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■生体腎移植の提供者が死亡、2例目 埼玉医科大 [健康ダイジェスト]

 埼玉医科大学国際医療センター(埼玉県日高市)で今年1月、生体腎移植で腎臓を提供した60歳代の男性が、手術から34日後に死亡していたことがわかりました。手術を切っ掛けに重い肺炎を起こしたとみられます。
 生体腎移植は国内でこれまで2万例以上行われていますが、臓器提供者の死亡が明らかになったのは、沖縄県で4月13日に起きたケースに次いで2例目。沖縄県では、提供者の65歳の女性が腎不全を患って透析中の長男に左の腎臓を提供するため、腹腔鏡手術を受けて腎臓摘出中に大量出血し、死亡しました。
 日本移植学会は本来健康な人である臓器提供者の死亡が相次いだことを深刻に受け止め、過去も含めた臓器提供者の体調などを調べる方針です。
 死亡したのは、家族に腎臓を提供するため、埼玉医科大学国際医療センターで腎臓の摘出手術を受けた60歳代の男性です。病院によりますと、腎臓の摘出手術は今年1月、内視鏡の一種の腹腔鏡で行われ、手術中は異常はなかったということです。
 男性は翌日、肺炎を起こし、手術から4日後に肺炎の専門医がいる埼玉医科大学病院に転院して治療を受けましたが、症状は進行し、手術から34日後に亡くなったということです。
 肺の壁が厚くなり酸素を取り入れられなくなる「間質性肺炎」の疑いがあり、男性に喫煙歴があることから、病院は「無症状ながら間質性肺炎を有し、全身麻酔や手術の影響などで悪化した可能性もあるが、確定はできない」としています。
 病院の検証委員会は、手術の前の検査や手術の後の管理にも問題はなく、医療ミスではないとして、日本移植学会に匿名の情報が寄せられるまで学会に報告していませんでした。学会は17日、病院に報告書の提出と外部も含めた調査委員会設置を求めました。
 病院の小山勇病院長は、「提供者が死亡したことは残念で、今後このようなことがないよう検査や管理をこれまで以上に徹底したい」とコメントしています。
 生体腎移植は、腎機能が低下し透析をしているなど重い腎臓病患者の治療法として、親族らから二つある腎臓のうち一つの提供を受けて移植する手術。日本では1960年代以降、徐々に広まりました。
 日本移植学会のデータによると、2010年は生体腎移植が1276件、死んだ人から提供を受けた腎移植が208件。腎臓の移植は、脳死や心停止後の提供は少なく、生体からの提供が大半を占めます。
 腹腔鏡手術は、回復手術より体への負担は小さく、腎臓摘出手術では1992年から用いられ、現在は全体の9割を占めるとされています。

 2013年5月19日(日)




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