■用語 乳腺線維腺腫 [用語(な行)]
思春期から20歳代の女性に多くみられる乳房のしこり
乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)とは、女性の乳房内の乳腺が増殖することで形成される良性のしこり、すなわち腫瘤(しゅりゅう)。
乳腺の分泌腺が増殖するタイプ、乳腺周囲の線維組織が増殖するタイプ、両者が混在しているタイプとがあります。
はっきりとした原因はまだわかっていないのですが、思春期以降に発症することが多いので、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが何らかの発症原因になっていると考えられます。
思春期に小さな線維腺腫が形成され、次第に増大して20歳前後にはっきりと触れる腫瘤として自覚されることが多いようです。
線維腺腫の発育速度には個人差が大きいために、症状を自覚する年齢も10歳代後半から40歳前後までと幅広くなっています。また、片側に多発することも、両側に発症することもあります。
乳がんと同様に、痛みを伴わないしこり、すなわち乳房腫瘤として発症します。乳がんと比べれば軟らかく、弾力性に富むことが多いといわれていますが、線維腺腫が乳がんに進行することはほとんどありません。
しこりの大きさは、小豆大からうずらの卵大のことが多いものの、時には鶏卵大になることもあります。形は、球状や卵形が多く、時にはしこりの縁がくびれたような切れ込みになっていることもあります。
しこりの表面は滑らかで、普通の消しゴムぐらいの硬さです。しこりと周囲との境界がはっきりしていて、触るとしこりが乳腺の中でコロコロと動くのが特徴です。
しこりは、1個だけでなく、いくつもできることがあります。押しても痛みはなく、しこりに触れて、偶然、気が付くことが多いようです。
経過を観察すると、しこりの大きさは多少増大しますが、時間の経過とともに際限なく増大することはなく、急速に増大することもありません。大多数は、閉経期をすぎると自然退縮します。
しこりに気が付き、母親など近い家族に複数の乳がんの経験者がいる場合は、婦人科、乳腺科、産婦人科を受診し、念のために乳がんなどの悪性疾患ではないか確認することが勧められます。
乳腺線維腺腫の検査と診断と治療
婦人科、乳腺科、産婦人科の医師による診断では、視診、触診、マンモグラフィー(乳腺X線検査)、超音波(エコー)検査などを行います。
若い女性は乳腺の密度が濃いため、マンモグラフィーでは診断しにくいことが多く、超音波検査のほうが腫瘤の特徴を映し出すことができます。
鑑別診断で重要なのは、限局性の乳がんです。厳密には触診だけで区別することは困難で、マンモグラフィーや超音波検査でも区別が難しいことがあるので、乳房のしこりに針を刺し、しこりの細胞を微量採取して病理学的に細胞を調べる穿刺(せんし)細胞診や、局所麻酔をしてからしこりの一部を切り取り、顕微鏡で調べる針生検を行うことがあります。
婦人科、乳腺科、産婦人科の医師による治療では、小さなしこりの場合には、穿刺細胞診などで良性の腫瘤であることを確認し、その後、年1、2回の定期な診察で、経過を観察していきます。
明らかに美容上の問題となるほど大きなしこりの場合や、経過を観察して急速に大きくなった場合には、手術をして、しこりを切除することもあります。
手術は、局所麻酔をして乳房の皮膚を数センチ切開し、しこりを切除して取り出すだけですので、外来で受けられます。手術により、乳房に変形が残ることはありません。
乳腺線維腺腫(にゅうせんせんいせんしゅ)とは、女性の乳房内の乳腺が増殖することで形成される良性のしこり、すなわち腫瘤(しゅりゅう)。
乳腺の分泌腺が増殖するタイプ、乳腺周囲の線維組織が増殖するタイプ、両者が混在しているタイプとがあります。
はっきりとした原因はまだわかっていないのですが、思春期以降に発症することが多いので、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが何らかの発症原因になっていると考えられます。
思春期に小さな線維腺腫が形成され、次第に増大して20歳前後にはっきりと触れる腫瘤として自覚されることが多いようです。
線維腺腫の発育速度には個人差が大きいために、症状を自覚する年齢も10歳代後半から40歳前後までと幅広くなっています。また、片側に多発することも、両側に発症することもあります。
乳がんと同様に、痛みを伴わないしこり、すなわち乳房腫瘤として発症します。乳がんと比べれば軟らかく、弾力性に富むことが多いといわれていますが、線維腺腫が乳がんに進行することはほとんどありません。
しこりの大きさは、小豆大からうずらの卵大のことが多いものの、時には鶏卵大になることもあります。形は、球状や卵形が多く、時にはしこりの縁がくびれたような切れ込みになっていることもあります。
しこりの表面は滑らかで、普通の消しゴムぐらいの硬さです。しこりと周囲との境界がはっきりしていて、触るとしこりが乳腺の中でコロコロと動くのが特徴です。
しこりは、1個だけでなく、いくつもできることがあります。押しても痛みはなく、しこりに触れて、偶然、気が付くことが多いようです。
経過を観察すると、しこりの大きさは多少増大しますが、時間の経過とともに際限なく増大することはなく、急速に増大することもありません。大多数は、閉経期をすぎると自然退縮します。
しこりに気が付き、母親など近い家族に複数の乳がんの経験者がいる場合は、婦人科、乳腺科、産婦人科を受診し、念のために乳がんなどの悪性疾患ではないか確認することが勧められます。
乳腺線維腺腫の検査と診断と治療
婦人科、乳腺科、産婦人科の医師による診断では、視診、触診、マンモグラフィー(乳腺X線検査)、超音波(エコー)検査などを行います。
若い女性は乳腺の密度が濃いため、マンモグラフィーでは診断しにくいことが多く、超音波検査のほうが腫瘤の特徴を映し出すことができます。
鑑別診断で重要なのは、限局性の乳がんです。厳密には触診だけで区別することは困難で、マンモグラフィーや超音波検査でも区別が難しいことがあるので、乳房のしこりに針を刺し、しこりの細胞を微量採取して病理学的に細胞を調べる穿刺(せんし)細胞診や、局所麻酔をしてからしこりの一部を切り取り、顕微鏡で調べる針生検を行うことがあります。
婦人科、乳腺科、産婦人科の医師による治療では、小さなしこりの場合には、穿刺細胞診などで良性の腫瘤であることを確認し、その後、年1、2回の定期な診察で、経過を観察していきます。
明らかに美容上の問題となるほど大きなしこりの場合や、経過を観察して急速に大きくなった場合には、手術をして、しこりを切除することもあります。
手術は、局所麻酔をして乳房の皮膚を数センチ切開し、しこりを切除して取り出すだけですので、外来で受けられます。手術により、乳房に変形が残ることはありません。
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