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■沖縄型神経原性筋委縮症、原因遺伝子を特定 [健康ダイジェスト]

 30~40歳代に発症して徐々に筋肉が衰え、沖縄県内特有とされる「沖縄型神経原性筋委縮症」の原因となる遺伝子を国内の2研究チームがそれぞれ特定しました。
 うち東京大学と徳島大学の研究では、特定のタンパク質が運動神経細胞に異常に蓄積していることも確認。このタンパク質の蓄積が難病の「筋委縮性側索硬化症(ALS)」と共通することから、「沖縄型」の病態解明が、難病の治療につながる可能性も出てきています。
 東大と徳島大の研究チームは、8月に米国学術誌に発表。その直後に鹿児島大学と琉球大学、国立病院機構沖縄病院による研究チームも学術誌で発表しました。
 東大と徳島大の研究では、患者の家系など32人の遺伝子を解析し、全員に共通する変異遺伝子を特定しました。鹿児島大などのチームも、同様に遺伝子を特定しました。
 さらに、東大などのチームは、特定した遺伝子が原因とみられるタンパク質の異常蓄積も確認し、9割が非遺伝性とされるALSと病態が共通していました。
 13日に宜野湾市の沖縄病院で開かれた「筋ジストロフィー・類似疾患のピアカウンセラー養成講座」で、同病院の諏訪園秀吾神経内科医長が患者らに研究状況を報告しました。
 諏訪園さんは、「『沖縄型』の根本治療の可能性が見えた大きな成果。ALSは原因遺伝子が未解明で、沖縄型の解明がALS治療につながるとして、世界中の研究者が注目し、研究が一気に進む可能性もある」と指摘しました。
 沖縄型筋委縮症患者で民謡グループ「ケントミ」として活動する我如古盛健さん(56歳)は、「できるだけ早く治療法を確立してほしい。いつかは根治できるかと思うと希望が湧いた」と研究の進展に期待を込めました。我如古さんは35歳の時に発病し、以来、車椅子生活を送っています。
 沖縄型神経原性筋委縮症は、30~40歳代に手足のけいれんが始まり、多くは45〜50歳から四肢近位筋の筋委縮が明らかになり、50歳代以降から歩行が困難となる疾患。患者は沖縄県内に60人ほどと推測されます。病状の進行は緩やかで、70歳代以上の患者もいます。
 1985年に「沖縄本島に見られる感覚障害を伴う特異な神経原性筋委縮症」として当時の厚生省に報告があり、研究が続いています。
 ALSは国が指定した難病で、全国で約8500人の患者がいます。沖縄型神経原性筋委縮症と同様、運動神経細胞に異常が出て手足などの筋肉が衰えます。
 発症は一般的に遅く、40〜60歳代に起こります。一般的には、手指の筋肉が次第に委縮し、力が入らなくなります。時には、足先から委縮が始まります。委縮は次第に体の上のほうに進んで全身に及び、ついには舌の筋肉も委縮して、嚥下困難、発語困難となり、さらに進行すると呼吸筋もまひして、呼吸も十分にできなくなります。

 2012年10月15日(月)




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