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■糖尿病患者にブタの膵臓組織を移植、国際医療研究センターなど臨床研究 特殊カプセルに包み拒絶反応を防止 [健康ダイジェスト]

 膵臓(すいぞう)の細胞が正常に働かない1型糖尿病患者に、ブタの膵臓組織「 膵島(すいとう)」を移植する臨床研究を、国立国際医療研究センターなどの研究チームが来年にも実施する計画であることがわかりました。移植した組織から血糖値を下げるホルモンがつくられ、注射治療が継続的に必要な患者の負担軽減につながる可能性があります。実用化すれば、移植用の臓器不足の改善が期待できます。
 人とサイズが近いブタの臓器や組織を人に移植する治療法は「異種移植」と呼ばれ、次世代の医療として注目されています。国内で腎臓や心臓などの病気に対して複数の移植計画があるものの、実施例はありません。
 同チームの計画では、生後2~3週間のブタの膵臓から、血糖値を下げるインスリンホルモンを分泌する細胞の塊「膵島」を取り出します。人に移植した時に起こる拒絶反応を防ぐため、直径0・5~1ミリ・メートルの特殊なカプセルで1~3個程度の膵島を包みます。
 その上で、数十万個の膵島を1型糖尿病患者の体内に移植して、壊れた細胞の機能を代替させます。カプセルには微小な穴があり、血糖値の上昇に合わせてインスリンが放出されると期待できるといいます。移植手術は、国の認定を受けた委員会などの審査を経て来年にも実施します。
 死亡した人から提供された膵島を患者に移植する治療は2004年以降、国内でも行われていますが、提供者(ドナー)不足が課題。ブタの膵島を使った異種移植も1990年代からニュージーランドなどで行われ、一定の有効性が確認されているものの、細胞の加工設備などに課題がありました。
 同センターは2019年、移植する膵島を免疫細胞の攻撃から守るカプセルで包む製造施設を整備しました。霜田雅之・膵島移植企業連携プロジェクト長は、「免疫抑制剤を使わないですむ可能性が高く、体への負担も軽い。インスリン注射なしで生活できる治療を目指したい」と語ります。
 他にも、神戸大や福岡大などもブタの膵島移植の実用化に向け研究を進めています。2004年に人の膵島移植を国内で初めて行った松本慎一・神戸大客員教授は、「ブタのインスリンは、薬として広く使われてきた歴史があり、十分な効果が見込まれる」とみています。

 2024年4月10日(水)

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