■ピロリ菌の胃がん発症を抑制 東大院教授ら、体内酵素を発見 [健康ダイジェスト]
東京大大学院医学系研究科の畠山昌則教授(感染腫瘍学)らのチームが、日本人の胃がんの98パーセントの原因とされるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の感染によるがん発症を抑える体内の酵素を見付けました。
この体内酵素を増強する物質を開発すれば、国内で年間13万人以上がかかる胃がんの予防薬につながる可能性があります。
英科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」電子版で15日、発表しました。
この酵素は、SHP1(エスエイチピーワン)。血液や消化管の細胞に存在しますが、役割はわかっていませんでした。
試験管内で調べた結果、SHP1は、胃の粘膜にいるピロリ菌が胃の細胞に注入するCagA(キャグエー)と呼ばれる発がん蛋白質と、細胞増殖を促す酵素SHP2(エスエイチピーツー)とが結び付くことを阻止するために働いていました。
ピロリ菌に感染した人の胃の細胞では、CagAとSHP2が結合する結果、胃がん発症を促すことがすでに解明されています。
SHP1は、SHP2と形は似ているものの働きは全く逆で、胃がんの発症を抑えていることがわかりました。
ただ、胃の細胞にはSHP1よりもSHP2が多く存在するため、SHP1はがんの発症を抑え切れません。SHP1の量を増やしたり、働きを強めたりすることが課題になるといいます。
畠山教授は、「SHP1を増強する物質が見付かれば胃がんの予防につながる」と話しています。
2016年3月15日(火)
この体内酵素を増強する物質を開発すれば、国内で年間13万人以上がかかる胃がんの予防薬につながる可能性があります。
英科学誌「ネイチャー・マイクロバイオロジー」電子版で15日、発表しました。
この酵素は、SHP1(エスエイチピーワン)。血液や消化管の細胞に存在しますが、役割はわかっていませんでした。
試験管内で調べた結果、SHP1は、胃の粘膜にいるピロリ菌が胃の細胞に注入するCagA(キャグエー)と呼ばれる発がん蛋白質と、細胞増殖を促す酵素SHP2(エスエイチピーツー)とが結び付くことを阻止するために働いていました。
ピロリ菌に感染した人の胃の細胞では、CagAとSHP2が結合する結果、胃がん発症を促すことがすでに解明されています。
SHP1は、SHP2と形は似ているものの働きは全く逆で、胃がんの発症を抑えていることがわかりました。
ただ、胃の細胞にはSHP1よりもSHP2が多く存在するため、SHP1はがんの発症を抑え切れません。SHP1の量を増やしたり、働きを強めたりすることが課題になるといいます。
畠山教授は、「SHP1を増強する物質が見付かれば胃がんの予防につながる」と話しています。
2016年3月15日(火)
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