■病気 歯肉がん(歯茎がん) [病気(さ行)]
上下の歯茎に発生するがんで、口腔がんの一つ
歯肉(しにく)がんとは、歯茎に発生するがん。歯茎がんとも呼ばれます。
口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんと呼びますが、歯肉がんはそのうちの一つでもあります。口腔がんとしては、舌にできるがんである舌(ぜつ)がんの次に多く発生します。口腔がん自体が身体全部のがんの中で約2~3パーセントの率とあまり多くはないので、歯肉がんも比較的まれながんであるといえます。
その多くは、上あごの歯茎よりも下あごの歯茎、前歯よりも奥歯の部分に発生します。ほとんどは、歯肉の粘膜の扁平(へんぺい)上皮細胞から発生します。 年齢別で40歳以上に多く、性別では女性より男性に多くみられます。
原因は、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、喫煙、アルコールの刺激、虫歯、歯石、入れ歯や歯に入れている金属による慢性的な歯茎への刺激、口の中を不潔にしているなど、さまざまな原因が複合することで発生すると考えられています。
歯肉がんの初期の段階では、歯茎の炎症と同じような症状が起こります。例えば、歯の痛み、歯茎のはれなどを自覚するようになります。歯を抜いた後に、急速に大きくなることもあります。
進行すると、凸凹したこぶ状のしこりとなって、表面に潰瘍(かいよう)ができ、 悪臭や神経痛のような痛みが出たり、出血することもあります。
さらに進行すると、歯肉のすぐ下にある上顎(じょうがく)骨や下顎骨へとがんが広がっていき、これを破壊します。そのために、歯が緩んだり、抜け落ちたりすることがあります。
そして、がんはほおの粘膜、舌の根元を包んでいる口腔底、口腔と鼻腔の間にあってアーチ形の上壁をなす口蓋(こうがい)などの周囲へと進んでいきます。顎下リンパ節、頚部首筋のリンパ節、肺に転移することもあります。
歯肉がんの検査と診断と治療
歯肉がんは口内炎と誤診されやすく、発症者もすぐ治るだろうと思って放置している場合が多く見受けられます。そのために腫瘍(しゅよう)が大きくなりすぎたり、周囲組織への強い浸潤を伴うケースがしばしばみられますので、疑わしい症状があればまず歯科口腔外科を受診します。
医師による診断では、X線検査やCT検査、MRI検査を行い、最終的には組織片を調べて確定します。
治療は、ごく初期のケースでは放射線照射だけで治癒することもあります。上下のあごの骨までがんが達している多くのケースでは、ほとんど手術が必要となります。
手術は、歯肉とともに上顎骨や下顎骨を切除します。上顎骨を切除した場合には、特殊な入れ歯を作製し、使用します。下顎骨を切除した場合には、咀嚼(そしゃく)に不便を感じることが多いものの、嚥下(えんげ)や会話は可能。
近年では、肋骨(ろっこつ)、腸骨、腓骨(ひこつ)、 肩甲骨などを用いて下顎骨を再建するようになってきているため、手術後の障害は大幅に解消されつつあります。
また、歯肉がんの中には、抗がん剤による化学療法のかなり有効なタイプのものもあります。
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歯肉(しにく)がんとは、歯茎に発生するがん。歯茎がんとも呼ばれます。
口の中にできるがんを口腔(こうくう)がんと呼びますが、歯肉がんはそのうちの一つでもあります。口腔がんとしては、舌にできるがんである舌(ぜつ)がんの次に多く発生します。口腔がん自体が身体全部のがんの中で約2~3パーセントの率とあまり多くはないので、歯肉がんも比較的まれながんであるといえます。
その多くは、上あごの歯茎よりも下あごの歯茎、前歯よりも奥歯の部分に発生します。ほとんどは、歯肉の粘膜の扁平(へんぺい)上皮細胞から発生します。 年齢別で40歳以上に多く、性別では女性より男性に多くみられます。
原因は、まだはっきりしたことはわかっていません。ただ、喫煙、アルコールの刺激、虫歯、歯石、入れ歯や歯に入れている金属による慢性的な歯茎への刺激、口の中を不潔にしているなど、さまざまな原因が複合することで発生すると考えられています。
歯肉がんの初期の段階では、歯茎の炎症と同じような症状が起こります。例えば、歯の痛み、歯茎のはれなどを自覚するようになります。歯を抜いた後に、急速に大きくなることもあります。
進行すると、凸凹したこぶ状のしこりとなって、表面に潰瘍(かいよう)ができ、 悪臭や神経痛のような痛みが出たり、出血することもあります。
さらに進行すると、歯肉のすぐ下にある上顎(じょうがく)骨や下顎骨へとがんが広がっていき、これを破壊します。そのために、歯が緩んだり、抜け落ちたりすることがあります。
そして、がんはほおの粘膜、舌の根元を包んでいる口腔底、口腔と鼻腔の間にあってアーチ形の上壁をなす口蓋(こうがい)などの周囲へと進んでいきます。顎下リンパ節、頚部首筋のリンパ節、肺に転移することもあります。
歯肉がんの検査と診断と治療
歯肉がんは口内炎と誤診されやすく、発症者もすぐ治るだろうと思って放置している場合が多く見受けられます。そのために腫瘍(しゅよう)が大きくなりすぎたり、周囲組織への強い浸潤を伴うケースがしばしばみられますので、疑わしい症状があればまず歯科口腔外科を受診します。
医師による診断では、X線検査やCT検査、MRI検査を行い、最終的には組織片を調べて確定します。
治療は、ごく初期のケースでは放射線照射だけで治癒することもあります。上下のあごの骨までがんが達している多くのケースでは、ほとんど手術が必要となります。
手術は、歯肉とともに上顎骨や下顎骨を切除します。上顎骨を切除した場合には、特殊な入れ歯を作製し、使用します。下顎骨を切除した場合には、咀嚼(そしゃく)に不便を感じることが多いものの、嚥下(えんげ)や会話は可能。
近年では、肋骨(ろっこつ)、腸骨、腓骨(ひこつ)、 肩甲骨などを用いて下顎骨を再建するようになってきているため、手術後の障害は大幅に解消されつつあります。
また、歯肉がんの中には、抗がん剤による化学療法のかなり有効なタイプのものもあります。
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