SSブログ

■防水スプレーで体調不良400件、はっ水樹脂が肺に付着 使用時にマスク着用呼び掛け [健康ダイジェスト]

 衣服や靴に吹き付ける防水スプレーを吸い込み、体調不良を訴えるケースが相次いでいます。東京都などの集計では2019年までの5年間に、全国で少なくとも約400件の事例が確認されています。都は近く、メーカーなどに対し、使用時のマスク着用を消費者に呼び掛けることなどを働き掛ける方針です。
 防水スプレーには、はっ水効果のある樹脂が使われており、過度に吸い込むと樹脂が肺に付着して、呼吸困難や肺炎となる恐れが指摘されています。
 東京都や「日本中毒情報センター」(茨城県つくば市)によると、防水スプレーの使用で息苦しくなったり、吐き気を催したりする事故は、1990年代前半には年100件以上確認されていました。当時はスキーブームで、ウェアへの使用が多かったためとみられます。
 その後、メーカー各社がスプレーの飛散範囲を狭めるといった対策を施し、1996年以降は年間10~20件程度に減少。しかし、2013年から増加傾向に転じ、2018年は100件、2019年は95件に上りました。東京消防庁によると、都内では2019年までの5年間に、防水スプレーを使用して体調不良を訴えた22人が病院に運ばれ、うち7人が入院しました。
 メーカーの一つ「コロンブス」(東京都台東区)によると、防水スプレーはスニーカーやバッグに使う若年層が増えるなどして、需要が拡大。業界全体の生産数は、2012年の480万缶が5年後の2017年には約3割増の650万缶に伸びました。コロンブスの担当者は、「スマホのアプリなどで気象情報を手軽にチェックできるようになり、雨に備えて使う人が増えているのでは」と話しています。
 東京都は今年度、防水スプレーの安全対策を検討してきました。昨年11月、防水スプレーの使用経験がある首都圏の約1000人を対象にアンケートを行った。実際にスプレーを吸い込んだか、吸い込みそうになったことがあるとの回答は12・7%あり、46・4%の人がスプレーによる事故が起きていることを知りませんでした。
 こうした結果から、東京都は、使用時にマスク着用を推奨する注意書きをスプレー缶に表示することや、ピクトグラム(図記号)を活用してわかりやすく伝えることなどを、製造・販売各社などに提言する方針。都生活安全課は、「屋外でも風向き次第で事故につながった例もあった。新型コロナウイルス禍でマスクの着用は定着しており、抵抗感も薄いのではないか」としています。

 2021年3月18日(木)

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:健康

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。