供と認識している親も、まれではありません。
 運動機能の軽度な障害も見られて、多くが不器用。運動と生活動作の両面で差し障りを示したりします。特徴的なゆらゆら歩きや小刻みな歩き方をし、腕を不自然に振りながら歩くこともあります。手をぶらぶら振る(常同行動)など、衝動的な指、手、腕の動きが認められることもあります。
 他者の気持ちを推測するのが苦手なため、コミュニケーションがうまくとれず、同年齢集団の幼稚園や保育園で友達ができにくく、成績はよいが友達がいないといった子供が多いようです。親とすらうまくコミュニケーションをとれないことも少なくありません。
 また、固定化または儀式化された行動や癖を持ち、手順にこだわったり、大人びた話し方をしたり、話をする時に目を反らしたり、言葉に抑揚がなく単調で一本調子のしゃべり方をしたり、といった特徴もあります。やまびこのように、言葉やその一部を繰り返す反響言語(エコラリア)と呼ばれる症状を示す場合もあります。
 視覚や聴覚、味覚などの感覚的異常、あるいは生理的異常を示すこともあります。例えば、ちょっとした日差しや雑音を嫌い、サングラスや耳栓をつけなければ外出できないような子供もいます。強い匂いに敏感だったり、頭を触られたり、髪をいじられるのを嫌う子供もいます。味覚が偏っているため、偏食になりやすい子供もいます。
 想像力、応用力といった感性が欠如している反面で、規則を守ることが得意で、文字や数字、記号などに強い関心を持ち、絵を描くことなどに独特な才能を持っていることも特徴です。特によく関心の対象となるのは、鉄道・自動車などの輸送手段、コンピューター、数学、天文学、地理、恐竜、法律など。きわめて強い、偏執的ともいえる水準での集中を伴うことがあり、対象に関する大量の情報を記憶することがあります。
 小学校ではほとんどの場合、通常学級で過ごすことになります。成績は科目によって大きく差があり、得意不得意がはっきりしています。学年が進むと、考え方や行動が独特で周囲から特別視される傾向にあります。同年代になじめないことから、いじめが発生したり、社会的になじめないことによるパニック、不穏、不登校といった問題が現れることもあります。
 思春期を迎えると、それなりに周囲に適応するようになります。ただ、適応に失敗すると現実逃避、幻覚症状、気分障害といった二次的症状を引き起こす可能性があります。
 仕事に就いた場合は、得手不得手があり、あいまいなことの判断に迷うなど、大きな問題を持ちます。自分と周囲との差から長続きせず、現実逃避してしまうことがあるといわれています。ただ、興味のある仕事を見付けることができれば、一気に才能が開花するといったこともあります。
[携帯電話]アスペルガー症候群の検査と診断と治療
 児童精神科医、小児神経専門医を始めとした医師は、問診で症状、病歴、家族の病歴、生活習慣などの質問により診断していきます。その後、てんかんやその他の脳の病気でないことを確認するために、脳波検査、CT、MRIなどの脳の画像検査を行います。さらに、認知機能などを確認するために知能検査、人格検査などを行います。
 一般的に疾患は薬や手術を行うことで治療できますが、アスペルガー症候群は治す疾患とは違います。アスペルガー症候群の原因は、現在の医学でははっきりとわかっていません。脳に何らかの障害がある、環境や遺伝に要因があるなど諸説あるものの、明らかな原因は解明されていません。
 そのため、アスペルガー症候群に対する病院側の対応も、診断や療育支援にとどまり、薬を使うのはあくまでも二次的にうつ、不安障害などの症状が出た場合に限られています。うつや不安障害にはSSRI、強迫性障害にはSSRIやSNRI、幻覚・妄想には抗精神薬、気分障害には気分安定剤などが使用されます。
 医師によっては、自閉症のための援助プログラムであるTEACCHや、認知行動療法などを行うことがあります。これらは基本的に、家庭生活で親と一緒に日常的に行う生活の改善や、訓練になります。
 代表的なものは、生活のスケジューリング、明確に意図のある指示出し、なるべく刺激を与えない静かな環境づくり、何かに興味を持った際は応援する、長所を見付けほめる、テレビや映画を音声なしでみせて内容を予想させる訓練をする、演劇をさせ場面ごとにどのような態度をとるべきかを教える訓練をする、不適切な行動を記録し代わりとなる代替行動を教える、などです。

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■病気 アトピー性皮膚炎 [病気(あ)]

[手(グー)]アトピー性皮膚炎とは
 アトピー性皮膚炎は乳幼児期に始まることが多く、よくなったり、悪くなったりを繰り返しながら長期間続く皮膚炎で、症状は痒みのある湿疹が中心です。原因には体質的なものと環境的なものとが絡んでいると考えられていますが、まだ詳細はわかっていません。
 乳幼児期に始まったアトピー性皮膚炎が成人期まで続くこともあり、中には成人になってから始まる人もいます。喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など他のアレルギー疾患が同時に見られることが多く、伝染性膿痂疹(とびひ)などの感染症、白内障、網膜剥離などもみられます。
 このアトピー性皮膚炎は、近年、世界的にも、日本国内でも増加傾向にあります。症状や経過には個人差が大きいので、治療効果をみながら、注意深く、根気強く治療する必要があります。
1.アトピー性皮膚炎はなぜ起こるのか? 
 アトピー性皮膚炎は、「アトピー素因(アトピー体質)」という遺伝的に痒みを起こしやすい体質の人が、さまざまな「アレルゲン(抗原)」と「機械的刺激」に曝された時に起こる皮膚炎であると考えられていますが、その原因やメカニズムは、まだ充分にはわかっていません。悪化の原因として、ストレスなどの精神的要因もあげられています。 
体質 
 体質的に皮膚が痒みを起こしやすいのは、以下の2つが主な原因です。 
 アトピー素因 
  生まれつきアレルギー反応を起こしやすい体質のことをいいます。 
 皮膚過敏性 
  外部からの刺激に対する防御機能が弱い皮膚の状態です。 
原因 
 原因物質(アレルゲン、抗原) 
  アトピー性皮膚炎の原因となる物質には、ハウスダスト(家庭内のほこり)、ダニ、スギ、ブタクサなどの花粉、空中に浮遊している真菌(カビの一種)、犬や猫の垢(上皮)、さらには昆虫の糞や住宅建材の処理剤といった、生活環境中の物質が多く認められます。また、特乳幼児では牛乳、卵、大豆、ソバ、小麦粉などの食物がアレルゲンとなることも少なくありません。
        【アトピー性皮膚炎患者に認められるアレルゲンの例】
ダニアレルゲン コナヒョウヒダニ、ヤケヒョウヒダニなど
食物アレルゲン 卵白、ミルク、小麦、大豆、米、トウモロコシ、ゴマ、ソバなど
花粉アレルゲン ブタクサ、ヨモギ、アキノキリンソウ、ハルガヤ、カモガヤ、ギョウギシバ、オオアワガエリ、アシなど
真菌アレルゲン カンジダ、ペニシリウム、クラドスポリウム、アスペルギルス、アルテリナリアなど
動物上皮アレルゲン ネコ、イヌなど
    
悪化因子
 過敏性のある皮膚が常に刺激される状態にあると、痒みを感じます。痒くなれば、その部分をどうしても掻いてしまい、それが刺激となってますます痒くなります。掻くことによって皮膚が傷つけられると、アレルゲンが皮膚から入ってきやすくなるため、アレルギーの面からも悪化の要因となり、さらに湿疹が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
 刺激のもとは、髪の毛や毛糸のセーターなどの他に、直接皮膚につく刺激物質としてシャンプーや石鹸、香水などの化粧品類、汗、よだれや食べこぼしなどがあげられます。
 また、直接的な刺激以外にも、精神的なストレスや生活リズムの乱れ、食習慣の極端な偏りなども、悪化の原因となることがあります。
2.症状の現れ方 
 典型的なアトピー性皮膚炎では、痒みのある湿疹が、おでこ、目・耳・口のまわり、唇、首、手足の関節の内側、胴体などに左右対称にみられます。症状が出現するのは、早い例では生後2~6ヶ月ですが、1歳、4~5歳、学童期、思春期になって始まることもあり、最近は成人になってから症状がでてくる人もいます。1歳未満で発症して、成人期まで続くこともあります。成人期のアトピー性皮膚炎は、特に成人型アトピー性皮膚炎とよばれます。 
3.アトピー性皮膚炎と喘息、鼻炎との関係 
 アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎などの病気(アトピー性疾患)に共通しているのは、アトピー素因(体質)です。これらの病気ではアレルギー反応(アトピーアレルギー)が起こる場所がちがうだけ、ということもできます。そのため、これらの病気を合併することが少なくなく、年齢が高くなるほど合併率が高くなる傾向があります。年を経るにつれて1つ1つ新しいアトピー性疾患が加わり、これらが出たり消えたりしながら進行していくという考え方もあります。ただし、すべてのアトピー性疾患が同時に悪化することは、普通はありません。 
[手(チョキ)]アトピー性皮膚炎の検査 
 アレルギーを起こしている原因(アレルゲン)を知るためにRAST、スクラッチテスト、パッチテスト、除去・負荷試験などが行われます。RASTでは、特異的IgE抗体の量を知ることができます。また、炎症の程度を知るための一般血液検査も行われます。 
[手(パー)]治療 
 アトピー性皮膚炎の治療は、スキンケア、アレルギー反応の抑制、および、炎症の抑制の3点に分けられます。湿疹の症状をまず改善し、症状が治まったら皮膚炎を予防する治療を行います。皮膚炎の症状や程度は一人一人異なるため、使われる方法も手順もさまざまです。きちんと医師の診察を受け、気長に治療、予防することが大切です。
 現在はさまざまな治療法が考えられていますが、以下に、おもに薬剤を使った治療法を紹介します。 
1.外用療法 
 外用療法は、アトピー性皮膚炎に対する治療の中心です。皮膚の炎症にはステロイド外用薬や非ステロイド消炎薬も使われます。ドライスキンを改善するものとしては尿素軟膏、白色ワセリン、亜鉛華軟膏などの保湿性外用剤があり、入浴剤などのスキンケア用品もあります。
 ステロイド外用剤は、作用の強さによって分類されており、湿疹のひどさや状態、湿疹がある場所や年齢によって使い分けます。また、剤型として軟膏、クリーム、ローション、ゲルなどがあり、使い心地や目的に合わせて選ぶことができます。ステロイド外用剤は、医師の指示以上に用いると副作用が出ることがあるので、医師の指示をきちんと守ることが大切です。 
2.内服療法 
 アトピー性皮膚炎に使用される内服薬としては、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬があります。抗ヒスタミン薬は痒みを起こす物質であるヒスタミンの遊離を抑え、抗アレルギー薬は、アレルギーを抑えます。比較すると、抗ヒスタミン薬のほうが早く効き目が現れます。 
[手(グー)]悪化を防ぐためには 
 悪化する原因がはっきりしている場合は、その原因をできるだけ避けるようにします。 
1.室内 
 床は、ダニを増やさず、除去しやすいように板張りが理想です。畳の上に絨毯を敷くのは、ダニにとって最も都合のよい環境を提供することになります。部屋によく風を通し、こまめに掃除することが大切です。
 スギなどの花粉がアレルゲンになっている場合は、外出先から花粉を持ち帰らないようコートをよく叩いてから部屋に入るようにしたり、風の強い日は窓をあけないようにします。 
2.寝具
 皮膚への刺激を少なくするため、毛羽立ちのない、柔らかい素材のシーツやカバーを使います。毛布にもカバーをします。羽毛の布団や、ソバ殻の枕が原因の場合は、それらを使わないようにします。また、ダニ防止のための手入れをします。頻回に布団、枕を日光にあて、ほこりを掃除機で吸い取ります。 
3.衣類 
 直接肌に当たる衣類は、吸水性と通気性のよい素材が一番です。毛羽立ちのない柔らかいものを使います。衣類が汚れていたり、洗剤が残っていても湿疹の原因になることがあります。新品で防虫加工などがされている場合も、それが原因になることもありますので、洗濯してから使います。
 洗濯は、洗剤が残らないよう、すすぎを1回多くします。洗濯糊や柔軟剤は使わないようにします。 
4.入浴 
 アトピー性皮膚炎では、汗、汚れなど皮膚への刺激物を除くことが大切です。石鹸や入浴剤は、自分に合ったものを選びます。石鹸を使う時は、まずよく泡立てて、その泡で皮膚を洗うようにします。ゴシゴシ擦ると、湿疹は却って悪化します。あがった後まで石鹸分が残らないよう、充分にお湯をかけて洗い流すようにします。入浴剤は、保湿効果のあるものもありますが、むやみには使わず、お湯の温度はぬるめにします。入浴後は、タオルをそっとあてて水分を吸い取ったあと、スキンケアをしておきましょう。 
5.ストレス 
 精神的な要因で、アトピー性皮膚炎が悪化することがあります。可能であれば、ストレスをできるだけ避けるようにしましょう。 
6.食事療法 
 アトピー性皮膚炎に食物アレルギーが関与している場合は、原因の食物を食べないという食事制限が有効なことがあります。しかし、成長途上の子どもに過度の食事制限を行うと成長障害を起こすこともあり、医師の監督下において慎重に行う必要があります。 
 アトピー性皮膚炎について解説しました。みなさまの健康を守るために少しでもお役に立てれば幸いです。わからない点や心配な点などがある場合は、お近くのかかりつけ医などの医療機関にご相談ください。

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