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■川崎病の新診断法、三重大など開発 治療薬の早期選定が可能に [健康ダイジェスト]

 三重大学などは10日、循環器疾患などに使う研究用試薬が川崎病の治療法を早い段階で診断するのに有効であると発表しました。後遺症を防ぐことができ、患者の体質に合った治療法がわかります。三重大は2年後をめどに、企業と共同で診断薬の実用化を目指します。
 川崎病は、乳幼児の全身の中小動脈に炎症を起こす疾患。1歳前後に発症しやすく、発熱や発疹、目の充血などの症状が出ます。
 小児科医の川崎富作博士により日本で最初に報告された病気で、日本を始め東アジアに多く、原因は解明されていません。患者数は年々増加し、2014年には国内で年間約1万5000人が発症しました。
 後遺症として、心臓の血管に冠動脈瘤(りゅう)ができる可能性があり、心筋梗塞(こうそく)などの恐れがあります。発症から9日までに治療するのが望ましいとされます。血液製剤「ガンマグロブリン」での治療が一般的ですが、約15%の患者には効かないという問題がありました。
 現在の治療法では、最初にガンマグロブリンを投与し、24時間以内に発熱が解消されない患者に、副作用の危険があるステロイドなどの投与による追加治療をしています。最初の治療の効かない患者には最初の24時間がタイムロスとなり、後遺症のリスクが高まるため、治療法を確実に診断する手段が求められていました。
 三重大学を中心とした6つの研究機関でつくる厚生労働省の研究班は、発症時に体内で作られるタンパク質「テネイシンC」に着目。患者111人の血液を調べ、テネイシンCの値が高い患者はガンマグロブリンが効きにくく、合併症が起こりやすいことを解明しました。
 この研究結果から、テネイシンCの数値が高い患者は、ガンマグロブリンによる治療を省き、初期段階で別の治療法を選択できます。
 研究にかかわった国立国際医療研究センター小児科の大熊喜彰医師は、「早期に診断と治療を行い、後遺症をゼロにしたい」と話しました。
 三重大は約10年前に、心筋梗塞や心不全などの重症度を測るため、テネイシンCの血中濃度を測る研究用試薬を免疫生物研究所と開発。この研究用試薬は保険適用外で、現状では専門機関で診断するのに1〜2週間かかるため、すぐに診断できる試薬の量産化が必要となります。
 三重大大学院医学系研究科の今中恭子教授は、「一刻も早く実用化したい。実用化すれば合併症を引き起こすリスクを軽減できる。さらなる研究を重ねたい」と語りました。

 2016年11月12日(土)

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