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■家庭で手軽に介護食 在宅介護が増え、店頭販売が広がる [健康ダイジェスト]

 かむ力や飲み込む力が弱くなった人でも食べやすい「介護食」が、家庭に普及してきました。以前は病院や福祉施設などで提供する業務用が中心でしたが、スーパーやドラッグストアなどの店頭で販売される一般向けのメニューが広がり、在宅介護の増加に伴い需要を伸ばしています。
 食品メーカーは、食材を細かく切ったり、軟らかく調理したりするだけでなく、食の楽しみも味わえる工夫も競っています。
 キユーピーは23日、デザートの「すりおろし果実」(100グラム入り189円)を売り出しました。リンゴやパイナップルを擦り下ろしてパックに詰めた介護食で、あごの力が弱くてもフルーツを食べる感覚が残るように工夫したといいます。担当者は、「本物の食感に近ければ、食べる喜びにつながる」と話しています。
 キユーピーが病院などに提供する業務用から店頭販売へと販路を広げたのは、1998年。高齢者向けのレトルト食品「やさしい献立」シリーズに今回、デザートを加えました。肉じゃが、ハンバーグ、雑炊、チキンライスなどの食事と合わせて57種類(150~200円)に増えました。
 森永乳業は今春、「やわらか亭」のブランドで介護食に参入。歯茎でつぶせる御飯に、カレーやマーボー豆腐味のソースをかけた商品で、カルシウムや鉄分など栄養素にも気を使っています。担当者は、「在宅では、御飯の炊き分けなどが大変だ。栄養管理にも役立ててもらえれば」と話しています。
 離乳食大手の和光堂も、高齢者向けの「食事は楽し」シリーズに、すき焼き、がんもどきなど33種類をそろえています。
 マルハニチロ食品、明治乳業、ホリカフーズなども高齢者向けのレトルト食品を販売しています。食材をムースにしてフランス料理風に盛り付ける「グランダペティー」、高級食材を扱う「デリカム」などのブランドも登場しています。
 消費者が選びやすいよう、食品メーカーなど関連45社で作る日本介護食品協議会は、食べやすさに配慮した商品を「ユニバーサルデザインフード(UDF)」と命名しています。容易にかめる、歯茎でつぶせる、舌でつぶせる、かまなくてよいの4段階を定め、商品に区分を明示しています。
 厚生労働省によると、在宅で介護を受ける人は今年2月時点で、病院や福祉施設などで介護を受ける人の約4倍の350万人で、今後も増える見通し。
 調査会社の富士経済の調べでは、在宅向けの介護食の市場規模は2011年時点で約130億円。2012年には1・6倍に膨らむとみています。

 2013年8月25日(日)




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