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■数本の毛髪で半年前まで逆上ってストレス診断 滋賀大学の研究チームが開発 [健康ダイジェスト]

 日常生活の中でため込んだ慢性的なストレスの度合いを、数本の髪の毛から測定する新たな技術を滋賀大学の研究チームが開発しました。社会全体で働き方改革への関心が高まる中、これまでより簡単に慢性的なストレスを診断できるということです。
 慢性的なストレスの新たな測定技術を開発したのは、滋賀大学教育学部の大平雅子准教授らの研究チームです。
 研究チームによりますと、人がストレスを感じると体内にホルモンが分泌され、髪の毛にはこのホルモンをため込む性質があることに着目し、独自に配合した薬品で髪の毛からホルモンを抽出し、その濃度を調べることでストレスの度合いを測定する技術を開発しました。
 髪の毛は一般的に1カ月に1センチ程度伸びるとされ、毛根から何センチの部分を調べるかによって、ストレスが積み重なった時期やその程度を、最長で半年前まで逆上って測定できるということです。また、数本程度の髪の毛があれば測定可能で、社会全体で働き方改革への関心が高まる中、これまでより簡単に慢性的なストレスを診断できるということです。
 研究チームでは、従業員へのストレスチェックが義務付けられている企業に活用してもらおうと今月、ベンチャー企業を立ち上げました。髪の毛を使ったストレスチェックをビジネス化するのは、国内では例がないということです。
 ベンチャー企業の社長に就任した研究チームの五十棲(いそずみ)計さんは、「自分ではストレスをため込んでいると気付いていない人にも客観的な数値で示すことができます。ストレスがない職場づくりに貢献していきたい」と話しています。
 生理学的にストレスの度合いを調べる手軽な方法としては、だ液からホルモンを抽出する方法が知られています。ただ、測定を行う直前に受けたストレスによってホルモンの濃度に大きな影響が出るため、長期にわたる慢性的なストレスを調べるには不向きとされています。
 これに対し、髪の毛から抽出する方法は最大で半年ほど前まで逆上ってストレスの度合いを測定することが可能ですが、これまでの技術では数十本の髪の毛を必要としていました。研究チームでは、より手軽に測定を行えるようにするため、ホルモンを抽出する薬品の配合を工夫した結果、数本の髪の毛だけで測定できる技術を確立しました。
 測定の手順としては、まず、毛根付近から切り取った髪の毛を1センチほどの単位で細かく切り分けます。髪の毛は1カ月に1センチほど伸びるとされているため、例えば2カ月前のストレスを調べたい場合は毛根から2センチの当たりを調べます。
 切り分けた髪の毛を薬品に浸し、ストレスにかかわるホルモンを抽出した後、その濃度を分析。ホルモンはストレスの度合いが強ければ強いほど濃度が高まることから、どの時期にどの程度のストレスが積み重なったかを客観的な数値で示すことができるということです。
 今回の研究を中心的に行っている大平准教授は28日の記者会見で、「髪の毛を使ったストレス研究は欧米で技術的に確立していたが、集団の健康状態をとらえるためのものだった。一人ひとりの状態に合わせてケアしようという今回の取り組みは国内では初めてとなる」と話しています。
 また、ベンチャー企業の社長に就任した五十棲さんは、すでにこの技術について企業からの問い合わせがきていることを明らかにした上で、「測定の正確性を高め、3年後までには技術を確立して企業に導入してもらえるようにしたい。1人3000円から5000円で診断できるようにして、5年後までに年間10億円の売り上げを目標にしていきたい」と話しています。

 2019年1月28日(月)

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