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■国内初、人の組織から作った人工弁を移植 大阪大が心臓病患者に [健康ダイジェスト]

 重い心臓病の患者に、血液の塊ができる合併症などを防ぐ特殊な加工をしたほかの人から提供された心臓弁を移植する、国内で初めての手術を大阪大学附属病院(大阪府吹田市)が行い、患者は27日に退院しました。
 27日には、治療を行った大阪大学医学部附属病院の澤芳樹教授などの医療チームと、手術を受けた35歳の男性が記者会見しました。
 男性は、肺動脈が狭く血流などが悪くなる「ファロー四徴症(しちょうしょう)」という先天性の重い心臓病で、2歳の時に心臓手術を受けました。手術後、経過をみてきましたが、肺動脈の入り口の心臓弁が十分に機能せず、心臓に負荷がかかって拡大している状態でした。
 新たな人工弁を移植する手術は今月16日に実施され、術後の弁機能は良好で、27日に退院しました。
 治療に使われたのは、亡くなった人などから提供された心臓弁から薬剤で細胞を取り除き、コラーゲンなどの骨格部分だけにする「脱細胞化」という特殊な加工をしたもので、移植されると患者本人の血液の細胞が結合するということです。
 これまでの人工弁は、血液の塊の血栓ができやすく、またウシやブタの組織から作った弁はやがて硬くなって機能しなくなります。今回加工した弁では、血栓を防ぐ薬を飲み続けたり、弁を交換したりする必要がなくなるということです。
 この心臓弁はドイツで12年前に開発され、ヨーロッパでは120例ほどの移植手術が行われていますが、国内では初めてです。
 澤教授は、「人工弁に細胞が入ってくることで、あたかも患者さんの元の弁のようになる仕組みで、治療成績が安定し、有望な治療法だ。今後、この治療法を広めていきたい」と話しています。
 手術を受けた男性は、「1回の手術を受けると弁が長く持つということに魅力を感じ手術を受けました。立ちくらみなどの症状もなく体調はいいです」と話していました。

 2014年10月29日(水)

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