■北京市、市場に出入りの計７人が新たに感染 新型コロナウイルス

　中国の北京市で13日、新型コロナウイルスの感染者が新たに６人報告され、複数の地区が封鎖下に置かれるなど、地域内感染の再発生への懸念が高まっています。
　記者会見した市当局者によると、感染者のほとんどは北京市南部の食肉卸売市場、新発地市場に関連しており、近隣の豊台区では住宅団地11カ所の住民が外出を禁じられました。
　北京では11日、ここ２カ月で初めてとなる新型コロナウイルスの感染者が確認されたと発表されました。この感染者は新発地市場を先週訪れていたものの、最近市外に移動したことはないといいます。
　13日に発表された新たな感染者６人のうち、３人は新発地市場で働いており、１人は来場者、残りの２人は７キロ離れた中国肉類食品総合研究センターの職員。感染した職員のうち１人は先週、新発地市場を訪れていたといいます。
　当局はこの市場とともに、同じく豊台区にあり、感染者の１人が訪れていた京深海鮮市場も消毒と検体採取のため12日に閉鎖しました。
　豊台区の当局者は13日、「戦時体制」を敷き、「野戦司令部」を設置したと発表し、近隣の学校と幼稚園の計９カ所も閉鎖されました。
　北京市当局は、市内各地の農産物市場と大型スーパーマーケットで採取した5000を超える環境検体を12日に検査したところ、40検体が新型コロナウイルス陽性となり、そのすべてが新発地市場のものだったことから、５月30日以降に新発地市場と「密接な接触」があった人の大規模な検査を実施することも発表しました。
　当局によると、北京市内の卸売市場の従業員約2000人も、12日に新型コロナウイルスの検査を受けました。すでに検査を終えた人のうち46人が、喉から綿棒で採取した検体の検査で新型コロナウイルス陽性となりました。
　このうち１人を除いた全員は、新発地市場の従業員。残る１人は北京市北西部の海淀区にある農産物市場の従業員で、新発地市場に関連する感染者の濃厚接触者だといいます。46人はいずれも無症状で、現在は厳しい医学的観察下に置かれています。
　中国では感染拡大を基本的に抑え込んだとして、５月に北京市で全国人民代表大会（全人代）が２カ月半遅れで開催されるなど、日常生活に戻る動きが進んでいましたが、再び警戒が高まっています。

　２０２０年６月１３日（土）

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