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■体外受精の治療、事実婚カップルにも容認 婚外子の民法改正を受け、学会が指針変更へ [健康ダイジェスト]

 日本産科婦人科学会は、これまで結婚した夫婦に限るとしていた体外受精の治療対象について、事実婚のカップルにも広げる方針を固めました。昨年12月の民法改正で、結婚していない男女間の子(婚外子)に対する遺産相続などの法律上の格差が撤廃されたことを受け、同学会は6月にも会告を変更します。
 同学会では、不妊治療の一環として行われる体外受精について、会員の産婦人科医らが守る自主ルール(会告)を定めています。会告では、体外受精を実施する対象について、「婚姻(結婚)しており」「子供を強く希望する夫婦」としています。ただし、実際にどうやって「夫婦」を証明するかは、現場の医師の判断に委ねられてきました。
 国内で初の体外受精児が生まれた1983年に定めた会告は当初、医師が戸籍謄本などを確認することを求めていましたが、婚姻形態が多様化したことなどを受け、2006年に戸籍謄本などの確認に関する記述を削除しました。このため、同学会は事実上、婚姻届を出さない事実婚のカップルの体外受精も容認している状態でした。
 最高裁は昨年9月、家族形態の多様化や国民の意識の変化などを踏まえ、法律上の夫婦の子供の半分と規定されていた婚外子の遺産相続について「違憲」と判断。これを受け、12月には民法が改正され、嫡出子と婚外子との格差が解消されました。
 同学会は「生まれた子供に法的な不利益がある以上、事実婚のカップルへの体外受精は推奨できない」としてきましたが、民法改正を受けて会告を変更する方針を決定。すでに理事会で了承されており、6月の総会で正式決定します。
 日本産科婦人科学会倫理委員長の苛原(いらはら)稔・徳島大医学部長は、「少子化対策の一環としても、変更すべきだと判断した」と話しています。
 体外受精は女性の卵子を取り出し、精子と人工授精させ、受精卵を女性の子宮に戻す不妊治療の1つ。国内では体外受精による子供が2011年末までに30万3806人生まれています。ただし、治療は医療保険の適用外で、採卵を含めて1回30~40万円かかります。
 国と自治体は不妊治療に対して一定の条件で公費助成を行っていますが、事実婚のカップルについては対象外です。厚生労働省は、「学会の動きを見ながら、助成拡大を考えていきたい」としています。

 2014年1月7日(火)

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