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■ゲノム編集iPS細胞を提供開始 拒絶反応のリスク減少、京大財団 [健康ダイジェスト]

 京都大iPS細胞研究財団(理事長=山中伸弥・京大教授)は14日、ゲノム編集の技術で免疫の拒絶反応を抑えられるようにした医療用iPS細胞(人工多能性幹細胞)を開発し、製薬企業などへの提供を開始したと発表しました。安全性や有効性を確かめる臨床試験に活用してもらい、iPS細胞を使った医療の普及を目指します。
 iPS細胞は皮膚や血液から作って、筋肉や神経などの細胞に変化させることができ、病気やけがで失われた組織や臓器を新しい細胞で補う再生医療の実現が期待されています。患者本人から作れば移植しても拒絶反応は起きない一方で、作製には1人当たり数千万円以上の費用と、半年以上の期間がかかるのが課題でした。
 この課題を克服するため、山中教授らは2013年度から、拒絶反応を受けにくい特別な「細胞の型」を持つ健康な人を探し、多くの人に適合するiPS細胞を作って備蓄するプロジェクトを開始。財団を設立し、これまでに7人から血液の提供を受けてiPS細胞を作りましたが、適合するのは日本人の約4割にとどまっています。
 そこで新たに、狙った遺伝子を精密に操作できるゲノム編集の技術を使って「細胞の型」を改良し、多くの人に適合できるようにする方法を検討。拒絶反応にかかわる重要な3つの遺伝子を外したiPS細胞を作製しました。この細胞は、強い拒絶反応については、ほぼ回避できる可能性があるといいます。
 財団は昨年11月、ゲノム編集した医療用のiPS細胞の提供を開始すると発表し、山中教授は「研究開発はこれからが正念場。患者に届けるというゴールに向けて頑張りたい」と語っていました。
 ゲノム編集が狙った遺伝子以外にダメージを与えていないかなどを検査するとともに、供給体制を整備しました。今後、希望する製薬企業や医療機関、研究機関などに提供し、難病などの治療につなげたい考えです。
 今後、各機関が治験を実施するなどし、遺伝子を改変したiPS細胞を人に移植しても問題ないかどうかや、移植できる対象をどこまで拡大できるか確認を進めます。
 財団によると、約30万個のiPS細胞入りの容器1本で約20万円。非営利機関には無償で提供します。

 2023年6月14日(水) 

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