■iPS細胞を応用し難病治療、5月から治験へ 慶応大、動物実験経ず [健康ダイジェスト]
耳が聞こえにくくなる難病を治療できる可能性がある薬を、慶応大学の研究チームがiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って見付け出し、5月から患者を治療する医師主導の臨床試験(治験)を始めることになりました。
慶応大学医学部耳鼻咽喉科学教室の小川郁教授らの研究チームは、進行性の難聴やめまいなどを引き起こす遺伝性の難病の「ペンドレッド症候群」の患者の血液からiPS細胞を作製して、実験室で病気の状態を再現し、ほかの病気に使われている既存薬の中から治療効果のあるものを調べたところ、免疫抑制剤として使われている「ラパマイシン」と呼ばれる薬に、症状を改善させる効果がある可能性が高いことがわかったということです。
研究チームは、5月にもペンドレッド症候群の患者16人を対象に治験を行い、ラパマイシンを投与して効果を検証することにしています。このペンドレッド症候群は実験用の動物を作ることが難しく、既存薬のため安全性も問題がないと判断し、有効性を確認する動物実験を行いません。
ペンドレッド症候群は、遺伝子の変異が原因とされる難病で、国内に4000人の患者がいると推定されているものの、有効な治療法がありません。
研究チームによりますと、iPS細胞を応用した薬の治験は、国内では京都大学が別の難病「進行性骨化性線維異形成症」に対して行っています。
小川教授は、「これまで治療法がなく苦しんでいた患者さんに、早く薬を届けられるよう努めたい」と話しています。
2018年4月25日(水)
慶応大学医学部耳鼻咽喉科学教室の小川郁教授らの研究チームは、進行性の難聴やめまいなどを引き起こす遺伝性の難病の「ペンドレッド症候群」の患者の血液からiPS細胞を作製して、実験室で病気の状態を再現し、ほかの病気に使われている既存薬の中から治療効果のあるものを調べたところ、免疫抑制剤として使われている「ラパマイシン」と呼ばれる薬に、症状を改善させる効果がある可能性が高いことがわかったということです。
研究チームは、5月にもペンドレッド症候群の患者16人を対象に治験を行い、ラパマイシンを投与して効果を検証することにしています。このペンドレッド症候群は実験用の動物を作ることが難しく、既存薬のため安全性も問題がないと判断し、有効性を確認する動物実験を行いません。
ペンドレッド症候群は、遺伝子の変異が原因とされる難病で、国内に4000人の患者がいると推定されているものの、有効な治療法がありません。
研究チームによりますと、iPS細胞を応用した薬の治験は、国内では京都大学が別の難病「進行性骨化性線維異形成症」に対して行っています。
小川教授は、「これまで治療法がなく苦しんでいた患者さんに、早く薬を届けられるよう努めたい」と話しています。
2018年4月25日(水)
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