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■自殺11年ぶり増、女性や若年層で深刻化 コロナ禍の生活苦など影響か [健康ダイジェスト]

 警察庁と厚生労働省が16日に発表した2020年の自殺者数(確定値)は、リーマン・ショック後の2009年以来、11年ぶりに増加しました。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、経済的に苦境に立つ人が増えたほか、孤独・孤立に陥りやすい人たちに支援が届いていません。
 発表によると、2020年の自殺者数は前年比912人増(4・5%増)の2万1081人と、11年ぶりに増加に転じました。男性は1万4055人と11年連続で減少したのに対し、女性は7026人と2年ぶりに増加に転じました。
 女性の自殺者を職業別でみると、高校生が140人と前年比で75%増加したほか、勤め人や主婦、年金生活者など幅広い世代で増えました。
 一方、男女合わせた全体では、20歳代が前年比19%増の2521人に上りました。
 遺書や遺族らへの聞き取りをもとに自殺の動機を分析したところ、「経済・生活問題」は5・3%減の3216人。ただ、年代別にみると、40歳代以上がすべて減少しているのに対し、30歳代以下は増加しました。特に20歳代は男女ともに増え、22・3%増の計417人と2年ぶりに増加。30歳代は女性がほぼ倍増の67人となったことが影響し、3年ぶりに増加しました。
 背景には、長期化する新型コロナ問題による経済的苦境や外出自粛による生活環境の変化があるとみられます。政府は、他人との接点が少なくなることで孤独を感じたり、社会的、経済的に孤立したりする人が増えた現状が自殺者増の要因の一つになっているとみて、内閣官房に対策室を設置したほか、12日には省庁横断の連絡会議を設置し対策に乗り出しました。
 自殺者数を要因別にみると、最も多かったのが心身の病などによる「健康問題」で、前年比334人増(3・4%増)の1万195人でした
 月別では、上半期は緊急事態宣言下の4月が前年比307人減(16・9%減)、5月が前年比262人減(14・1%減)となるなど、前年より少ない水準で推移したものの、下半期に一転。各月で前年を上回ったことが、通年で11年ぶりの増加の要因となりました。
 特に10月が前年比691人増(44・9%増)の2230人と、年間を通じて最も多くなりました。有名俳優ら著名人の自殺が相次いだことが影響した可能性があります。
 一般社団法人「いのち支える自殺対策推進センター」の清水康之代表理事は、「コロナ禍が長期化する中、潜在的に自殺リスクを抱えながらも踏みとどまってきた人たちに自殺報道が影響した」と話しています。

 2021年3月19日(金) 

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