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■塩野義製薬、「ゾコーバ」の小児対象治験を開始 コロナ治療選択肢拡大も [健康ダイジェスト]

 塩野義製薬は29日、新型コロナウイルスの飲み薬「ゾコーバ」について、6歳以上12歳未満の小児患者を対象とした最終段階の臨床試験(治験)を開始し、初回投与を28日に行ったと発表しました。12歳未満に使えるコロナ治療薬は現在、点滴薬しかありません。塩野義製薬は治験で成果が得られれば適用範囲の拡大を国に申請する方針で、「新たな選択肢として期待できる」としています。
 治験は軽症・中等症の患者を対象に5日間投与し、偽薬を投与した集団との比較で安全性などを確認します。国内で120人の患者を対象に実施する予定。
 ゾコーバは軽症・中等症患者向けで、基礎疾患などの重症化リスクの有無にかかわらず処方可能。昨年11月に緊急承認され、今年3月末から一般流通が始まったものの、対象は12歳以上となっています。
 国内でほかに新型コロナの飲み薬として流通しているアメリカのメルクの「ラゲブリオ」、アメリカのファイザーの「パキロビッド」も、12歳未満には投与できません。
 新型コロナの感染者数は4月ごろから増加傾向にあります。塩野義製薬によると「軽症・中等症の12歳未満には点滴までせず、対症療法にとどまる場合が多い。安全で飲みやすい抗ウイルス薬が求められている」といいます。

 2023年6月29日(木)

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