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■用語 脳底部異常血管網症 [用語(の)]

[ダイヤ]原因不明で、脳底部にもやもやとした異常血管網が現れる脳血管疾患
 脳底部異常血管網症とは、日本人に多発する原因不明の脳血管疾患。ウィリス動脈輪閉塞(へいそく)症、もやもや病ともいいます。
 厚生労働省指定の難病の一つで、1950年代の後半に初めてその存在が気付かれました。脳底部のウィリス動脈輪に狭窄(きょうさく)や閉塞(へいそく)がみられ、脳虚血症状を示し、体の各部のまひ、知覚異常、不随意運動、頭痛、けいれんなどを起こします。
 脳血管撮影をすると、脳底部にもやもやとした異常血管網が認められます。大脳へ血液を送る頸(けい)動脈が頭の中で狭くなったり、詰まったりするために、脳の深い部分の細い動脈が不足する脳の血流を補うための側副血行路として発達して太くなり、異常な血管網の構造を示すことになります。
 脳への血液の供給が足りない状態である脳虚血や、脳の血管が破綻(はたん)して出血する脳出血で発症しますが、発症時の年齢分布には2つピークがあります。
 5歳を中心とする10歳までの子供は脳虚血で発症することが多く、30〜40歳代の大人は脳出血で発症することが多くなっています。もちろん、子供での脳出血、大人での脳虚血もありますが、前者が小児(若年)型、後者が成人型と区別され、その症状とその発症機序が異なっています。
 女性と男性の比率は1・8対1とされ、女性の発症者のほうが多くなっています。発症頻度は10万人に対して0・35〜0・5人とされ、日本では年間に約400〜500人の新たな発症者が発生し、常に約4000人の患者がいます。世界中で、脳底部異常血管網症の報告はありますが、なぜか東アジアに多く、中でも圧倒的に日本に多く発生しています。アメリカからの報告でも日系人に多いといわれますが、白人、黒人にもみられます。
 疾患の原因はいまだ不明で、先天性血管奇形という先天説や、感染症などの生後に何らかの原因があるとする後天説がありました。兄弟や親子間での発生が約10パーセント弱と多いことや、日本人に多く発生することなど遺伝的な要素もあり、現在では遺伝子で規定された要素に、何らかの後天的要素が加わって発症すると考えられています。細菌やウイルスが原因の感染症ではありませんので、周辺の人に移る可能性は全くありません。
 小児型の脳底部異常血管網症では、元気だった子供に突然、脳卒中のような発作、つまり左右半身の脱力や運動障害、ろれつが回らないなどの言語障害、視野の一部が欠けるなどの視力障害、意識障害、感覚異常が一過性に出現し、症状が出てもすぐに元に戻るのが典型的な症状です。その他の症状としては、手足が勝手に前後・上下に動く不随意運動、けいれん、頭痛などがみられます。
 脳卒中のような発作は、泣いたり、大声で歌ったり、笛やハーモニカを吹いたり、熱いラーメンやうどんをフーフー吹いて食べたり、全力で走ったりする時の過呼吸により誘発されます。過呼吸状態では、脳血管の拡張に必要な血中の二酸化炭素が低下し、もやもやとした血管網も含めた脳血管が収縮するために、それまで辛うじて維持されていた脳血流が急に低下し、脳の代謝に必要な酸素の不足により脳虚血発作が生じます。
 脳虚血発作は一過性に出現し繰り返す場合が多くみられますが、重症な場合には、脳梗塞(こうそく)を来し、運動障害、言語障害、知能障害、視力障害などが固定症状として残ります。
 成人型の脳底部異常血管網症では、脳内出血、脳室内出血、くも膜下出血などの頭蓋(ずがい)内出血による発症が一般的で、症状は出血の部位や程度により異なり、軽度の頭痛から重度の意識障害、運動障害、言語障害、精神症状までさまざまです。代償性に拡張した数多くの細いもやもやとした血管網に、血行力学的なストレスが加わり、薄くなった血管壁が破綻すると考えられています。
 出血の場所と大きさにより、後遺症が全く残らない場合から、さまざまな後遺症が残る場合まであります。命にかかわるのは、頭蓋内出血を起こした場合が多く、再度、出血を起こすことも多くなっています。
 脳底部異常血管網症が疑われた場合は、脳神経外科、神経内科、小児神経(内)科などを受診することが必要です。強い頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)、意識がなくなる、まひ、言葉が出ない、視野の一部が欠けるなどの症状が出た時は、すぐに受診するべきです。
[ハート]脳底部異常血管網症の検査と診断と治療
 脳底部異常血管網症の医師による診断は、臨床所見と画像診断で行われます。ラーメンを食べる時に時々、手の力が抜ける、大泣きしたら手足がしびれるといった典型的な症状の一過性脳虚血発作であれば、診断はさほど困難ではありません。
 しかし、てんかんや不随意運動で発症した場合には、わかりにくい場合もあります。てんかんと診断されて、抗けいれん薬を投与され、その後、脳虚血の症状が出た場合など、脳底部異常血管網症の診断まで時間がかかる場合もあります。ほかに、精神的なものとか自閉症と誤診されることもあります。
 脳底部異常血管網症の画像診断は、主にカテーテルによる脳血管撮影と、核磁気共鳴画像法(MRI)によって行われます。脳血管撮影は、直径1・3ミリほどの細い管であるカテーテルを足の付け根の動脈から入れて行います。このカテーテルを頸部の動脈まで持っていき、造影剤を注入して撮影します。そのため検査自体にわずかながら危険性が伴うため、その適応は慎重であるべきです。大人では、足の付け根への局所麻酔だけで可能な検査ですが、小学生やそれ以下の場合は全身麻酔で行います。
 近年は、強い磁場を利用した核磁気共鳴画像法(MRI)による診断法が、主に行われています。この診断法は、入院の必要はありませんし、検査時間は30分ぐらいで寝ている間に可能です。小さな子供の場合は、眠り薬が必要です。X線を使った断層撮影であるX線CTも、緊急時の脳虚血と脳出血の鑑別に有用です。
 急性期の脳底部異常血管網症の治療は、他の原因で起こる脳虚血や脳出血の治療と同じです。脳虚血の場合は、脳細胞保護薬、抗血栓薬、循環改善薬などの点滴が行われます。脳出血で小さな出血の場合は、保存的な治療が行われます。脳室内の出血の場合は、緊急で細い管を脳室に入れて、髄液や血腫(けっしゅ)を抜く手術が行われます。大きな脳内出血の場合は、開頭による血腫除去術を必要とする場合もあります。脳圧を下げ、脳のはれを改善する点滴治療も行われます。けいれん発作があれば、抗けいれん薬が投与されます。
 慢性期の脳底部異常血管網症の脳虚血に対する内科的な治療としては、抗血小板薬、抗凝固薬、血管拡張薬などの投与が行われます。これらの薬剤を積極的に投与する医師と、そうでない医師に分かれます。けいれんのある場合には、抗けいれん薬が投与されます。
 虚血発作の再発を抑える目的で、血管吻合(ふんごう)術が有効とされています。この血管吻合術には、耳の前の頭皮内を走行している浅側頭動脈と頭蓋内の中大脳動脈の枝を顕微鏡で見ながら吻合する直接吻合と、脳を包んでいる脳硬膜や側頭部の筋肉やその筋膜を脳の表面に置き、その間に自然に小さな血管の吻合が形成されるのを待つ間接吻合があります。直接吻合を行う場合、大なり小なり間接吻合と組み合わせるのが一般的です。
 脳底部異常血管網症は、左右に病変があるため、両側の手術が必要なことが多く、普通2回に分けて、症状の強い側の手術を先に行います。手術の効果はすぐに現れるものではなく、虚血発作が徐々に減少し、その後、消失します。その時間経過は、脳循環の状態、手術方法などによりさまざまです。
 慢性期の脳底部異常血管網症の脳出血に対する治療として、血管吻合術が行われる場合があります。側副血行路になっている脳の深部の細い血管に負担がかかり、破綻するのが脳出血の原因と考えられているため、この負担を軽減するために行われますが、この吻合術が再出血を予防するとは必ずしも証明されていません。血圧の高い発症者には、降圧剤を投与します。
 脳梗塞や脳出血により、運動障害、言語障害、知能障害、視力障害などが残った場合には、早期に運動療法、作業療法、言語療法などのリハビリテーションを開始することが重要です。特に小児の場合は、適切なリハビリで大きな障害がかなり軽減するケースもあります。




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■用語 脳動静脈奇形 [用語(の)]

[ダイヤ]一種の血管の奇形で、くも膜下出血や脳内出血、てんかんを起こす疾患
 脳動静脈奇形とは、脳血管が形成される妊娠初期の胎児期の異常により、毛細血管が作られずに動脈と静脈が直接つながった先天性の疾患。一種の血管の奇形で、遺伝する疾患ではありません。
 脳を栄養する血液は、動脈、毛細血管、静脈の順番で流れます。毛細血管は細かく枝分かれしており、脳へ栄養分や酸素を送り、老廃物や二酸化炭素を回収しています。ところが、脳動静脈奇形では毛細血管がないので、本来は血管が細かく広がって分散される動脈血液が、高い圧力のまま直接静脈に流れ込み、非常に速い血流がナイダスと呼ばれる異常な血管の塊を少しずつ大きくすることがあります。
 ナイダスは体のどこにでもできますが、脳の内部、脳の表面、硬膜など脳にできたものが脳動静脈奇形です。脳動静脈奇形の血管は、正常な血管に比べて壁が弱く破れやすいため、脳出血、くも膜下出血を起こして死亡、または重い後遺症を生じることもあります。
 また、毛細血管を通過しない血液は、脳との間で栄養分や酸素、老廃物や二酸化炭素の交換ができないため、脳が正常に働けなくなります。このため脳動静脈奇形の発生場所や大きさによっては、てんかん発作や認知症状で見付かることがあります。
 約40~80パーセントは、脳動静脈奇形が破裂して、くも膜下出血あるいは脳出血の症状を起こします。脳動静脈奇形の出血は、動脈からではなく、静脈性出血である場合が多く、脳動脈瘤(りゅう)の破裂に比べると程度は軽いと考えられますが、出血量が多い場合は、より重症で死亡する例もあります。小さい脳動静脈奇形のほうが出血しやすいと見なされています。
 脳動静脈奇形が破裂する頻度は毎年人口10万人当たり1人と、脳動脈瘤破裂の約10分の1ですが、好発年齢は20~40歳と20年近く若く、男性が2倍近く多いなどの特徴があります。
 約20~40パーセントは、けいれん発作で発症します。体の一部にけいれんが見られ、次第に範囲が広がっていくジャクソン型けいれんが多いのですが、突然意識を失い、全身のけいれんが起こり、数十秒程度続く大発作も少なくありません。けいれんは、出血とは逆に、大きい脳動静脈奇形でよく見られます。
 脳動静脈奇形のために毛細血管を通らない血液があっても、若いころは動脈硬化が強くないので、周りの正常血管が脳に血液を送り、脳の働きは正常であるのに対し、加齢に伴って動脈硬化が進行すると、脳が血流不足になりやすいため、精神症状、認知機能低下、手足のまひ、頭痛などを起こすことがあります。
 発症者の脳動静脈奇形がいつ破裂するかの予測は、現在の医学水準では不可能です。しかし、10年、20年という単位で考えると、脳動静脈奇形が出血して重い後遺症をもたらす可能性は高いと考えられるので、早期に神経内科、ないし脳神経外科の専門医の診察を受けることが勧められます。
[ダイヤ]脳動静脈奇形の検査と診断と治療
 神経内科、脳神経外科の医師による診断では、造影剤を使った頭部CT、あるいは頭部MRIで確定できます。手術をするには、脳血管撮影で流入動脈、流出静脈を詳しく調べる必要があります。てんかん発作がある人には、脳波検査を行います。
 医師による治療の原則は、外科手術による動静脈奇形の全摘出です。実際には年齢、性別、脳動静脈奇形の部位、大きさ、合併症などによって手術をするかどうか決められます。
 手術を行う場合は、全身麻酔で頭の皮膚を切って頭蓋(ずがい)骨を開き、手術顕微鏡を使って脳動静脈奇形に到達し、異常血管と正常血管の境界部分を金属製のクリップなどで止血して、脳動静脈奇形を摘出します。
 手術が困難であるような発症者には、血管内治療による塞栓(そくせん)術や、ガンマナイフによる放射線治療も行われています。
 血管内治療による塞栓術では、局所麻酔で細いカテーテルを異常血管の入り口まで誘導し、異常血管を一本一本詰め、少しずつ疾患を小さくします。この方法だけで治療できる脳動静脈奇形は非常に限られるために、外科手術と放射線治療を補う第3の治療として行われています。
 ガンマナイフによる放射線治療は、非常に狭い範囲に、高い線量の放射線を集中的に当てることで、正常な脳組織に及ぼす悪影響を最小限に抑え、病変を小さくする治療法です。必要とされる入院期間は二泊三日が標準で短く、発症者の負担も外科手術よりも少なくなります。
 ただし、病変のサイズが直径3センチ以下のものでなければ行えません。ガンマナイフ照射後、病変が消失するまでに平均して2~3年かかると考えられており、外科手術に比べて時間がかかるのが難点です。
 てんかん発作を起こした人に対しては、抗てんかん剤を投与します。




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■用語 脳動脈瘤破裂 [用語(の)]

[ダイヤ]脳にできた血管のこぶが破裂して、激しい頭痛が起こる疾患
 脳動脈瘤(りゅう)破裂とは、脳を覆う軟膜にできた動脈瘤が高血圧などのために破裂して、出血する疾患。くも膜下出血とも呼ばれます。
 脳は外側から順に硬膜、くも膜、軟膜という3層の膜で覆われており、くも膜とその下の軟膜との間を、くも膜下腔(くう)といい、ここには脳脊髄(せきずい)液が満たされています。血管のこぶである動脈瘤が破裂すると、血液がくも膜下腔に一気に流出するため、頭蓋(ずがい)内圧(頭蓋骨の内部の圧力)が上がって、激しい頭痛が起こります。
 バットか金づちで殴られたような、今までに経験したことのないひどい痛みに襲われ、その頭全体に感じる痛みがしばらく続きます。頭蓋内圧が急激に上がって脳全体が圧迫されると、意識障害が起こったり、吐いたりします。重症の場合、意識障害から、昏睡(こんすい)状態に進んだまま死亡することもあります。
 病院に急行しなくては命にかかわる頭痛の代表が、この脳動脈瘤破裂による頭痛です。発症後、数時間以内に手術など適切な処置を行い、再出血を防ぐことが、非常に大切です。出血は、いったん止まりますが、再び破裂することが多く、再出血を起こすと死亡率が非常に高くなるからです。
 今まで経験したことのない突然の頭痛が起きたら、すぐにCT設備のある脳神経外科を受診することです。40〜50歳代で、家族や親類に脳動脈瘤破裂を起こした人がいる人は、特に注意が必要です。
 少量の出血を繰り返すタイプの脳動脈瘤破裂では、あまり激しくない痛みが反復するために、片頭痛と紛らわしい場合があります。軽い頭痛であっても、念のために受診することです。脳ドックなどの検査で、脳動脈瘤が破裂する前に見付かることもあります。
[ダイヤ]脳動脈瘤破裂の検査と診断と治療
 脳神経外科の医師による診断では、脳動脈瘤破裂(くも膜下出血)の状況は頭部CT(コンピューター断層撮影法)検査によって判明します。出血量が少ない時は、頭部CTでははっきりしないこともあり、症状からみて、脳動脈瘤破裂が疑われる場合は、脳脊髄液を採取して検査します。
 出血が確認された時は、破裂した動脈瘤を血管撮影によって探し出し、頭蓋骨を切開し、こぶの根元を金属のクリップで挟むクリッピング法という手術が行われます。近年では、血管内手術といって血管の中へ細いカテーテルを挿入し、プラチナの細いコイルを入れて動脈瘤の内側に詰める塞栓(そくせん)術を行うこともあります。
 どちらの方法をとるかは、発症者の年齢、動脈瘤の部位、大きさ、形、合併症などによって決まります。病状があまりにも重症の場合は、手術ができないこともあります。
 出血によって脳脊髄液の流れが妨げられた急性水頭症の場合は、脳脊髄液を外に排出する手術を行うこともあります。また、発作後4日ほど経つと、脳の血管が細くなり、脳梗塞(こうそく)を起こすこともあるので、それを予防する血漿(けっしょう)製剤と血管拡張剤が用いられます。




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■用語 脳脊髄膜炎 [用語(の)]

[位置情報]ウイルスや細菌などの感染によって、脳を取り巻く髄膜に炎症が発生
 人間の脳は、内側から軟膜、くも膜、硬膜の三層の髄膜で覆われています。脳脊髄(せきずい)膜炎とは、ウイルスや細菌などの感染によって、脳を取り巻いている髄膜に炎症が起こる疾患です。別名は、髄膜炎、脳膜炎。
 よくみられるのは、風邪や中耳炎、副鼻腔(びくう)炎などにかかったことを切っ掛けに発症するケースです。風邪を引いた際に発熱と頭痛が一緒に起こることがありますが、熱に激しい頭痛を伴う時は、脳脊髄膜炎の可能性もあります。
 髄膜の炎症が広がると、首が強く突っ張る項部強直(こうぶきょうちょく)で、首が曲がらなくなり、さらに炎症が脳そのものまでに及ぶと脳炎を合併し、意識障害や手足のけいれんを起こすこともありますので、すぐに神経内科や内科、小児科の専門医に診てもらうようにしましょう。
 脳脊髄膜炎の原因は、ウイルスによるものと、細菌によるものに大別されます。脳脊髄膜炎を起こすウイルスは、夏風邪、はしか、風疹(ふうしん)、おたふく風邪、ヘルペス、日本脳炎などのウイルスで、神経に感染しやすい性質があります。しかし、それらが感染しても脳脊髄膜炎にかかるのは、ごく一部です。脳炎を合併するのは、ウイルスが大部分の原因です。
 脳脊髄膜炎を起こす細菌は、インフルエンザ菌や肺炎双球菌、髄膜炎菌、結核菌、大腸菌、真菌(かびの一種)などで、鼻やのど、肺にくっつき、そこから血管内へ進入して髄膜に到達し、脳脊髄膜炎を起こします。
[位置情報]脳脊髄膜炎の検査と診断と治療
 専門医の診断で脳脊髄膜炎が疑われた時は、入院して脊髄液の検査を行います。脊髄液を腰椎(ようつい)から採取して、白血球や糖を調べ、脳脊髄膜炎ならば、その病原は何かの判断をした上で、ウイルスや細菌を見付けます。
 脳脊髄膜炎や脳炎の程度を見るために、CT(コンピューター断層撮影法)やMRI(核磁気共鳴画像法)の検査も行います。
 原因がウイルスの場合は抗ウイルス薬を使うことが多く、原因が細菌の場合は抗生物質を用います。脳脊髄膜炎を引き起こしたもとになる疾患があれば、その治療も並行して行います。
 脳脊髄膜炎は、早期に発見して早期に治療すれば予後の改善が期待できますが、時期を失したり、脳炎を合併したりすると、治ったとしても記憶障害などが残ってしまいます。
 大人では激しい頭痛が続き、熱がなかなか下がらない場合、乳幼児ではかん高い泣き声を上げたり、大泉門(だいせんもん)という前頭部にある頭がい骨の透き間が膨らんで硬く張った場合は、すぐに専門医を受診することが大切です。




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