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■日本カビが世界的流行を起こし死者も 欧米やアジアで抗菌薬への耐性を獲得 [健康ダイジェスト]

 2009年に日本人研究者が「新種」として世界で初めて報告した真菌(カビの一種)「カンジダ・アウリス(カンジダ・オーリス)」(通称・日本カビ)が、欧米やアジアで真菌感染症として初めてのパンデミック(世界的流行)を引き起こしていることが明らかになりました。抵抗力の弱い入院患者が死亡する事例も報告され、警戒が必要です。
 日本カビは、帝京大学大学院医学研究科の槇村浩一教授が2005年に、東京都内の帝京大学医学部附属病院に入院していた70歳の女性患者の耳漏(耳だれ)から初めて発見しました。この時に見付かったカンジダ・アウリスは病原性が低く、抗菌薬に対する耐性も示しませんでした。
 ところがその後、イギリス、コロンビア、インド、イスラエル、ケニア、クウェート、パキスタン、南アフリカ、韓国、アメリカなど世界各国でも同じカンジダ・アウリスが病院や医療現場で外耳道や尿、血液などから発見され、2011年には韓国で感染した患者が敗血症で死亡する事例が報告されました。
 アメリカでも疾病対策センター(CDC)が2016年11月4日に、初めての患者が確認されたと明らかにして、年内に7例の感染が報告されました。今年も122例の感染が報告され、死者も多く出ています。イギリスでも今年の8月までに、200例以上の感染が確認されました。日本から広がったのではなく、もともと各国に同種のカンジダ・アウリスが存在したとみられます。
 懸念されるのが、治療薬が効かない耐性化。アメリカでは9割以上の株が、最優先で選択される抗菌薬であるエキノカンジン系抗真菌薬への耐性を獲得。半分の株は、エキノカンジン系抗真菌薬やアゾール系抗真菌薬など2種類以上の抗菌薬に耐性を持っていました。すべての抗菌薬が効かない株も4%あったといいます。韓国やインドでも、耐性化が確認されています。
 槇村教授は、「日本では明らかな耐性化は認められていないが、海外で強毒耐性化した真菌が、健康な人の体にすみ着いて日本に持ち込まれる可能性は高い」と話しています。
 通常の健康状態で通常通りの生活をしている限り、カンジダ・アウリスに感染することはまずありません。これまでに世界各国で確認されている感染者は、すべてほかの深刻な病気で入院治療を長期間受けていた患者たちです。感染者が見付かっている国に渡り、感染者が入院している病院に何らかの疾患で長期入院したり、手術を受けるような場合は、感染する可能性が出てきます。

 2017年10月8日(日)

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