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■研究者1人がチフス菌に感染し腸チフス発症 国立感染症研究所 [健康ダイジェスト]

 国立感染症研究所は、研究者の職員1人がチフス菌に感染し、腸チフスを発症したと発表しました。
 国立感染症研究所によりますと、この職員は業務でチフス菌を扱っていたということで、現在、保健所が感染経路の調査を行っています。
 この職員は8月11日に医療機関を受診して入院し、15日に腸チフスと診断されたということで、現在、発熱や腹痛などを訴えているということです。
 職員が使ったと考えられる実験室やトイレなどはすでに消毒したということで、現時点でほかに体調不良を訴えている人はいないということです。
 国立感染症研究所のホームページによりますと、腸チフスはチフス菌が原因の感染症で、ふん便で汚染された食べ物や水を介して人から人に感染します。
 感染すると7日から14日の潜伏期間をへて発熱や頭痛、食欲不振、全身のけん怠感といった症状が出るほか、重症になると意識障害や難聴が起きることもあります。
 腸チフスの患者は世界では年間2690万人に上ると推定され、特に南アジアや東南アジアでの患者が多く、中南米、アフリカでも見られ、衛生水準の高くない国で流行しているということです。
 国内では近年、腸チフスの感染例は数十例で推移し、その多くが流行している地域への旅行者によるものだということです。
 一方、海外渡航歴のない患者も毎年、確認されており、過去には飲食店での集団感染が起きたこともあります。
 感染症法上は「コレラ」や「細菌性赤痢」と同じ「3類」となっていて、患者、無症状病原体保有者(保菌者)、および死亡者(死亡疑い者を含む)を診断した医師は、直ちに最寄りの保健所を通じて都道府県知事への届出が義務付けられています。

 2023年8月18日(金)

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■26歳男性専攻医の自殺を労災認定 神戸市の病院勤務で3カ月間休日なし [健康ダイジェスト]

 神戸市東灘区の「甲南医療センター」で勤務していた男性専攻医(旧後期研修医)が昨年5月に自殺し、西宮労働基準監督署(兵庫県)が、長時間労働で精神障害を発症したのが原因だとして、労災認定していたことがわかりまし。男性は医師になってから3年目で、自殺するまで約3カ月間休日がなく、直前の時間外労働は、国の労災認定基準を大幅に超える月207時間に上っていたといいます。
 労災が認められたのは、高島晨伍(しんご)さん(当時26歳)。神戸大卒業後の2020年4月からセンターで研修医として勤務し、2022年4月から消化器内科の専攻医として研修を受けながら診療していました。5月17日の退勤後、神戸市の自宅で亡くなっているのを訪ねた家族が見付け、兵庫県警が自殺と断定しました。
 労災認定は今年6月5日付。認定によると、高島さんの死亡直前1カ月の時間外労働は207時間50分で、3カ月平均でも月185時間を超えていました。いずれも国が定める精神障害の労災認定基準(月160時間以上、3カ月平均100時間以上)を大幅に上回っていました。また、休日も2月を最後に取得していなかったといいます。
 センターは昨年、外部の医師や弁護士で作る第三者委員会を設けて亡くなったいきさつなどを調査し、委員会は今年1月、「長時間労働によってうつ状態になり、自殺したのではないか」とする報告書をまとめました。
 これについて労基署が電子カルテの記録などを調べ、「専攻医になったばかりで先輩医師と同等の業務量を割り当てられ、指示された学会発表の準備も重なり、長時間労働となった」と判断。長時間労働で精神障害を発症したことが自殺の原因と結論付けました。
 センターはマスコミの取材に「病院にいた時間がすべて労働時間ではなく、『自己研さん』の時間も含まれている。学会発表も当院からの指示ではなく、当院が指示した範囲では業務量は適切だった」と長時間労働の指示を否定。一方で、労基署が認定した労働時間に基づき、遺族に未払い残業代130万円余りを支払ったといいます。
 医師の働き方を巡っては、2018年に成立した改正労働基準法に基づき、2024年4月から時間外労働に罰則付き上限が設けられるため、各地の病院で働き方の見直しが進められています。
 センターは救急対応も行う中核病院で、地域の診療所などを支援する「地域医療支援病院」として兵庫県に承認されており、病床数は約460床。

 2023年8月17日(木)

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■脱水対策の「経口補水液」、表示と飲みすぎに注意を 消費者庁が呼び掛け [健康ダイジェスト]

 脱水症状の際に失われた水分や塩分を速やかに補う経口補水液を巡り、消費者庁が注意を呼び掛けています。同庁が定める成分基準を満たしていない製品があるほか、日常の水分補給として水やお茶のようにがぶ飲みすると塩分や糖分を取りすぎたりするためです。このため、今年5月から「経口補水液」という表示に許可制を導入し、適切な製品を適切に摂取するよう促しています。
 「飲む点滴」とも呼ばれる経口補水液は、ナトリウムなどのミネラルとブドウ糖を一定の割合で水に配合した飲料。体内での吸収速度を高めるため、体液とほぼ同じ浸透圧に調製されています。市販品のほか、家庭でも水1リットルに砂糖40グラムと塩3グラムを溶かして作ることができます。
 一方で、消費者庁は経口補水液を製品として販売する場合、個別に臨床試験データの提出を受け、ナトリウムやカリウム、ブドウ糖の含有量などが審査に合格したものを「特別用途食品」と認定してきました。ただ、今年8月現在で認定を得ているのは、大塚製薬工場の「オーエスワン(ОS-1)」など3社の製品のみ。清涼飲料水に該当しながら「経口補水液」と表示されている製品と、店舗で並べて販売されるケースもありました。
 このため今年5月、特別用途食品としての表示に許可制を導入し、特別用途食品制度の個別評価型病者用食品としての許可を得ていない製品は「経口補水液」の表示ができないようになりました。事業者は猶予期限の2025年5月末までに表示を変更する必要がありますが、購入者の混同を避けるため、店舗で区別して陳列することも求めました。
 ただ許可を受けた製品であっても、経口補水液はスポーツドリンクより塩分が多く、脱水状態ではない時に大量に飲むと、ナトリウムの過剰摂取を招きかねません。特に高血圧や慢性腎臓病の人は1日の食塩摂取量を6グラム未満とすることが推奨されており、オーエスワン1本(500ミリリットル)中にはその4分の1近い食塩換算で1・46グラム分のナトリウムが含まれています。このため大塚製薬工場は脱水時に医師の指示に従って飲むよう製品に表示しています。
 消費者庁は「がぶ飲みによる健康被害を招いたり、逆に効果がなかったりする恐れがある。表示をよく読んで適切に判断してほしい」としています。

 2023年8月17日(木)

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■ブタの腎臓を人間に移植、1カ月以上正常に機能 アメリカの研究チーム [健康ダイジェスト]

 アメリカの研究チームは、脳死状態の男性に対し、遺伝子操作を行ったブタの腎臓の移植を家族の同意を得て行ったところ、1カ月以上、正常に機能し続けていると発表しました。
これはアメリカのニューヨーク大学の医師らでつくる研究チームが16日、明らかにしました。
 研究チームは7月、生命維持装置が装着されている脳死状態の57歳の男性に対し、拒絶反応が起こりにくいよう遺伝子操作を行ったブタの腎臓を家族の同意を得た上で移植しました。
 すると、移植したブタの腎臓は男性の体の中で働き始め、1カ月余りたった今も、拒絶反応が出ることなく、腎臓としての機能を果たしていることが確認できたということです。
 研究チームによりますと、遺伝子操作を行ったブタの腎臓を人間に移植するのは今回が3度目で、正常に機能している期間としては最長です。
 研究チームは移植した腎臓が正常に今後も働き続けるか、確認するとしており、腎臓移植を待ち望む患者が多い中、担当者はこの研究によって多くの命が救われる可能性があるとしています。
 遺伝子操作を行った動物の臓器を人間に移植する技術を巡っては、アメリカのメリーランド大学医療センターで昨年、心臓疾患の男性に対し、ブタの心臓が世界で初めて移植され、約2カ月間生存しました。

 2023年8月17日(木)

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