■リベリア滞在後、羽田到着の男性、エボラウイルス検出されず [健康ダイジェスト]
西アフリカのリベリアに滞在した後、27日に羽田空港に到着し、発熱の症状が確認された男性について、厚生労働省はエボラウイルスを含めて何らかの病気に感染していないか詳しい検査を行った結果、エボラウイルスは検出されなかったということです。
しかし、男性に症状が出てから日が浅いためにエボラウイルスが検出されなかった可能性もあるとして、厚労省は念のため男性を東京都新宿区の国立国際医療研究センターに3日間程度とどめて経過を観察することにしています。
厚労省などによりますと、27日午後4時ごろ、羽田空港に到着した男性に発熱の症状が確認されたということです。
男性は45歳のカナダ国籍のジャーナリストで、西アフリカのリベリアに10月18日まで2カ月間滞在した後、ベルギーやイギリスを経由して、27日に羽田空港に到着したということです。男性は体の不調は訴えていませんでしたが、自らリベリアに滞在していたと申告し、検疫所で熱を測ったところ37度8分の熱があったということです。
このため、厚労省は同意を得た上で男性を国立国際医療研究センターに搬送するとともに、採取した血液などを東京都武蔵村山市の国立感染症研究所に送り、エボラウイルスを含めて何らかの病気に感染していないか詳しい検査を行っていましたが、検査の結果、エボラウイルスは検出されなかったということです。
男性はリベリアでエボラ出血熱について取材をしていたということですが、患者などとは接触はしていなかったといいます。現在、男性は平熱に戻り、容体は落ち着いていて、30日の最終的な検査で異常がなければ退院することになっています。
万が一、感染が確認されていた場合、厚労省は男性と同じ便の全日空機に乗っていたすべての乗客などを対象に、男性と濃厚に接触していないかや健康状態に異常がないか調査を行うことにしていました。
厚労省はエボラウイルスが国内に持ち込まれるのを防ぐため、今月24日からすべての入国者を対象に、検疫所などでエボラ出血熱の発生国のリベリアなど4カ国に、最長の潜伏期間に当たる過去3週間以内に滞在していないか確認し、感染が疑われる場合は指定医療機関に搬送する対応を取っています。
エボラ出血熱など感染症の問題に詳しい東北大学の賀来満夫教授は、「エボラ出血熱のような深刻な病気では、リスクのある人を早く見付け出し、念のための対応をしていくことが重要だ。今回は本人の自己申告を基に発熱が確認され検査を行ったというケースで、検疫での対応がうまくいった事例だと思う。結果的には陰性だったが、今後、本当に感染した人が出てきた場合の対応をスムーズに行うための確認にもなった」と評価しています。
一方で、「今回は羽田空港で疑い患者が出たため、入院先の指定医療機関や検査を行う国立感染症研究所が近くにあり、うまくいったと思うが、今後、地方で疑い患者が出ると検査用の血液を東京まで運ばなければならなかったり、指定医療機関が県内になかったりして対応に手間取ることも考えられる。各地域でしっかり準備をしておくことが必要だ」と指摘しています。
2014年10月29日(水)
しかし、男性に症状が出てから日が浅いためにエボラウイルスが検出されなかった可能性もあるとして、厚労省は念のため男性を東京都新宿区の国立国際医療研究センターに3日間程度とどめて経過を観察することにしています。
厚労省などによりますと、27日午後4時ごろ、羽田空港に到着した男性に発熱の症状が確認されたということです。
男性は45歳のカナダ国籍のジャーナリストで、西アフリカのリベリアに10月18日まで2カ月間滞在した後、ベルギーやイギリスを経由して、27日に羽田空港に到着したということです。男性は体の不調は訴えていませんでしたが、自らリベリアに滞在していたと申告し、検疫所で熱を測ったところ37度8分の熱があったということです。
このため、厚労省は同意を得た上で男性を国立国際医療研究センターに搬送するとともに、採取した血液などを東京都武蔵村山市の国立感染症研究所に送り、エボラウイルスを含めて何らかの病気に感染していないか詳しい検査を行っていましたが、検査の結果、エボラウイルスは検出されなかったということです。
男性はリベリアでエボラ出血熱について取材をしていたということですが、患者などとは接触はしていなかったといいます。現在、男性は平熱に戻り、容体は落ち着いていて、30日の最終的な検査で異常がなければ退院することになっています。
万が一、感染が確認されていた場合、厚労省は男性と同じ便の全日空機に乗っていたすべての乗客などを対象に、男性と濃厚に接触していないかや健康状態に異常がないか調査を行うことにしていました。
厚労省はエボラウイルスが国内に持ち込まれるのを防ぐため、今月24日からすべての入国者を対象に、検疫所などでエボラ出血熱の発生国のリベリアなど4カ国に、最長の潜伏期間に当たる過去3週間以内に滞在していないか確認し、感染が疑われる場合は指定医療機関に搬送する対応を取っています。
エボラ出血熱など感染症の問題に詳しい東北大学の賀来満夫教授は、「エボラ出血熱のような深刻な病気では、リスクのある人を早く見付け出し、念のための対応をしていくことが重要だ。今回は本人の自己申告を基に発熱が確認され検査を行ったというケースで、検疫での対応がうまくいった事例だと思う。結果的には陰性だったが、今後、本当に感染した人が出てきた場合の対応をスムーズに行うための確認にもなった」と評価しています。
一方で、「今回は羽田空港で疑い患者が出たため、入院先の指定医療機関や検査を行う国立感染症研究所が近くにあり、うまくいったと思うが、今後、地方で疑い患者が出ると検査用の血液を東京まで運ばなければならなかったり、指定医療機関が県内になかったりして対応に手間取ることも考えられる。各地域でしっかり準備をしておくことが必要だ」と指摘しています。
2014年10月29日(水)
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