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■開発中の新型コロナウイルスワクチンで「抗体」量増加を確認 製薬大手ファイザーなどが発表 [健康ダイジェスト]

 アメリカの製薬会社などが開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、人での臨床試験の結果、免疫の役割を担う「抗体」の量が接種後に増加することが確認されたなどとする初期段階の研究成果が発表されました。
 アメリカの製薬大手「ファイザー」とドイツの製薬会社「ビオンテック」が開発する新型コロナウイルスの遺伝情報を使ったワクチンの臨床試験について、初期段階の結果が12日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載されました。
 臨床試験は18歳から55歳の45人を対象に行われ、ワクチンの接種から21日後には接種されたすべての人の血液から新型コロナウイルスに対する抗体が検出されたほか、ウイルスを攻撃してその働きを弱める「中和抗体」の量が増加することも確認されました。
 中和抗体の量は、新型コロナウイルスに感染して回復した人の血液から検出された量の1・9倍から4・6倍だったということです。
 一方、ワクチンを接種された人の半分以上が軽度から中程度の頭痛や疲労など体の変調を訴えましたが、健康への深刻な影響は報告されなかったということです。
 ファイザーとビオンテックのワクチンは、開発に成功した場合、アメリカ政府が少なくとも1億回分の供給を受けることで合意しているほか、日本政府も来年6月末までに6000万人分の供給を受けることで合意しています。
 このワクチンは7月から開発の最終段階に当たり、約3万人を対象とする第3段階の臨床試験に入っており、ファイザーは早ければ今年10月の承認を目指すとしています。
 東京農工大学の水谷哲也教授(ウイルス学)は、「体の中でどれだけ抗体が増えればウイルスを防げるのかはまだわかっていないが、回復した人よりも多くの抗体を持っていたことは評価できる。最終の試験結果に期待したい」と話しています。
 新型コロナウイルスのワクチン開発を巡っては、イギリスの製薬大手「アストラゼネカ」やアメリカのバイオ企業「モデルナ」なども最終の臨床試験に進んでおり、開発は大詰めを迎えています。

 2020年8月13日(木)

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