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■子供の自殺、長期休み明けに集中 9月1日が最多 [健康ダイジェスト]

 18歳以下の自殺人数を日付別に分析したところ、9月1日が突出して多く、夏休みなど長期休暇が明けた時期に集中していることが、内閣府の調査でわかりました。
 増加傾向がみられる8月下旬から9月上旬を前に、文部科学省は今月4日、児童・生徒への見守りを強化するなど重点的な対応を求める通知を、全国の都道府県教育委員会に出しました。
 1972~2013年の42年間に自殺した子供の総数は1万8048人で、日付別に合計しました。最も多かったのは9月1日(131人)で、4月11日(99人)、4月8日(95人)、9月2日(94人)、8月31日(92人)が続きました。
 7月下旬から8月上旬は40人以下の日が多いのに対して、8月20日以降は連日50人を超えていました。夏休みや春休みなどの終わりが近付くと、自殺者が増える傾向が浮かび上がりました。
 内閣府は、「環境が大きく変わり、プレッシャーや精神的動揺が生じやすいと考えられる」と指摘。長期休業の期間に合わせて、児童・生徒の見守りを強化したり、相談に応じたりすることが効果的だと提言しました。
 親や教師を始め周囲の大人は、どのようにフォローしていけばいいのでしょうか。
 文部科学省の資料によれば、小学生の自殺の原因・動機は男女ともに「家族からのしつけ・叱責」が最も多く、女子では「親子関係の不和」も同率で最多となっています。また、小学生の男子では「いじめ」による自殺の割合が0パーセントとなっているのに対し、女子では11・1パーセントと多い割合になっています。
 中学生では、男子は「学業不振」、女子では「その他学友との不和」という理由が最も多く、男女ともに「いじめ」も理由として挙がっているものの、女子では4・2パーセントと、小学生の時よりも低い割合となっており、男子は5・8パーセント。さらに、女子の自殺の理由としては、「うつ病」(11・1パーセント)も挙げられています。
 また、高校生男子では「学業不振」「その他進路に関する悩み」が自殺の原因・動機として多くなっているのに対して、女子では「うつ病」が21・8パーセントと最も多くなっており、男子では11・6パーセント。
 ただし、上記のような自殺の原因・動機は、あくまで後日の聴き取り調査や遺書によって判断されたものであり、子供が実際に自殺に至るまでには、さまざまなストレスや精神的プレッシャーの影響も考慮する必要があります。
 現代は、子供でもスマートフォンやパソコンから簡単にあらゆる情報にアクセスできる時代。そこには、自殺を始めとする世界の悲惨なニュースや映像も含まれています。こうした情報による無自覚なストレスから子供を守ることも、大人の役割といえるでしょう。
 また、近年増加している子供の「うつ」と、自殺の原因として問題となることの多い「いじめ」には共通点があります。それは、両者とも、家族や周囲に自分が「うつ」っぽいことや、「いじめ」にあっていたりすることを隠そうとする点です。
 そのため、親や周囲の大人は、本人の態度や行動に現れる「サイン」を見逃さないことが大切です。
 △頭痛・腹痛などの体調不良を頻繁に訴える(「仮面うつ」であるこも多い)△一人になりたがったり、部屋に閉じこもったりしがちになる「引きこもり」△食欲不振や過食による肥満△眠れない、あるいは起きられない、昼夜逆転
 以上が、子供の「心の不調」につながっている可能性のある態度の一例です。
 子供の「うつ」に対しては、環境を改善することが有効といわれており、具体的な対策としては、長期の休みで乱れがちな生活のペースを、平常時に近付けていくことが挙げられます。まずは、就寝や起床、食事の時間をキチンと決めて十分な睡眠をとり、規則正しい生活を送ることから、夏休み明けへの対策を始めるとよいでしょう。
 また、子供の「うつ」に対する投薬治療には、副作用のリスクや危険性が指摘されていることから、医師やカウンセラーにかかる場合は、まず親が相談に行くなどして信頼のできる医療機関や施設を選ぶことも大切です。心の病は遺伝性や家族性、家庭性を持っていることが多く、家族で一緒になって治ろうとする心がなければ根治は難しいものなのです。

 2015年8月13日(木)

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