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■肝臓がん発生のメカニズム解明 愛知県がんセンター研究所 [健康ダイジェスト]

 肝炎ウイルスによる慢性肝炎で、遺伝子の異常な働きが起きて肝臓がんが発生するメカニズムを、愛知県がんセンター研究所ゲノム制御研究部(名古屋市千種区)の研究チームがマウスの実験で解明しました。
 慢性肝炎から発症するがんを予防する治療法の開発につながる成果といいます。
 日本の肝臓がん患者の8割以上が、B型、C型肝炎ウイルスに感染後、長期間の慢性肝炎や肝硬変を経て発症します。慢性肝炎の時点で、肝細胞の遺伝子が正常に働かなくなり、がんにつながるとみられますが、詳しいメカニズムは不明でした。
 近藤豊部長らの研究チームは、人間の肝細胞を移植したマウスで実験。肝炎ウイルスのB型とC型をそれぞれ感染させて肝炎を起こしたマウスと、健康なマウスの計3種類を観察し、比較しました。
 肝炎のマウスは感染後、がん細胞の発生を抑える働きを失った遺伝子が16週間後にはB型で200個、C型で280個に増加したことを確かめました。
 また、ウイルスから体を守るための免疫細胞一つであるナチュラルキラ ー細胞(NK細胞)が活性化する状態の炎症に着目し、活性化したナチュラルキラ ー細胞を抑えて炎症を止めると、遺伝子の異常な働きがなくなりました。
 近藤部長は、「炎症は本来、ウイルスなどの外敵を排除する体の重要な反応だが、遺伝子の異常な働きを誘発し、がんを起こす皮肉な仕組みがわかった。炎症を抑える薬でがんを予防できるかもしれない」と話しています。
 近年、肝炎ウイルスの抗ウイルス薬の効力が格段に向上していますが、さらに抗ウイルス薬と抗炎症薬を投与することで肝臓がん発生を抑制することが期待できます。
 研究チームの成果は、アメリカ消化器病学会誌「ガストロエンテロロジー1」に掲載されました。

 2014年2月12日(水) 

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