■用語 若年性脳梗塞 [用語(さ行)]
40歳あるいは45歳ころまでの人に発症する脳梗塞
若年性脳梗塞(こうそく)とは、40歳あるいは45歳ころまでの人に発症する脳梗塞。20歳代、30歳代、さらには10歳代でも発症するケースもみられます。
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流を止めてしまうため、脳に供給される酸素や栄養が不足して脳細胞が壊死し、脳が十分な機能を果たせなくなる疾患です。動脈硬化などがあると、脳の細動脈に血栓、凝固塊、脂肪塊、石灰片、腫瘍(しゅよう)塊などが詰まりやすくなり、ある日突然、発症します。
この脳梗塞は高齢者に多い疾患として知られていますが、最近の脳梗塞の20~30パーセントは若年性脳梗塞が占めています。
若年性脳梗塞の症状としては、徐々に進行するものから突発的に完成するものまでさまざまで、半身まひ、半身不随、手足の運動障害、手足のしびれ、感覚の低下、脱力感、意識障害、言語障害、昏睡(こんすい)、激しい頭痛、回転性のめまい、視野狭窄(きょうさく)など、人によっていろいろな症状がみられます。
脳梗塞の起こった部位によっては若干症状が異なり、脳梗塞で最も多い症状である半身まひでは、左側の大脳が障害されると右半身にまひが生じます。脳幹に梗塞が起こった場合には、顔面と体のまひの方向が異なるなどの交代性まひが起こることもあります。
高齢者に多い脳梗塞の主な原因としては、動脈硬化や心房細動によるものが多いのに対し、若年性脳梗塞の原因の20~30パーセントも動脈硬化が占めます。 その動脈硬化の誘因としては、高血圧症が最も多く、次いで高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などがあります。
若年性脳梗塞の原因の3分の1から4分の1は、心原性または動脈原性脳塞栓が占めます。脳塞栓は、心臓や心臓から脳に至る血管の中にできた血液の塊がはがれて流れていき、突然に脳の血管を詰まらせるものです。心臓弁膜症などの先天性の心臓病や、心房細動などの不整脈、足の深部静脈血栓症があると起こりやすくなります。
動脈硬化による血管の異常以外による若年性脳梗塞の原因としては、抗リン脂質抗体症候群といった自己免疫疾患や、奇異性脳塞栓症、もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)といった特異な塞栓によるものが多いと見なされています。
抗リン脂質抗体症候群は、自己抗体ができることによって、全身の血液が固まりやすくなり、動脈塞栓、静脈塞栓を繰り返す疾患で、習慣性流産の原因ともなっています。
もやもや病は、日本人に多発する原因不明の脳血管疾患で、脳底部のウィリス動脈輪に狭窄や閉塞がみられ、脳虚血症状を示し、体の各部のまひ、知覚異常、不随意運動、頭痛、けいれんなどを起こします。発症時の年齢分布には2つのピークがあり、5歳を中心とする10歳までの子供は脳虚血で発症することが多く、30〜40歳代の大人は脳出血で発症することが多くなっています。
脳梗塞と聞くと、ある日突然、急に発症して倒れてしまうという印象があるかもしれませんが、突発的に完成する脳梗塞でも発症前の兆候はあるとされています。例えば、めまいや頭痛のほか、立て続けに立ちくらみが起こるとか、突然耳鳴りがするようになるなどです。
こうした脳からの小さなサインは、若ければ若いほど疲れやストレスなどのせいにしがちで見逃してしまう場合がありますが、早期に脳神経外科、神経内科の医師を受診すれば大事に至ることはありません。
若年性脳梗塞の検査と診断と治療
脳神経外科、神経内科の医師による若年性脳梗塞の診断では、主に血液検査、心電図検査、CT、MRI、X線撮影などが行われます。
医師による治療では、脳梗塞の急性期か慢性期かによって方法が異なります。
急性期の治療は、血管の詰まりのもととなる血栓を溶かす薬が最優先で使われます。これは発症後3時間以内に治療を開始すれば、効果が期待できる治療法です。時間の経過とともに梗塞部は拡大していき脳へのダメージも大きくなりますので、早期発見、早期治療が大切になります。
そのほか、脳へのダメージを抑えて保護したり、脳のむくみを防止する治療などが行われます。
慢性期の治療は、再発防止も視野に入れた薬物療法が主な治療になります。点滴や内服薬で血圧を下げながら、ドロドロになった血液をサラサラにしたり、血液が固まらないように血液の循環をよくする治療が行われます。
また、症状や状態に応じてリハビリを行ったり、それと同時に食生活や生活習慣を見直ことも大切です。
食生活に関しては、塩分を控えめにして1日に10グラム以内に抑え、ナトリウムの排出を促すりんご、枝豆、バナナ、カボチャなどの食品を積極的に摂取します。血圧を下げる作用がある乳製品などの食品や、マグネシウムを含む焼きのり、昆布、ごまなどの食品も食べます。
逆に、動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品は控えめにし、アジ、サバ、イワシなどに多く含まれるEPA、DHAなどの不飽和脂肪酸を積極的に摂取します。
適度な運動で積極的に体を動かし、太りすぎないように注意します。十分な睡眠と休養、禁煙、節酒を心掛けます。夏は脱水症や夏風邪から脳梗塞になる人が多いので、水分を十分補給します。
若年性脳梗塞(こうそく)とは、40歳あるいは45歳ころまでの人に発症する脳梗塞。20歳代、30歳代、さらには10歳代でも発症するケースもみられます。
脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流を止めてしまうため、脳に供給される酸素や栄養が不足して脳細胞が壊死し、脳が十分な機能を果たせなくなる疾患です。動脈硬化などがあると、脳の細動脈に血栓、凝固塊、脂肪塊、石灰片、腫瘍(しゅよう)塊などが詰まりやすくなり、ある日突然、発症します。
この脳梗塞は高齢者に多い疾患として知られていますが、最近の脳梗塞の20~30パーセントは若年性脳梗塞が占めています。
若年性脳梗塞の症状としては、徐々に進行するものから突発的に完成するものまでさまざまで、半身まひ、半身不随、手足の運動障害、手足のしびれ、感覚の低下、脱力感、意識障害、言語障害、昏睡(こんすい)、激しい頭痛、回転性のめまい、視野狭窄(きょうさく)など、人によっていろいろな症状がみられます。
脳梗塞の起こった部位によっては若干症状が異なり、脳梗塞で最も多い症状である半身まひでは、左側の大脳が障害されると右半身にまひが生じます。脳幹に梗塞が起こった場合には、顔面と体のまひの方向が異なるなどの交代性まひが起こることもあります。
高齢者に多い脳梗塞の主な原因としては、動脈硬化や心房細動によるものが多いのに対し、若年性脳梗塞の原因の20~30パーセントも動脈硬化が占めます。 その動脈硬化の誘因としては、高血圧症が最も多く、次いで高脂血症、喫煙、糖尿病、肥満などがあります。
若年性脳梗塞の原因の3分の1から4分の1は、心原性または動脈原性脳塞栓が占めます。脳塞栓は、心臓や心臓から脳に至る血管の中にできた血液の塊がはがれて流れていき、突然に脳の血管を詰まらせるものです。心臓弁膜症などの先天性の心臓病や、心房細動などの不整脈、足の深部静脈血栓症があると起こりやすくなります。
動脈硬化による血管の異常以外による若年性脳梗塞の原因としては、抗リン脂質抗体症候群といった自己免疫疾患や、奇異性脳塞栓症、もやもや病(ウィリス動脈輪閉塞症)といった特異な塞栓によるものが多いと見なされています。
抗リン脂質抗体症候群は、自己抗体ができることによって、全身の血液が固まりやすくなり、動脈塞栓、静脈塞栓を繰り返す疾患で、習慣性流産の原因ともなっています。
もやもや病は、日本人に多発する原因不明の脳血管疾患で、脳底部のウィリス動脈輪に狭窄や閉塞がみられ、脳虚血症状を示し、体の各部のまひ、知覚異常、不随意運動、頭痛、けいれんなどを起こします。発症時の年齢分布には2つのピークがあり、5歳を中心とする10歳までの子供は脳虚血で発症することが多く、30〜40歳代の大人は脳出血で発症することが多くなっています。
脳梗塞と聞くと、ある日突然、急に発症して倒れてしまうという印象があるかもしれませんが、突発的に完成する脳梗塞でも発症前の兆候はあるとされています。例えば、めまいや頭痛のほか、立て続けに立ちくらみが起こるとか、突然耳鳴りがするようになるなどです。
こうした脳からの小さなサインは、若ければ若いほど疲れやストレスなどのせいにしがちで見逃してしまう場合がありますが、早期に脳神経外科、神経内科の医師を受診すれば大事に至ることはありません。
若年性脳梗塞の検査と診断と治療
脳神経外科、神経内科の医師による若年性脳梗塞の診断では、主に血液検査、心電図検査、CT、MRI、X線撮影などが行われます。
医師による治療では、脳梗塞の急性期か慢性期かによって方法が異なります。
急性期の治療は、血管の詰まりのもととなる血栓を溶かす薬が最優先で使われます。これは発症後3時間以内に治療を開始すれば、効果が期待できる治療法です。時間の経過とともに梗塞部は拡大していき脳へのダメージも大きくなりますので、早期発見、早期治療が大切になります。
そのほか、脳へのダメージを抑えて保護したり、脳のむくみを防止する治療などが行われます。
慢性期の治療は、再発防止も視野に入れた薬物療法が主な治療になります。点滴や内服薬で血圧を下げながら、ドロドロになった血液をサラサラにしたり、血液が固まらないように血液の循環をよくする治療が行われます。
また、症状や状態に応じてリハビリを行ったり、それと同時に食生活や生活習慣を見直ことも大切です。
食生活に関しては、塩分を控えめにして1日に10グラム以内に抑え、ナトリウムの排出を促すりんご、枝豆、バナナ、カボチャなどの食品を積極的に摂取します。血圧を下げる作用がある乳製品などの食品や、マグネシウムを含む焼きのり、昆布、ごまなどの食品も食べます。
逆に、動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品は控えめにし、アジ、サバ、イワシなどに多く含まれるEPA、DHAなどの不飽和脂肪酸を積極的に摂取します。
適度な運動で積極的に体を動かし、太りすぎないように注意します。十分な睡眠と休養、禁煙、節酒を心掛けます。夏は脱水症や夏風邪から脳梗塞になる人が多いので、水分を十分補給します。
タグ:用語 若年性脳梗塞 健康創造塾 用語(さ行) 水頭症 認知症(痴呆症) 脳炎 若年性認知症 群発頭痛 緊張性頭痛 脳膿瘍 舞踏病 ハンチントン病 小舞踏病(ジデナム舞踏病) 脊髄炎 脊髄空洞症 脊髄腫瘍 点頭てんかん 脳ヘルニア 薬物乱用頭痛 クルーゾン症候群 アペール症候群 多発性脳梗塞 もやもや病 若年性健忘症 一過性全健忘症 ウィリス動脈輪閉塞症 レノックスガストー症候群 早期乳児てんかん性脳症 早期ミオクロニー脳症 大田原症候群 年齢依存性てんかん性脳症 下垂体腺腫 ラクナ梗塞 第8脳神経腫 脳脊髄膜炎 前庭神経鞘腫 高血圧性脳症 頸動脈狭窄 一過性黒内障 内頸動脈狭窄症 脳動脈瘤破裂 脳動静脈奇形 隠れ脳梗塞 椎骨動脈解離 脳底部異常血管網症 頸部内頸動脈狭窄症 コルサコフ症候群 亜急性硬化性全脳炎 ウェルニッケ・コルサコフ症候群 グリシン脳症 穿通枝梗塞 無症候性脳梗塞 微小脳梗塞 軽度認知障害
コメント 0