■病気 皮膚カンジダ症 [病気(ひ)]
かびの一種であるカンジダ菌による皮膚感染症
皮膚カンジダ症とは、かびの一種であるカンジダという真菌が皮膚に感染して起こる疾患。
カンジダは、健康な人の口腔(こうくう)粘膜にある程度存在している常在菌で、基本的に病原性が弱いため、発症することはほとんどありません。しかし、体の抵抗力が衰えるような条件があると、増殖、形態変化して疾患を起こします。特に、カンジダ・アルビカンスが圧倒的に多い原因菌となり、カンジダ・トロピカーリス、カンジダ・パラプシローシスなどが原因菌となることもあります。
皮膚のカンジダ症には、乳児のおむつの下にできる乳児寄生菌性紅斑(こうはん)を始め、成人の手の指の間に起こる指間びらん症、中年の女性に多い、つめ周囲炎など、いろいろなタイプがあります。
乳児寄生菌性紅斑は、陰部周囲に生じます。おむつかぶれに似た症状であり、区別が必要となります。指間びらん症は、主に水仕事に従事する主婦などに生じます。利き手の第3指間に好発し、手湿疹(しっしん)と合併していることもあって見逃されやすい傾向にあります。つめ周囲炎は、足より手に多く、つめの回りが赤くはれ、押すとジクジクした液が出ますが、痛みはありません。
また、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の軟こうを使っているうちに、皮膚カンジダ症が起こる場合もあります。糖尿病がある時にも皮膚の免疫能が低下し、肛門(こうもん)周囲や陰部にカンジダ症が起こりやすいと見なされています。
なお、口腔粘膜、陰部粘膜にもカンジダ症を生じることがあり、これを粘膜カンジダ症と呼ぶこともあります。皮膚や粘膜だけではなく、肺、消化器、その他の内臓に感染することもあります。この内臓カンジダ症は、血液疾患などで免疫能が高度に低下した人に生じるので、日和見(ひよりみ)感染症といわれています。
皮膚カンジダ症の検査と診断と治療
治療は、皮膚を乾かすことが重要です。つめ周囲炎の場合は、頑固なので皮膚科医の治療を受けます。皮膚カンジダ症から、内臓の疾患が見付かることもあります。
皮膚カンジダ症の診断においては、KOH検査(皮膚真菌検査)と培養検査が行われます。KOH検査では、皮膚の表面をこすり、それを水酸化カリウム溶液で溶かして、顕微鏡で観察します。5分もあれば結果が出ますが、カンジダ菌の種類の特定までは困難です。培養検査では、クロモアガー・カンジダ培地などで培養します。検査に時間がかかりますが、菌の種類を特定できます。
皮膚カンジダ症の治療の基本は、カンジダに抗菌力のある抗真菌薬の外用です。外用薬は、薬局でも手に入るものもあります。症状が強い場合や広範囲に病変がある場合は内服薬が必要になりますが、病院でしか手に入りません。
外用薬では、イミダゾール系のものが抗菌域が広く、カンジダに対しても有効性が高く、第一選択薬といえます。ネチコナゾール(アトラント)、ケトコナゾール(ニゾラール)、ラノコナゾール(アスタット)などの新しい薬は、抗菌力が強化されています。
基剤としては、軟こう剤、クリーム剤、液剤、ゲル剤がありますが、皮膚カンジダ症ではただれの症状を示すことが多いので、刺激が少ないクリーム剤か軟こう剤が無難です。
内服薬では、トリアゾール系のイトラコナゾール(イトリゾール)が、抗菌域が幅広く、第一選択薬です。副作用は比較的少ないのですが、血液検査は必要で、併用に注意する薬剤があります。
皮膚カンジダ症とは、かびの一種であるカンジダという真菌が皮膚に感染して起こる疾患。
カンジダは、健康な人の口腔(こうくう)粘膜にある程度存在している常在菌で、基本的に病原性が弱いため、発症することはほとんどありません。しかし、体の抵抗力が衰えるような条件があると、増殖、形態変化して疾患を起こします。特に、カンジダ・アルビカンスが圧倒的に多い原因菌となり、カンジダ・トロピカーリス、カンジダ・パラプシローシスなどが原因菌となることもあります。
皮膚のカンジダ症には、乳児のおむつの下にできる乳児寄生菌性紅斑(こうはん)を始め、成人の手の指の間に起こる指間びらん症、中年の女性に多い、つめ周囲炎など、いろいろなタイプがあります。
乳児寄生菌性紅斑は、陰部周囲に生じます。おむつかぶれに似た症状であり、区別が必要となります。指間びらん症は、主に水仕事に従事する主婦などに生じます。利き手の第3指間に好発し、手湿疹(しっしん)と合併していることもあって見逃されやすい傾向にあります。つめ周囲炎は、足より手に多く、つめの回りが赤くはれ、押すとジクジクした液が出ますが、痛みはありません。
また、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の軟こうを使っているうちに、皮膚カンジダ症が起こる場合もあります。糖尿病がある時にも皮膚の免疫能が低下し、肛門(こうもん)周囲や陰部にカンジダ症が起こりやすいと見なされています。
なお、口腔粘膜、陰部粘膜にもカンジダ症を生じることがあり、これを粘膜カンジダ症と呼ぶこともあります。皮膚や粘膜だけではなく、肺、消化器、その他の内臓に感染することもあります。この内臓カンジダ症は、血液疾患などで免疫能が高度に低下した人に生じるので、日和見(ひよりみ)感染症といわれています。
皮膚カンジダ症の検査と診断と治療
治療は、皮膚を乾かすことが重要です。つめ周囲炎の場合は、頑固なので皮膚科医の治療を受けます。皮膚カンジダ症から、内臓の疾患が見付かることもあります。
皮膚カンジダ症の診断においては、KOH検査(皮膚真菌検査)と培養検査が行われます。KOH検査では、皮膚の表面をこすり、それを水酸化カリウム溶液で溶かして、顕微鏡で観察します。5分もあれば結果が出ますが、カンジダ菌の種類の特定までは困難です。培養検査では、クロモアガー・カンジダ培地などで培養します。検査に時間がかかりますが、菌の種類を特定できます。
皮膚カンジダ症の治療の基本は、カンジダに抗菌力のある抗真菌薬の外用です。外用薬は、薬局でも手に入るものもあります。症状が強い場合や広範囲に病変がある場合は内服薬が必要になりますが、病院でしか手に入りません。
外用薬では、イミダゾール系のものが抗菌域が広く、カンジダに対しても有効性が高く、第一選択薬といえます。ネチコナゾール(アトラント)、ケトコナゾール(ニゾラール)、ラノコナゾール(アスタット)などの新しい薬は、抗菌力が強化されています。
基剤としては、軟こう剤、クリーム剤、液剤、ゲル剤がありますが、皮膚カンジダ症ではただれの症状を示すことが多いので、刺激が少ないクリーム剤か軟こう剤が無難です。
内服薬では、トリアゾール系のイトラコナゾール(イトリゾール)が、抗菌域が幅広く、第一選択薬です。副作用は比較的少ないのですが、血液検査は必要で、併用に注意する薬剤があります。
タグ:病気(ひ) カンジダ性指間びらん症 肺真菌症 肺カンジダ症 カンジダ性爪囲爪炎 カンジダ性間擦疹 急性偽膜性カンジダ症 口腔カンジダ症(鵞口瘡) 亀頭包皮炎 カンジダ性亀頭包皮炎 腟カンジダ症 カンジダ膣炎 膣炎 疥癬(かいせん) 乾癬(かんせん) 白なまず(白斑) 脂漏性皮膚炎 白癬(はくせん) 水虫(足白癬) 皮膚掻痒症 黒なまず(癜風) 結節性紅斑 突発性発疹 ヘルペス 赤ら顔 メラノーマ アトピー性皮膚炎 多汗症 円形脱毛症 巻き爪 腋臭 帯状疱疹 天疱瘡 リンゴ病 酒さ ケロイド ジベルばら色粃糠疹 二枚爪 ストロベリーマーク ひょうそ 皮膚カンジダ症 ふけ症 たこ、魚の目 しみ(肝斑) そばかす(雀卵斑) にきび(尋常性痤瘡) 爪甲白斑症 皮膚結核 爪甲周囲炎(爪囲炎) 爪甲剥離症 爪白癬(爪の水虫) 日光過敏症(光線過敏症) かぶれ(接触皮膚炎) 主婦湿疹(手湿疹) じんましん(蕁麻疹) 痒疹 多形滲出性紅斑 紅皮症(剥脱性皮膚炎) 紫斑病 せつ、よう いんきんたむし(股部白癬)
■病気 鼻炎 [病気(ひ)]
鼻の粘膜が炎症を起こした疾患。別名は、鼻風邪
鼻炎とは、鼻腔(びくう)の粘膜にさまざまな原因で炎症が生じた疾患。急性鼻炎と慢性鼻炎に分けられます。
急性鼻炎は、鼻腔粘膜の炎症が急激な経過をとるもの。急性鼻炎の多くは、いわゆる鼻風邪と同じと考えられます。
大部分が、風邪のウイルスによって引き起こされます。代表的なウイルスとして、ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスがあります。ウイルス感染に合併して、細菌感染を生じることもあります。
症状として、まず鼻の中が乾いたような感じがし、次いで、くしゃみ、鼻汁(びじゅう)、鼻詰まりが起こります。鼻汁は初め水性で、それが数日後には黄色く粘性に変わり、細菌感染を合併すると青緑色っぽい膿(のう)性の鼻漏(びろう)になります。
咽頭(いんとう)痛、咳(せき)、たん、しわがれ声、発熱、食欲不振、頭痛、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛などを伴うこともあります。小児では、いびきが大きくなることもあります。
一方、慢性鼻炎は、鼻腔粘膜が炎症を起こした状態が長引いているもの。普通、急性鼻炎を繰り返しているうちに慢性化すると見なされますが、はっきりと急性鼻炎の症状がないのに、いつの間にか慢性鼻炎になるケースもあります。
慢性鼻炎には、粘膜が赤く腫(は)れている状態が続く単純性鼻炎(鼻カタル)と、炎症が長引いて粘膜が厚く、硬くなった肥厚性鼻炎があります。アレルギー性のものや、副鼻腔炎を伴うものは、含みません。
局所的な原因としては、機械的刺激の反復、細菌の感染、副鼻腔炎、アデノイド(増殖性扁桃〔へんとう〕肥大症)などと関係があるとされています。全身的な原因としては、風邪のほか、糖尿病、肝臓病などの疾患、アレルギー体質が指摘されています。
症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。
単純性鼻炎の場合の鼻詰まりは、片側のみ、あるいは左右交代に起こります。肥厚性鼻炎の場合の鼻詰まりは、常に両側に起こります。鼻漏は粘性が多く、鼻がかみきれないこともあります。また、鼻漏がのどに落ちる、すなわち後(こう)鼻漏もよく起こります。
鼻炎の検査と診断と治療
風邪に伴って急性鼻炎の症状の鼻汁や鼻詰まりがなかなか治らない、あるいはいびきが続くなどの症状がある場合は、合併症を起こしている可能性があるので、一度耳鼻咽喉(いんこう)科を受診したほうがよいでしょう。
鼻鏡による鼻やのどの所見で、おおかたの診断がつきます。花粉症と紛らわしいことがありますが、花粉症の場合は目の症状を伴うことが多いため、この有無が診断のポイントになります。鼻汁の細胞診で、急性鼻炎の場合は白血球の一種の好中球や、脱落した鼻粘膜上皮細胞がみられますが、花粉症の場合は白血球の一種の好酸球がみられます。
急性鼻炎の治療は風邪と同様、対症療法が主体になります。患部に直接、薬の注入、塗布を行います。鼻汁を抑えるために抗ヒスタミン薬を、鼻をかみやすくするために粘液溶解薬を投与します。そのほか、鎮痛剤、解熱剤、抗生物質の処方など、全身的な治療もします。小児は鼻をかめないため、後鼻漏となって咳の原因となりがちなので、鼻をよく吸引することが大切です。
通常は数日間で治りますが、副鼻腔炎を併発すると膿性の鼻漏がなかなか治りません。また、特に小児は急性中耳炎を起こしやすくなります。
急性鼻炎にかかったら、安静が第一です。鼻やのどに適当な温度、湿度、きれいな空気も必要。特に、室内を乾燥させないように気を付けます。
初期はウイルスが飛び散って伝染するので、感染防止への配慮が必要。マスクは伝染にはたいした効果はありませんが、吸気の清浄化、加温、加湿という面では多少の効果があります。
慢性鼻炎のうち、単純性鼻炎の治療では薬物療法が中心で、鼻にネブライザーなどで薬を入れたり、薬を内服したりします。局所に血管収縮薬を用いると、鼻の粘膜の腫れがひき、鼻詰まりは改善されます。
肥厚性鼻炎になると、血管収縮薬でも改善しなくなるため、症状が強いケースでは手術療法も行われます。肥厚した粘膜を電気やレーザーで焼いて取り除いたり、鼻甲介(びこうかい)の切除が行われます。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
鼻炎とは、鼻腔(びくう)の粘膜にさまざまな原因で炎症が生じた疾患。急性鼻炎と慢性鼻炎に分けられます。
急性鼻炎は、鼻腔粘膜の炎症が急激な経過をとるもの。急性鼻炎の多くは、いわゆる鼻風邪と同じと考えられます。
大部分が、風邪のウイルスによって引き起こされます。代表的なウイルスとして、ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスがあります。ウイルス感染に合併して、細菌感染を生じることもあります。
症状として、まず鼻の中が乾いたような感じがし、次いで、くしゃみ、鼻汁(びじゅう)、鼻詰まりが起こります。鼻汁は初め水性で、それが数日後には黄色く粘性に変わり、細菌感染を合併すると青緑色っぽい膿(のう)性の鼻漏(びろう)になります。
咽頭(いんとう)痛、咳(せき)、たん、しわがれ声、発熱、食欲不振、頭痛、全身倦怠(けんたい)感、筋肉痛などを伴うこともあります。小児では、いびきが大きくなることもあります。
一方、慢性鼻炎は、鼻腔粘膜が炎症を起こした状態が長引いているもの。普通、急性鼻炎を繰り返しているうちに慢性化すると見なされますが、はっきりと急性鼻炎の症状がないのに、いつの間にか慢性鼻炎になるケースもあります。
慢性鼻炎には、粘膜が赤く腫(は)れている状態が続く単純性鼻炎(鼻カタル)と、炎症が長引いて粘膜が厚く、硬くなった肥厚性鼻炎があります。アレルギー性のものや、副鼻腔炎を伴うものは、含みません。
局所的な原因としては、機械的刺激の反復、細菌の感染、副鼻腔炎、アデノイド(増殖性扁桃〔へんとう〕肥大症)などと関係があるとされています。全身的な原因としては、風邪のほか、糖尿病、肝臓病などの疾患、アレルギー体質が指摘されています。
症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。
単純性鼻炎の場合の鼻詰まりは、片側のみ、あるいは左右交代に起こります。肥厚性鼻炎の場合の鼻詰まりは、常に両側に起こります。鼻漏は粘性が多く、鼻がかみきれないこともあります。また、鼻漏がのどに落ちる、すなわち後(こう)鼻漏もよく起こります。
鼻炎の検査と診断と治療
風邪に伴って急性鼻炎の症状の鼻汁や鼻詰まりがなかなか治らない、あるいはいびきが続くなどの症状がある場合は、合併症を起こしている可能性があるので、一度耳鼻咽喉(いんこう)科を受診したほうがよいでしょう。
鼻鏡による鼻やのどの所見で、おおかたの診断がつきます。花粉症と紛らわしいことがありますが、花粉症の場合は目の症状を伴うことが多いため、この有無が診断のポイントになります。鼻汁の細胞診で、急性鼻炎の場合は白血球の一種の好中球や、脱落した鼻粘膜上皮細胞がみられますが、花粉症の場合は白血球の一種の好酸球がみられます。
急性鼻炎の治療は風邪と同様、対症療法が主体になります。患部に直接、薬の注入、塗布を行います。鼻汁を抑えるために抗ヒスタミン薬を、鼻をかみやすくするために粘液溶解薬を投与します。そのほか、鎮痛剤、解熱剤、抗生物質の処方など、全身的な治療もします。小児は鼻をかめないため、後鼻漏となって咳の原因となりがちなので、鼻をよく吸引することが大切です。
通常は数日間で治りますが、副鼻腔炎を併発すると膿性の鼻漏がなかなか治りません。また、特に小児は急性中耳炎を起こしやすくなります。
急性鼻炎にかかったら、安静が第一です。鼻やのどに適当な温度、湿度、きれいな空気も必要。特に、室内を乾燥させないように気を付けます。
初期はウイルスが飛び散って伝染するので、感染防止への配慮が必要。マスクは伝染にはたいした効果はありませんが、吸気の清浄化、加温、加湿という面では多少の効果があります。
慢性鼻炎のうち、単純性鼻炎の治療では薬物療法が中心で、鼻にネブライザーなどで薬を入れたり、薬を内服したりします。局所に血管収縮薬を用いると、鼻の粘膜の腫れがひき、鼻詰まりは改善されます。
肥厚性鼻炎になると、血管収縮薬でも改善しなくなるため、症状が強いケースでは手術療法も行われます。肥厚した粘膜を電気やレーザーで焼いて取り除いたり、鼻甲介(びこうかい)の切除が行われます。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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■病気 肥厚性鼻炎 [病気(ひ)]
長引く炎症で鼻粘膜が肥厚した病状
肥厚(ひこう)性鼻炎とは、鼻粘膜の炎症が長引いて、粘膜が厚く、硬く、ごつごつと肥厚した病状です。
ウイルスや細菌感染による急性鼻炎を繰り返した場合、あるいは長引いた場合に起こります。また、鼻中隔(びちゅうかく)湾曲症があれば、湾曲によって広くなった鼻腔(びこう、びくう)側の粘膜が腫(は)れて、慢性肥厚性鼻炎が起こります。化学物質や物理的な刺激、さらに降圧剤や末梢(まっしょう)血管収縮薬の副作用でも起こります。
症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏(びろう)、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。鼻漏は粘性が多く、鼻汁がかみきれないこともあります。鼻漏がのどに落ちる、すなわち後鼻漏(こうびろう)もよく起こります。
この肥厚性鼻炎は、薬ではなかなか治りません。病状の原因を除去し、少しずつ炎症を鎮めていくことになります。症状がひどいケースでは、手術が行われます。肥厚した粘膜を減らすために、電気やレーザーで焼いて取り除いたり、アルゴンプラズマで凝固したり、切除したりして、鼻詰まりをとります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
肥厚(ひこう)性鼻炎とは、鼻粘膜の炎症が長引いて、粘膜が厚く、硬く、ごつごつと肥厚した病状です。
ウイルスや細菌感染による急性鼻炎を繰り返した場合、あるいは長引いた場合に起こります。また、鼻中隔(びちゅうかく)湾曲症があれば、湾曲によって広くなった鼻腔(びこう、びくう)側の粘膜が腫(は)れて、慢性肥厚性鼻炎が起こります。化学物質や物理的な刺激、さらに降圧剤や末梢(まっしょう)血管収縮薬の副作用でも起こります。
症状としては、鼻詰まり、嗅覚(きゅうかく)障害、鼻漏(びろう)、前頭部の頭痛などがみられるほかに、鼻部の不快感、イライラ感、鼻出血なども生じることがあります。鼻漏は粘性が多く、鼻汁がかみきれないこともあります。鼻漏がのどに落ちる、すなわち後鼻漏(こうびろう)もよく起こります。
この肥厚性鼻炎は、薬ではなかなか治りません。病状の原因を除去し、少しずつ炎症を鎮めていくことになります。症状がひどいケースでは、手術が行われます。肥厚した粘膜を減らすために、電気やレーザーで焼いて取り除いたり、アルゴンプラズマで凝固したり、切除したりして、鼻詰まりをとります。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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■病気 膝痛 [病気(ひ)]
なぜ多い?中高年の膝の痛み
●膝の関節軟骨がすり減って発症
中高年の方々は、膝の不快な痛みを「年のせい」とあきらめていませんか。あきらめてしまう前に、日常生活の見直しをしたいところです。
私たちが体を動かすために欠かせない部分が、関節です。骨と骨とが連結している部分のことですが、実は、関節では骨と骨は直接ぶつかっていないのです。
関節の骨と骨の透き間を埋めているのは、軟らかくて弾力性のある「関節軟骨」と、「滑膜(かつまく)」という薄い膜から分泌される「関節液」。関節軟骨は関節部分の骨を覆っていて、厚さは3~4ミリで、非常に弾力性があります。そして、関節液が潤滑油の役割を果たし、私たちは関節をスムーズに動かすことができるのです。
とはいえど、膝の関節の場合は、肩や腰など全身の関節の中でも特に大きな負担がかかっていて、痛みを起こしやすいものです。常に体重を支えながら、立ったり歩いたり、階段を上ったり下りたりするのですから、かかる負担は大。平地を歩行する時で体重の約2~3倍、階段を上り下りする時では約3~4倍、走る際には約6倍もの力がかかっています。
同時に、膝関節は広い範囲の曲げ伸ばし運動など、複雑な動きを行うことを強いられています。歩行時には約60度、しゃがむ動作では約100度、正座では約140度の曲げ伸ばしとなります。
衝撃を柔らげる役割を果たしている関節軟骨も、加齢とともに水分が失われ、弾力性がなくなってしまいます。そこに体重の増加、仕事や運動などによる負担が加わると、関節軟骨は次第に、すり減ります。
結果として、関節に炎症を起こしたり、骨が変形したりして、痛みが生じることになります。この変形性膝(しつ)関節症が、膝の痛みの原因として最も多いのです。ほかにも、けがや免疫の病気、代謝の病気が、原因として考えられます。
軟骨は一度すり減ると、残念ながら再生しません。「年齢」、「体重」、「習慣」が変形性膝関節症の三大要因といわれていますので、膝への負担を少しでも減らすことが、日常生活で大切になります。
●疑われる関節の病気
◆変形性膝(しつ)関節症
関節の軟骨がすり減ったために、痛みが生じる病気が変形性関節症で、中でも一番多いのが、膝の部分に痛みが出る変形性膝関節症。膝が痛む病気としても、最多です。
加齢で増加する病気であり、通常は50代から発症するケースが多いのですが、肥満の人は40代でも発症します。
初期では、立ち上がる際や歩き始めに痛みますが、時間がたてば治まります。進行すると、正座や階段の上り下りで感じる痛みが大きくなり、膝を真っすぐに伸ばしたり、十分に曲げたりできなくなります。悪化すると、じっとしていても痛みを感じ、歩けなくなれば手術も必要となります。
O脚の人の場合、膝の内側に圧力がかかるため、内側の関節軟骨がすり減って発症しやすく、女性に多いのが特徴ですが、はっきりした理由は不明です。
◆半月板損傷
膝の関節内でクッションの役割を担っているのが、半月板です。この繊維性の軟骨は、スポーツなどで急に方向転換をしたり、膝を素早く曲げ伸ばししたりすると、切れることがあります。
切れた場合には、膝の全体が腫れて痛みが出たり、ロックされたように膝が動かなくなったりし、自然に治癒することはありません。損傷がひどいケースでは、手術が行われます。
加齢によって柔軟性がなくなるので、中高年は半月板の損傷に注意が必要。半月板損傷と変形性膝関節症とが合併する例も、みられます。
◆関節リウマチ
自己免疫反応の異常により、膝だけでなく全身の関節が炎症を起こす病気が、関節リウマチ。膝、指、手首、肘(ひじ)などの関節の滑膜に炎症が起こり、そこから出る物質が関節軟骨や骨を破壊するため、痛みや腫れが生じ、関節が変形します。
40代以上の女性に多くみられ、出産後に発病することも。朝、手や指がこわばって動かしにくいのが、症状の特徴となります。こわばりが30分以上、6週間続く、腫れが3カ所以上ある、腫れが左右対称である、などのケースでは、関節リウマチが疑われます。
◆化膿性関節炎
体のある部分が黄色ブドウ球菌などの細菌によって化膿(かのう)した場合、その感染が関節におよび、炎症を起こすことがあります。炎症は膝だけでなく、全身の関節で起こります。
関節が赤く腫れ上がって熱を持ち、痛みも徐々に強くなって自由に動かせなくなります。体温も上がり、緊急手術が必要。熱があって激しい痛みがあれば、すぐに医療機関へ行くべきです。
◆大腿(だいたい)骨顆骨壊死
大腿骨顆骨という、膝の上側の骨の一部が壊死して、強い痛みが生じます。50歳以上の女性に多く、症状が変形性膝関節症に似ています。
◆痛風
血液中の尿酸が関節にたまることで、炎症を起こします。尿酸は細胞の燃えカスで、プリン体という物質からできています。
炎症はまず、足の親指の付け根に起こることが多く、中高年の男性に多い病気です。
心掛けたい膝痛対策
●原因を明白にさせる
まずは、膝の痛みの原因を突き止めることです。歩きすぎなどのはっきりした原因があり、2~3日で治るようであれば、それほど心配はありません。
心当たりがないのに激しく痛んだり、だんだん痛みが増してきたりしたら、専門医を受診しましょう。
膝の痛みが急に悪化し、腫れや熱を持っている場合は、氷などで冷やして炎症を抑えましょう。慢性的な痛みの場合は、ゆっくり入浴して膝を温め、血行をよくしましょう。
●膝への負担を減らす
膝の関節に負担をかけないためには、日常生活の改善が最も大事です。
体重をかけて膝を曲げることが膝関節への一番の負担になりますので、椅子や洋式トイレを使用して、しゃがまない、正座をしない、横座りをしないように心掛けましょう。
長時間、立ち続けるのもよくありませんし、重い荷物を持つのもよくありません。肥満の人は、減量を試みましょう。
階段を上り下りする時は、体重の3~4倍の負担が膝にかかります。膝の悪い人が外出する際には、エスカレーターやエレベーターを利用しましょう。負担がかからない靴を履くようにし、関節の保護と保温のためにサポーターを利用するのもよいでしょう。
寒い季節には、体を冷やさないように注意し、入浴で血行をよくしましょう。
●筋トレで太ももを鍛える
膝は筋肉によって支えられています。太ももの筋肉を柔軟にし、筋力を向上することで、膝への負担を減らすことが可能になります。
高低差の少ないコースでのウオーキングや水泳が、お勧めのトレーニングです。水中ウオーキングも、膝への体重の負担が少なくてよいでしょう。
家でできる筋トレもあります。寒くて家に閉じこもりがちな季節の場合、じっとしているだけでは関節は弱る一方です。簡単な体操や適度な運動で、関節痛を解消、ないし予防しましょう。変形性膝関節症の慢性期は、適度なトレーニングで症状が改善します。
まずは、太ももの前側の筋力を強化する方法の紹介。足の裏がちょうど床につく程度の高さの椅子に座って、足首を上に曲げたまま片脚を5秒くらいかけてゆっくり上げ、膝が伸びたところで10秒静止します。同様に、ゆっくり下ろし、反対側の脚の上げ、止め、下げを行います。これを1セット10~20回、朝、昼、晩に行いましょう。
関節軟骨の一カ所に負担が集中することがなくなり、膝の曲げ伸ばしの力も強くなります。注意すべき点は、・沈み込まない椅子を選ぶ、・腰などに痛みがある人、膝が伸びない人は無理をしない、・膝の症状が進行している人は医師と相談の上行う、ことです。
太ももを強化する他の方法としては、・畳やカーペットに仰向けに寝て、片脚は膝を曲げたまま、もう一方の脚をゆっくり上げる、・横向きに寝て、股を開けるようにゆっくりと片脚を上げる。上げない方の脚は、曲げていてもよい、・太ももでボールやまくらをはさみ、膝を内側にねじったり曲げたりしないようにしながら、ボールなどを押すように力を入れる、などを試してもよいでしょう。
次は、太ももの背面の筋肉を柔軟にするストレッチ。両膝を真っすぐに伸ばして、床に座ります。右の手のひらを右膝、左の手のひらを左膝に当て、膝のお皿の上あたりを押すと、膝の後ろ側が伸びます。反動をつけず、ゆっくり行いましょう。
膝の曲げ伸ばしをお風呂の中でするのも、よい方法です。関節を伸ばす時に力を入れながら、ゆっくりと行うのが要領。
●関節によい成分をとる
痛み止めを使わずにいると、しばらくするとまた関節が痛くなってくる…そんな経験を持つ人も多いのでは。これは薬で痛みや炎症を抑えていても、軟骨がすり減っている、という根本的な原因が解決されていないから。
ここで注目したいのが、最近話題のグルコサミンやコンドロイチン、MSM(メチルスルフォニルメタン)など。軟骨の成分でもあるこれらには、軟骨細胞の再生を促す作用があるのです。
グルコサミンは、軟骨の原料となる物質を作る。アミノ糖の一種。生体内に広く分布しているが、特に軟骨細胞に多い。若いうちは体内でスムーズに作られますが、加齢とともに生成量が減り不足気味に。
コンドロイチンは、細胞に水分を補給し、栄養を与えて老廃物を排出する。ムコ多糖の一種。骨や軟骨、皮膚など広く生体内にある。加齢とともに生成量が減り不足気味に。また、目の角膜や水晶体の透明感や弾力性の維持の働きもあります。
MSM(メチルスルフォニルメタン)は、たんぱく質やコラーゲンの生成に不可欠。有機イオウ化合物の一種で、人間を含むほとんどの動植物にとって必須の成分。調理により大部分が失われるので、通常の食事だけでは不足しがち。
サプリメントでとる場合、グルコサミンとコンドロイチンは、食後ならいつでもOK。1日分をまとめて飲んでも、分けて飲んでもOK。MSMは朝食後、夕食後と分けて飲むとよいでしょう。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
●膝の関節軟骨がすり減って発症
中高年の方々は、膝の不快な痛みを「年のせい」とあきらめていませんか。あきらめてしまう前に、日常生活の見直しをしたいところです。
私たちが体を動かすために欠かせない部分が、関節です。骨と骨とが連結している部分のことですが、実は、関節では骨と骨は直接ぶつかっていないのです。
関節の骨と骨の透き間を埋めているのは、軟らかくて弾力性のある「関節軟骨」と、「滑膜(かつまく)」という薄い膜から分泌される「関節液」。関節軟骨は関節部分の骨を覆っていて、厚さは3~4ミリで、非常に弾力性があります。そして、関節液が潤滑油の役割を果たし、私たちは関節をスムーズに動かすことができるのです。
とはいえど、膝の関節の場合は、肩や腰など全身の関節の中でも特に大きな負担がかかっていて、痛みを起こしやすいものです。常に体重を支えながら、立ったり歩いたり、階段を上ったり下りたりするのですから、かかる負担は大。平地を歩行する時で体重の約2~3倍、階段を上り下りする時では約3~4倍、走る際には約6倍もの力がかかっています。
同時に、膝関節は広い範囲の曲げ伸ばし運動など、複雑な動きを行うことを強いられています。歩行時には約60度、しゃがむ動作では約100度、正座では約140度の曲げ伸ばしとなります。
衝撃を柔らげる役割を果たしている関節軟骨も、加齢とともに水分が失われ、弾力性がなくなってしまいます。そこに体重の増加、仕事や運動などによる負担が加わると、関節軟骨は次第に、すり減ります。
結果として、関節に炎症を起こしたり、骨が変形したりして、痛みが生じることになります。この変形性膝(しつ)関節症が、膝の痛みの原因として最も多いのです。ほかにも、けがや免疫の病気、代謝の病気が、原因として考えられます。
軟骨は一度すり減ると、残念ながら再生しません。「年齢」、「体重」、「習慣」が変形性膝関節症の三大要因といわれていますので、膝への負担を少しでも減らすことが、日常生活で大切になります。
●疑われる関節の病気
◆変形性膝(しつ)関節症
関節の軟骨がすり減ったために、痛みが生じる病気が変形性関節症で、中でも一番多いのが、膝の部分に痛みが出る変形性膝関節症。膝が痛む病気としても、最多です。
加齢で増加する病気であり、通常は50代から発症するケースが多いのですが、肥満の人は40代でも発症します。
初期では、立ち上がる際や歩き始めに痛みますが、時間がたてば治まります。進行すると、正座や階段の上り下りで感じる痛みが大きくなり、膝を真っすぐに伸ばしたり、十分に曲げたりできなくなります。悪化すると、じっとしていても痛みを感じ、歩けなくなれば手術も必要となります。
O脚の人の場合、膝の内側に圧力がかかるため、内側の関節軟骨がすり減って発症しやすく、女性に多いのが特徴ですが、はっきりした理由は不明です。
◆半月板損傷
膝の関節内でクッションの役割を担っているのが、半月板です。この繊維性の軟骨は、スポーツなどで急に方向転換をしたり、膝を素早く曲げ伸ばししたりすると、切れることがあります。
切れた場合には、膝の全体が腫れて痛みが出たり、ロックされたように膝が動かなくなったりし、自然に治癒することはありません。損傷がひどいケースでは、手術が行われます。
加齢によって柔軟性がなくなるので、中高年は半月板の損傷に注意が必要。半月板損傷と変形性膝関節症とが合併する例も、みられます。
◆関節リウマチ
自己免疫反応の異常により、膝だけでなく全身の関節が炎症を起こす病気が、関節リウマチ。膝、指、手首、肘(ひじ)などの関節の滑膜に炎症が起こり、そこから出る物質が関節軟骨や骨を破壊するため、痛みや腫れが生じ、関節が変形します。
40代以上の女性に多くみられ、出産後に発病することも。朝、手や指がこわばって動かしにくいのが、症状の特徴となります。こわばりが30分以上、6週間続く、腫れが3カ所以上ある、腫れが左右対称である、などのケースでは、関節リウマチが疑われます。
◆化膿性関節炎
体のある部分が黄色ブドウ球菌などの細菌によって化膿(かのう)した場合、その感染が関節におよび、炎症を起こすことがあります。炎症は膝だけでなく、全身の関節で起こります。
関節が赤く腫れ上がって熱を持ち、痛みも徐々に強くなって自由に動かせなくなります。体温も上がり、緊急手術が必要。熱があって激しい痛みがあれば、すぐに医療機関へ行くべきです。
◆大腿(だいたい)骨顆骨壊死
大腿骨顆骨という、膝の上側の骨の一部が壊死して、強い痛みが生じます。50歳以上の女性に多く、症状が変形性膝関節症に似ています。
◆痛風
血液中の尿酸が関節にたまることで、炎症を起こします。尿酸は細胞の燃えカスで、プリン体という物質からできています。
炎症はまず、足の親指の付け根に起こることが多く、中高年の男性に多い病気です。
心掛けたい膝痛対策
●原因を明白にさせる
まずは、膝の痛みの原因を突き止めることです。歩きすぎなどのはっきりした原因があり、2~3日で治るようであれば、それほど心配はありません。
心当たりがないのに激しく痛んだり、だんだん痛みが増してきたりしたら、専門医を受診しましょう。
膝の痛みが急に悪化し、腫れや熱を持っている場合は、氷などで冷やして炎症を抑えましょう。慢性的な痛みの場合は、ゆっくり入浴して膝を温め、血行をよくしましょう。
●膝への負担を減らす
膝の関節に負担をかけないためには、日常生活の改善が最も大事です。
体重をかけて膝を曲げることが膝関節への一番の負担になりますので、椅子や洋式トイレを使用して、しゃがまない、正座をしない、横座りをしないように心掛けましょう。
長時間、立ち続けるのもよくありませんし、重い荷物を持つのもよくありません。肥満の人は、減量を試みましょう。
階段を上り下りする時は、体重の3~4倍の負担が膝にかかります。膝の悪い人が外出する際には、エスカレーターやエレベーターを利用しましょう。負担がかからない靴を履くようにし、関節の保護と保温のためにサポーターを利用するのもよいでしょう。
寒い季節には、体を冷やさないように注意し、入浴で血行をよくしましょう。
●筋トレで太ももを鍛える
膝は筋肉によって支えられています。太ももの筋肉を柔軟にし、筋力を向上することで、膝への負担を減らすことが可能になります。
高低差の少ないコースでのウオーキングや水泳が、お勧めのトレーニングです。水中ウオーキングも、膝への体重の負担が少なくてよいでしょう。
家でできる筋トレもあります。寒くて家に閉じこもりがちな季節の場合、じっとしているだけでは関節は弱る一方です。簡単な体操や適度な運動で、関節痛を解消、ないし予防しましょう。変形性膝関節症の慢性期は、適度なトレーニングで症状が改善します。
まずは、太ももの前側の筋力を強化する方法の紹介。足の裏がちょうど床につく程度の高さの椅子に座って、足首を上に曲げたまま片脚を5秒くらいかけてゆっくり上げ、膝が伸びたところで10秒静止します。同様に、ゆっくり下ろし、反対側の脚の上げ、止め、下げを行います。これを1セット10~20回、朝、昼、晩に行いましょう。
関節軟骨の一カ所に負担が集中することがなくなり、膝の曲げ伸ばしの力も強くなります。注意すべき点は、・沈み込まない椅子を選ぶ、・腰などに痛みがある人、膝が伸びない人は無理をしない、・膝の症状が進行している人は医師と相談の上行う、ことです。
太ももを強化する他の方法としては、・畳やカーペットに仰向けに寝て、片脚は膝を曲げたまま、もう一方の脚をゆっくり上げる、・横向きに寝て、股を開けるようにゆっくりと片脚を上げる。上げない方の脚は、曲げていてもよい、・太ももでボールやまくらをはさみ、膝を内側にねじったり曲げたりしないようにしながら、ボールなどを押すように力を入れる、などを試してもよいでしょう。
次は、太ももの背面の筋肉を柔軟にするストレッチ。両膝を真っすぐに伸ばして、床に座ります。右の手のひらを右膝、左の手のひらを左膝に当て、膝のお皿の上あたりを押すと、膝の後ろ側が伸びます。反動をつけず、ゆっくり行いましょう。
膝の曲げ伸ばしをお風呂の中でするのも、よい方法です。関節を伸ばす時に力を入れながら、ゆっくりと行うのが要領。
●関節によい成分をとる
痛み止めを使わずにいると、しばらくするとまた関節が痛くなってくる…そんな経験を持つ人も多いのでは。これは薬で痛みや炎症を抑えていても、軟骨がすり減っている、という根本的な原因が解決されていないから。
ここで注目したいのが、最近話題のグルコサミンやコンドロイチン、MSM(メチルスルフォニルメタン)など。軟骨の成分でもあるこれらには、軟骨細胞の再生を促す作用があるのです。
グルコサミンは、軟骨の原料となる物質を作る。アミノ糖の一種。生体内に広く分布しているが、特に軟骨細胞に多い。若いうちは体内でスムーズに作られますが、加齢とともに生成量が減り不足気味に。
コンドロイチンは、細胞に水分を補給し、栄養を与えて老廃物を排出する。ムコ多糖の一種。骨や軟骨、皮膚など広く生体内にある。加齢とともに生成量が減り不足気味に。また、目の角膜や水晶体の透明感や弾力性の維持の働きもあります。
MSM(メチルスルフォニルメタン)は、たんぱく質やコラーゲンの生成に不可欠。有機イオウ化合物の一種で、人間を含むほとんどの動植物にとって必須の成分。調理により大部分が失われるので、通常の食事だけでは不足しがち。
サプリメントでとる場合、グルコサミンとコンドロイチンは、食後ならいつでもOK。1日分をまとめて飲んでも、分けて飲んでもOK。MSMは朝食後、夕食後と分けて飲むとよいでしょう。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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