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■舌がんの放射線治療を安全に 口内装置を開発、大阪大 [健康ダイジェスト]

 舌にできるがん、舌がんの患者が放射線治療を受ける際、周辺に不要な放射線が当たって歯茎がただれるなどの副作用を防ぐ装置を、大阪大学の研究チームが開発しました。
 開発したのは、大阪大学大学院歯学研究科の村上秀明准教授(歯科放射線学)などの研究チーム。成果は、アメリカのオンライン科学誌に発表しました。
 舌がんは、国内で毎年およそ1万人がかかるとされ、早期に見付かった場合は放射線で、がんを死滅させる放射線治療が有効です。しかし、必要のない部分に放射線が当たり、歯茎がただれたり、顎の骨が崩れたりする副作用が懸念されるため、舌を切除する手術が多く行われています。
 そこで、研究チームは周辺に不要な放射線が当たらないようにする特殊な口内装置を開発しました。マウスピース状の樹脂製で、患者に適した厚さの鉛を中に入れ、治療の際、舌と下の歯の歯茎の間などに装着して使います。
 研究チームは、舌がんの患者20人を対象に安全性と効果を確かめる臨床研究を行い、長い人で治療からおよそ3年が経ちましたが、全員、放射線による副作用は確認されていないということです。
 3年前に治療を受けた大阪府堺市の古川仁男さん(73)は、「2つの病院で舌を切らなければならないといわれ、つらかったが、切らずに済む治療法があると知って喜んで受けました。副作用もなく食事も味わえて、感謝しています」と話しています。
 村上准教授は、「副作用を心配せず、舌を残して治療できるので、多くの医療機関で活用してもらいたい」と話しています。

 2016年6月17日(金)

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