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■コロナ感染時に軽症でも後遺症リスク 脳縮小や心臓病増加と英米で報告 [健康ダイジェスト]

 新型コロナウイルスに感染すると軽症でも脳や心臓などに後遺症が出るという報告が相次いでいます。イギリスの大学などは脳のわずかな縮小や認知機能の低下を確認し、アメリカの大学からは心臓病のリスクが高まるという報告もあります。オミクロン型での後遺症の調査はこれからで、リスクが懸念されます。
 世界保健機関(WHO)は後遺症を2カ月以上続き、ほかの疾患では説明のつかない症状などと定義しており、倦怠(けんたい)感や睡眠障害、嗅覚障害などさまざまな症例が報告されています。
 イギリスのオックスフォード大学などが感染の脳への影響を調べた論文が8日、イギリスの科学誌「ネイチャー」(電子版)に掲載されました。50~80歳代の軽症中心の感染者約400人を対象に、感染から平均約140日後に磁気共鳴画像装置(MRI)で脳を撮影し、感染前の画像と比べました。
 頭の大きさに占める脳の割合を感染していない人と比べると、約0・3%小さくなりました。脳の占める割合は感染の有無にかかわらず時間とともに減る傾向があるものの、感染するとより減少が進みました。嗅覚にかかわる脳の部位では、やや減少幅が大きくなりました。
 感染の認知機能への影響も調査。特定の課題を解くのにかかる時間を調べると、感染者は感染していない人よりも8~12%長くなりました。研究チームは、感染時に軽症でも脳や認知機能に影響が出ることが明らかになったとしています。
 心臓に関する報告もあります。アメリカのセントルイス大学などはアメリカ退役軍人省のデータベースを使い、平均年齢約60歳となる約15万人の感染者を分析しました。
 感染30日後から約1年後までの病気の発症リスクを調べると、心筋梗塞は感染していない人の1・6倍、心筋炎は同5・4倍でした。感染直後の症状が重いほど高リスクで、軽症でも多くの病気でリスクが高くなりました。
 これら2つの調査はいずれもオミクロン型が流行する前のもので、オミクロン型による後遺症の報告はまだ乏しく今後の調査が待たれます。
 イギリス政府の調査では、2回のワクチン接種で後遺症は半減という結果が出ています。聖マリアンナ医科大学の国島広之教授は、「接種を進めるとともに、後遺症のあることを気軽に伝えられるよう、社会全体で理解を深めないといけない」と話しています。

 2022年3月8日(火)




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