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■世界の5歳未満児の死亡数、過去最少の490万人 ユニセフが発表 [健康ダイジェスト]

 世界で2022年に5歳未満で死亡した子供は過去最少の490万人で、初めて500万人を下回りました。国連児童基金(ユニセフ)が12日、世界保健機関と世界銀行と共同でまとめた報告書を発表しました。
 推計によると、2022年に死亡した5歳未満児は2000年以降で51%減、1990年以降では62%減となりました。カンボジア、マラウイ、ルワンダ、モンゴルなどの途上国では、2000年以降で75%以上減少しています。
 ユニセフのキャサリン・ラッセル事務局長は、こうした成果が導き出された背景として「安全な出産を支える助産師や医療従事者の存在、致命的な病気から子供を守るワクチン接種、家庭訪問による支援活動」などを挙げました。
 一方で報告書は、こうした成果は「不安定」であり、「新生児・乳幼児の健康や生存を脅かすさまざまなリスクを無効化する取り組みを行っていかなければ、進歩は停滞、または後退する恐れがある」と指摘。
 世界レベルでは5歳未満児の死亡率の低下は2015年以降、鈍化しており、2030年までにこの年齢層で予防可能な死亡を減らすとの目標は達成が遅れており、特にサハラ以南のアフリカ諸国で顕著だとしています。2022年は5歳未満児の死亡がサハラ以南のアフリカ諸国に集中し、出生数が世界の30%にすぎない地域で死亡数では57%を占めました。
 チャド、ナイジェリア、ソマリアなどで生まれた子供の死亡率は、フィンランドや日本、シンガポールなどで生まれた子供の80倍にもなっています。
 世界保健機関のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長は、「生まれた場所に子供の生死が左右されることがあってはならない」と訴えています。
 世界銀行の保健・栄養・人口担当ディレクター、パブロ・ウリベ氏は今回のデータについて、「重要な節目だが、断じて十分ではない」と述べました。

 2024年3月13日(水)

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