SSブログ

■ES細胞から効率的に精子を作成 京大、誘導遺伝子を発見 [健康ダイジェスト]

 体のあらゆる組織や臓器になるとされるマウスのES細胞(胚性幹細胞)由来の幹細胞を、精子や卵子になる「始原生殖細胞」にする遺伝子を、京都大医学研究科の斎藤通紀教授や中木文雄研究員らのグループが突き止め、効率的な誘導に成功しました。
 iPS細胞(人工多能性幹細胞)でも同様の働きがあるとみられます。イギリスの科学雑誌ネイチャーで5日、発表しました。
 斎藤教授らは一昨年、マウスのiPS細胞やES細胞から、受精卵にある多能性幹細胞と似た細胞(エピブラスト様細胞)にして始原生殖細胞を作り、精子や卵子にすることに成功しています。
 今回、始原生殖細胞だけで活発に働いている3種類の遺伝子を導入することで、約80パーセントの効率で始原生殖細胞にすることに成功しました。実験は雄のマウスのES細胞を用いており、正常な精子を作って受精し、子供も誕生しました。
 生理活性物質を用いる従来の手法では、20~40パーセントの効率でした。生理活性物質は生殖細胞への誘導には不要な遺伝子も活性化するため、遺伝子を直接導入するほうが効率がよいとみられます。
 ES細胞のような万能細胞を特定の遺伝子で生殖細胞に変えられることがわかったのは初めてといい、精子や卵子がどうやってできるかを解き明かす手掛かりになるといいます。
 斎藤教授は、「生殖細胞が形成されるメカニズムの解明に近付いてきた。iPS細胞でも同様の誘導が可能とみられ、人のiPS細胞から生殖細胞を作る研究にも役立つが、(遺伝子を導入する手法は)生殖医療に用いることはできないだろう」と話しています。
 国の指針はヒトiPS細胞由来の生殖細胞の授精を禁じています。

 2013年8月5日(月)




nice!(11)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0