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■病院の入院患者8人、ベッドでのエコノミークラス症候群で死亡 医療事故調査で判明  [健康ダイジェスト]

 医療死亡事故を再発防止に生かす医療事故調査制度で、今年3月までに原因調査を終えた330件のうち、入院中にベッドで寝ていたことによるエコノミークラス症候群(急性肺血栓塞栓〔そくせん〕症)が原因のものが8件あったことが、第三者機関「日本医療安全調査機構」のまとめで明らかになりました。
 日本医療安全調査機構は、患者自身も予防に努めることが重要として、ベッド上で足首を動かすよう呼び掛ける「患者参加型」の提言をまとめました。
 エコノミークラス症候群は、足などの静脈にできた血の塊(血栓)が肺の血管に詰まり、呼吸困難や動悸(どうき)を起こす病気で、死亡する確率が高いとされています。狭い機内や車内で同じ姿勢を長時間続けると発症することで知られます。
 日本医療安全調査機構の分析部会(部会長=佐藤徹・杏林大学教授)が8件の死亡事故の院内報告書を分析したところ、骨折(整形外科)や脳腫瘍摘出(脳神経外科)、統合失調症(精神科)、肺炎・胸膜炎(循環器内科)など領域が広く、入院中に誰にでも起こり得るとして予防法を探りました。
 医療現場では、足に圧力を加える医療用ストッキングの着用などの予防法がとられています。しかし、今回の調査対象の中には、骨折による痛みで着用できない例がありました。また、初期の症状が「息苦しい」「胸が痛い」など他の病気と区別しにくく、重症化してからや死亡後の解剖で判明することが多いことがわかりました。
 このため分析部会は、医療従事者は発症の可能性を認識するとともに、患者自身もリスクを知り、早い段階で気付くことがポイントだと判断。予防の効果を高めるため、患者自ら足首を動かすことを勧める提言をまとめました。
 日本医療安全調査機構の木村壮介・常務理事は、「これまで突然起きる病気とみられていたが早期の特徴がある。患者は我慢しないで看護師らに伝えてほしい」と呼び掛けています。
 医療事故調査制度は2015年10月に始まり、すべての予期せぬ死亡事故について日本医療安全調査機構への報告と、院内調査を義務付けています。
◆エコノミークラス症候群の特徴と予防法
・入院したベッドで、足の血の流れが悪くなり、血の塊ができやすくなる。その塊が肺の血管に詰まって、突然、呼吸困難などを起こす。
・予防には、足首を前後に動かして、ふくらはぎの血流をよくする。足の筋肉が動き、血の巡りがよくなる。
・息苦しさ、胸痛、動悸、足の痛みなど、いつもと違う症状があった時は、医師や看護師に伝える。

 2017年9月4日(月)

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