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■iPS創薬、世界初の治験を7日に開始 京大病院が骨の難病で [健康ダイジェスト]

 患者のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って京都大学の研究チームが見付けた骨の難病の治療薬候補について、京都大学医学部附属病院が7日から臨床試験(治験)を始めることが6日、明らかになりました。
 京大によると、iPS細胞を使って発見した創薬の治験は世界初。京大病院は現場の医師が主体となって進める「医師主導治験」で取り組み、実際の患者に治療薬候補の投与を始めて、安全性や効果を確かめます。7日から対象患者の登録が可能になります。
 この難病は、タンパク質の一種「アクチビンA」が異常に働くことで、筋肉や腱(けん)、靱帯(じんたい)などの組織の中に骨ができる進行性骨化性線維異形成症(FOP)で、200万人に1人の割合で発症し、国内の患者は約80人とされます。今まで、根本的な治療薬がありませんでした。
 投与するのは既存薬の「ラパマイシン」で、臓器移植後の拒絶反応を抑える免疫抑制剤として使われています。京大の研究チームが、進行性骨化性線維異形成症の患者の細胞から作ったiPS細胞をさまざまな細胞に変えて病態を再現。そこに治療薬候補を投与する実験などをして、約7000種の物質の中からラパマイシンに絞り込みました。マウスに投与する実験では、病気の進行を遅らせる効果がありました。
 iPS細胞の応用では、体の組織を作って移植する再生医療と創薬が二本柱として期待されています。再生医療では理化学研究所などがiPS細胞から目の細胞を作り、目の疾病の患者に移植する研究をすでに進めています。心臓病や脊髄損傷でも、人での再生医療を目指す研究が進んでいます。
 もう一方の創薬応用では、今回が初めて人に投与する治験となります。iPS細胞が開発されてから約10年がたち、創薬でも人に投与する段階に達しました。患者の細胞をもとに作ったiPS細胞からは、病気を引き起こす細胞を実際に作り出すことが可能で、患者の体内を再現できることで、新薬を試す実験が進みます。

 2017年9月7日(木)

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