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■国会が旧優生保護法下の実態巡り報告書 強制不妊手術に公的機関の関与も浮き彫り [健康ダイジェスト]

 旧優生保護法(1948~1996年)に基づき障害者らに強制不妊手術が行われた問題で、衆参両院事務局は19日、立法の経緯や被害実態についてまとめた調査報告書を公表しました。
 今回の報告書は、2019年4月に成立した被害者救済法に基づき、国の対応が遅れた経緯や社会的背景を解明するためにまとめられました。2020年6月から厚生労働省や自治体、当事者らに対して調査を実施しており、12日に報告書の原案が衆参両院の厚生労働委員長に提出されていました。
 報告書は約1400ページ。「不良な子孫の出生を防止する」との目的で、1948年に旧法が成立したことなど、優生思想が国の施策に反映されていく過程を詳述しています。
 報告書によると、不妊手術の実施件数のピークは1955年。旧法下では2万4993人が手術を受けたとされ、「本人同意なし」の手術は約66%に上りました。
 全体の約75%が女性。都道府県別では北海道が3224件で最も多く、宮城県1744件、大阪府1249件と続きました。最少は鳥取県63件でした。
 手術の背景には、経済状況による育児困難、家族の意向や福祉施設の入所条件などがありました。最年少はいずれも当時9歳だった男女2人で、男児は昭和30年代後半に、女児は同40年代後半に手術を受けました。最年長は57歳の男性でした。
 報告書は、本人にわからないよう施術されたケースや、原則として認められていなかった子宮や睾丸の摘出が横行していたことを指摘。旧厚生省は、手術について「欺罔(ぎもう)等の手段を用いることも許される場合がある」との通知を出していました。資料からは「虫垂炎手術ということで納得させていた」「盲腸手術の時に本人にわからないうちにした」などの事例も確認されました。
 不妊手術の適否を判断する「都道府県優生保護審査会」は定足数を欠いて開催されたり、書類による持ち回りで審査されたりもしていました。

 2023年6月19日(月)

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