■病気 性病 [病気(せ)]
性病予防法から感染症新法へ
性病とは、性(行為)感染症 (STD) の中で、特に古典的な4つの疾患を指します。梅毒、 淋病(りんびょう)、軟性下疳(げかん)、鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(にくげしゅ)の4疾患で、1948年に制定された性病予防法に規定されていたものです。古くは、花柳病ともいわれました。
「性病予防法」では、売春などによって疾患を他人に移せば3年以下の懲役、2万円以下の罰金が科せられていましたが、この法律は1999年、「伝染病予防法」、「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」と共に廃止され、「感染症予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症新法)に統合されました。
性(行為)感染症 (STD)の中で、4つの狭義の性病が占める割合は、低下してきています。逆に、クラミジア、マイコプラズマ、トリコモナス、エイズウイルスなどによる感染症が、最近では増加しています。
4つの性病の感染経路は、性的接触もしくは血液感染などが主。日常生活では、接触が少ない経路なので、性病はそれほど感染力が高いわけではありません。感染部位は、性器内部や周辺、咽喉(いんこう)の粘膜などです。
梅毒、 淋病などの症状と治療法
梅毒の病原体はトレポネーマという微生物で、皮膚や粘膜の傷を通して体内に侵入し、感染が成立します。先天梅毒と後天梅毒に分けられます。
先天梅毒は、梅毒に感染した母親から胎盤を経由して、胎児に感染します。胎児が妊娠早期に感染すると、死産または早産になります。出産できた場合は生後数週、あるいは学童期、思春期になって内臓、歯、皮膚、中枢神経などにさまざまな病変を来たします。先天梅毒予防のために、産婦人科では妊娠早期に母体の梅毒の検査をしており、今日の日本ではほとんどみられない疾患です。
後天梅毒は、性行為または性行為類似の行為によって感染します。最初は感染部位の皮膚に発疹(はっしん)の症状が現れ、後に全身に波及します。感染後3カ月までの第1期、3カ月から3年までの第2期、3年以上経た第3期、10年以上経過した第4期に分類されます。第4期では、もう皮膚の発疹は見られず、内臓の病変が中心になります。
医師による治療では、ペニシリン系抗生物質を2〜3週間内服します。梅毒血清反応は治療してもなかなか低下せず、陰性化には数カ月〜数年かかります。梅毒血清反応の低下を指標にしていると、抗生物質の長期投与になってしまいます。
淋病の病原体は淋菌で、男性では尿道炎、女性では子宮頚管(けいかん)炎を引き起こします。女性はほとんどの場合、無症状のことが多いのですが、一般に男性よりも治りにくい傾向にあります。治療には、各種の抗生物質が用いられ、7〜10日間内服すれば完治します。
軟性下疳の病原体は軟性下疳菌で、痛みが強いのを特徴としますが、今日の日本ではほとんどみられない疾患となりました。2〜7日の潜伏期間の後、性器の皮膚に米粒大のはれたおできができ、中に膿(うみ)がたまって破れると、痛みのある潰瘍(かいよう)になります。単発または多発で、容易に出血します。少し遅れて、太ももの付け根の鼠径リンパ節がはれ上がります。治療では、 抗生物質が有効です。
第四性病ともいわれる鼠径リンパ肉芽腫の病原体はクラミジアの一種で、鼠径リンパ節のはれを特徴としますが、今日の日本ではほとんどみられない疾患となりました。感染して3日〜2週間ほどの潜伏期の後、感染部位に小さなおできができ、しばらくして鼠径リンパ節がはれます。発熱し、膿を持ったおできが膣(ちつ)や外陰部におよび、象皮のようになります。治療では、 抗生物質が有効です。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
性病とは、性(行為)感染症 (STD) の中で、特に古典的な4つの疾患を指します。梅毒、 淋病(りんびょう)、軟性下疳(げかん)、鼠径(そけい)リンパ肉芽腫(にくげしゅ)の4疾患で、1948年に制定された性病予防法に規定されていたものです。古くは、花柳病ともいわれました。
「性病予防法」では、売春などによって疾患を他人に移せば3年以下の懲役、2万円以下の罰金が科せられていましたが、この法律は1999年、「伝染病予防法」、「後天性免疫不全症候群の予防に関する法律」と共に廃止され、「感染症予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症新法)に統合されました。
性(行為)感染症 (STD)の中で、4つの狭義の性病が占める割合は、低下してきています。逆に、クラミジア、マイコプラズマ、トリコモナス、エイズウイルスなどによる感染症が、最近では増加しています。
4つの性病の感染経路は、性的接触もしくは血液感染などが主。日常生活では、接触が少ない経路なので、性病はそれほど感染力が高いわけではありません。感染部位は、性器内部や周辺、咽喉(いんこう)の粘膜などです。
梅毒、 淋病などの症状と治療法
梅毒の病原体はトレポネーマという微生物で、皮膚や粘膜の傷を通して体内に侵入し、感染が成立します。先天梅毒と後天梅毒に分けられます。
先天梅毒は、梅毒に感染した母親から胎盤を経由して、胎児に感染します。胎児が妊娠早期に感染すると、死産または早産になります。出産できた場合は生後数週、あるいは学童期、思春期になって内臓、歯、皮膚、中枢神経などにさまざまな病変を来たします。先天梅毒予防のために、産婦人科では妊娠早期に母体の梅毒の検査をしており、今日の日本ではほとんどみられない疾患です。
後天梅毒は、性行為または性行為類似の行為によって感染します。最初は感染部位の皮膚に発疹(はっしん)の症状が現れ、後に全身に波及します。感染後3カ月までの第1期、3カ月から3年までの第2期、3年以上経た第3期、10年以上経過した第4期に分類されます。第4期では、もう皮膚の発疹は見られず、内臓の病変が中心になります。
医師による治療では、ペニシリン系抗生物質を2〜3週間内服します。梅毒血清反応は治療してもなかなか低下せず、陰性化には数カ月〜数年かかります。梅毒血清反応の低下を指標にしていると、抗生物質の長期投与になってしまいます。
淋病の病原体は淋菌で、男性では尿道炎、女性では子宮頚管(けいかん)炎を引き起こします。女性はほとんどの場合、無症状のことが多いのですが、一般に男性よりも治りにくい傾向にあります。治療には、各種の抗生物質が用いられ、7〜10日間内服すれば完治します。
軟性下疳の病原体は軟性下疳菌で、痛みが強いのを特徴としますが、今日の日本ではほとんどみられない疾患となりました。2〜7日の潜伏期間の後、性器の皮膚に米粒大のはれたおできができ、中に膿(うみ)がたまって破れると、痛みのある潰瘍(かいよう)になります。単発または多発で、容易に出血します。少し遅れて、太ももの付け根の鼠径リンパ節がはれ上がります。治療では、 抗生物質が有効です。
第四性病ともいわれる鼠径リンパ肉芽腫の病原体はクラミジアの一種で、鼠径リンパ節のはれを特徴としますが、今日の日本ではほとんどみられない疾患となりました。感染して3日〜2週間ほどの潜伏期の後、感染部位に小さなおできができ、しばらくして鼠径リンパ節がはれます。発熱し、膿を持ったおできが膣(ちつ)や外陰部におよび、象皮のようになります。治療では、 抗生物質が有効です。
詳しい病気の解説は四百四病の事典(http://ksjuku.com/jiten.html)へどうぞ
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