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■病気 喉頭がん [病気(こ)]

[有料]声帯を中心に発生するがん
 喉頭(こうとう)がんとは、喉(のど)の奥の、いわゆる喉仏(のどぼとけ)に当たる声帯を中心に発生するがんです。病因は明らかではありませんが、遺伝的素因のほかに、喫煙、大気汚染、飲食物による機械的刺激、声帯の酷使、ウイルスや細菌の感染などが挙げられます。
 罹患(りかん)者は50~60代のヘビースモーカーに多く見られ、アルコールの多飲は、その頻度を増加させます。男女比は10:1で、圧倒的に男性に多く見られます。
 その発生の場所により、声帯に発生する声門がん、声帯の上方に発生する声門上(じょう)がん、声帯の下方に発生する声門下(か)がんに分けられます。日本人では、声門がんが最も多い60~65パーセント、次いで声門上がんが30~35パーセントで、声門下がんはめったにみられません。
 声門がんの場合、がんが米粒大程度のごく早い段階で、声がかれてきます。このため、早期に発見されることが多いのですが、適切な治療を受けずに進行すると、ますます声がかれてきて、ほとんど声が出なくなってしまうこともあります。声門が狭くなると、喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難が生じます。
 声門上がんの場合、声の異常はすぐには現れず、最初の自覚症状は喉の違和感や異物感、咳(せき)、痰(たん)、食べ物を飲み込む時の痛みとして出てきます。腫瘍(しゅよう)が大きくなって、声帯の振動に影響を与えるようになりますと、声がかれてきます。さらに腫瘍が増大して、気道をふさぐと、呼吸困難に陥ることもあります。また、首のリンパ節に、がんの転移が生じてきます。
 声門下がんの場合、早期にはほとんど症状がなく、たまに咳や痰が出る程度です。しかし、腫瘍が声帯に達すると、かれ声が起こり、腫瘍面が露出して潰瘍(かいよう)ができると、血痰が出ることがあります。
 とりわけ中高年の男性で、しゃがれ声、喉の異常感が2週間以上続く時は、単なる風邪と思わず、一度、耳鼻咽喉(いんこう)科で診てもらいましょう。
[有料]早期の喉頭がんには放射線治療
 耳鼻咽喉科では、喉頭鏡や内視鏡で喉頭内を観察し、腫瘍性病変を見付けます。組織の一部を採取し、顕微鏡で調べる生検で、確定診断となります。X線検査、CT検査、MRI検査などを行い、腫瘍の大きさと広がりを検査します。
 早期の喉頭がんの治療では、放射線治療、レーザー手術が試みられ、非常によい治療成績が得られています。放射線と多剤化学療法との同時併用治療を行い、喉頭の温存をはかる治療も行われています。
 外科療法では、限られた部位のがんなら声帯を残せる喉頭部分切除術が、進行がんでは喉頭をすべて摘出する喉頭全摘出術が行われます。いずれを選ぶかは、医師によって意見が多少異なるのが現状です。適切な治療が行われれば、一般に予後は良好です。
 喉頭全摘出術を行った場合は、音声機能を喪失することになりますので、コミュニケーションの障害に対する配慮が必要になってきます。
 喉頭をなくした時の代用音声は、食道発声、人工喉頭、電気喉頭が主なものです。音声の性質からみて、優れているのは食道発声です。そこで、手術後は食道音声を獲得するためのリハビリテーションが指導され、肺からの空気を食道へ直接送る音声再建手術も試みられています。
[有料]喉頭がんの予防法
 喉頭がんの予防法としては、まずタバコを吸う人は禁煙、そして、お酒を飲みすぎないことです。お酒は1日平均で、男性は日本酒で1合、女性は0・5合までに抑えましょう。
 仕事でよく声を出す人は、なるべく仕事以外では声帯を休ませる工夫も必要です。新鮮な空気の下で、皮膚や体を鍛えることも、気道粘膜の抵抗力の強化につながります。室内の換気や湿気の調節など、環境にも配慮して、日ごろから喉をいたわるように心掛けることが必要です。
 バランスのとれた食事を取ることも大切。がんのリスクが上がる肉類を控えめに、あるいは魚や鶏肉を食べるようにしましょう。 色々な種類の野菜、果物、豆類や、なるべく精製度を抑えたでんぷん質、例えば胚芽米、玄米、全粒粉のパンなどを食べることで、がんを予防するさまざまな成分を取り入れましょう。
 がんの発生要因とされている活性酸素を抑える物質を多く含む食品を取ることも、有効ながん予防法です。食事等から摂取する抗酸化力のある物質としては、ビタミンA(β―カロチン)・C・E・B群や、ポリフェノール、カロチノイド、イソフラボン、カテキンなどがあります。

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■病気 更年期障害 [病気(こ)]

[かわいい]女性ホルモン分泌の話
 私たち人間の一生には、年齢や生理的現象に基づいて、以下のような名称がつけられています。
 新生児期:出生から生後28日まで
 乳児期:生後28日から生後1歳ま
 幼児期:満1歳~5歳(小学校入学)まで
 学童期:小・中学生
 思春期:12歳~18歳の第2次性徴の発現する時期
 成人期:18歳以上
 更年期とは女性に特有なもので「生殖期から非生殖期への移行期」とか、「閉経前期と閉経後期」とか、「成人期から老年期に移行する時期」といわれる時期です。年齢的には、日本人女性の閉経の平均年齢が51±4歳ですから、更年期は45~55歳くらいの間となります。更年期の発来の早い人、遅い人、障害の程度の軽い人、重い人などかなり個人差があります。  
 更年期障害がどうして起こるのかを解説する前に、女性ホルモンの分泌について解説します。
 女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)があり、両者とも卵巣から分泌されています。エストロゲンの主な働きは、女性らしい声や身体を作り出すとともに、乳房、皮膚、子宮、骨などの発育を促します。また、黄体ホルモンは子宮に作用します。
 女性のサイクルにおいて、エストロゲンと黄体ホルモンの分泌は、ほぼ28日周期で繰り返されます。 
[かわいい]なぜ更年期を迎えて障害が起こるのか
 更年期障害の原因は、ホルモン分泌異常と環境や心理・精神的な変化の二つが複合して起こります。 
1.ホルモンの異常
 女性ホルモンを分泌する卵巣の働きは、閉経前後5年に減退し、閉経後数年たった55歳頃には停止します。その結果、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が減少し、影響が全身の臓器や代謝に現れます。
 卵巣の働きが低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が減少すると、身体は卵巣の機能を元に戻そうとするため、卵巣を刺激するホルモンを大量に分泌します。
 卵巣を刺激するホルモンを大量に分泌しようとすることが、脳の自律神経中枢に影響を与え、自律神経失調を起こし、さまざまな症状を起こすようになります。 
2.環境や心理的・精神的な変化
 更年期を迎える年齢は、人生の転換期となることが多いのです。親の介護、子どもの受験や独立、夫の多忙などに加え、体力や性機能低下の自覚、悪性腫瘍(しゅよう)や生活習慣病などの不安など、さまざまなストレスが加わり症状を悪化させます。 
[かわいい]どんな症状が現れるのか 
 更年期障害として心身両面にわたる多彩な症状(不定愁訴)が見られます。 
1.自律神経失調症状 
 血管運動神経系障害の症状
  ほてり、冷え症、熱感、発汗、寝汗、動悸、頭痛
 運動器系障害の症状
  腰痛、肩こり、関節痛
 胃腸系障害の症状
  悪心、おう吐、腹痛、便秘、下痢、腹部膨満、食欲低下
 泌尿器系障害の症状
  頻尿 
2.精神神経系障害の症状
 イライラ、不安、不眠、記憶力減退、物忘れ、頭痛、頭重感、めまい、耳鳴り、抑うつ、気分減退、倦怠感、痺れ、知覚過敏、知覚鈍麻、蟻走感(アリが体をはうような感じ) 
3.性器系障害の症状
 腟・外陰部の萎縮、乾燥による性交障害
 これらの症状の出現頻度・程度は個人差がかなりあります。さらに、1日でも程度が異なります。これらの症状が見られたら、「そのうち治るだろう」と安易に構えずに、医療機関を訪ねて相談してください。 
[かわいい]どのように診断するのか
 更年期障害の診断は高血圧症、貧血、甲状腺機能異常、メニエール症候群、うつ病、糖尿病、子宮筋腫、子宮ガンなどの病気がないことを、診察や検査で確認したのちに診断されます。
 診断は、以下のような条件があれば、まず更年期障害としてよいでしょう。 
* 更年期に該当する年齢である
* 訴えが心身両面にわたり、多彩かつ複雑である
* 性器症状を除いて、症状に対応する病気がない
* 自律神経機能検査の結果が不安定である
* ホルモン療法が有効である  
[かわいい]どのように治療するのか 
 更年期障害の治療方法には、ホルモン療法と非ホルモン療法があります。患者さんの症状により治療法が異なります。正確に症状を医師に伝えて治療方法を決めてもらってください。 
1.ホルモン療法
 更年期障害を抑えるエストロゲンと、エストロゲンの働きを抑える黄体ホルモンを用いた治療が行われます。ホルモン療法は、のぼせ、異常発汗、冷え症などを伴う“血管運動神経系障害”と肩こり、腰痛、関節痛を伴う“運動器系障害”に有効で、高齢者になると一層進むコレステロールの増加による動脈硬化や心臓の病気の発病、骨粗鬆症の予防にも有効です。
[更年期以降の活動能力] 
 女性は、一般に女性ホルモンの分泌が減少し始める前の、40歳代前半に心身の活力のピークを越え、閉経の頃から際立って低下していきます。しかし、ホルモン療法を受けた人は活動力もさほど衰えず、平均寿命も、やや長くなるというデータがあります。 
〔具体的な治療方法〕
 具体的には以下の四つのホルモン療法があります。 
* エストロゲンを定期的に服用する:この治療はすぐに効果が現れるのですが、エストロゲンのみを長期に服用すると、子宮ガンの発生する危険性があり長くは行われません。
* エストロゲンと黄体ホルモンを定期的に併用して服用する:この治療は更年期障害で最も広く行われている方法です。
* エストロゲンを持続して服用する一方、黄体ホルモンを定期的に服用する:この治療は重症な人に行われます。
* エストロゲンと黄体ホルモンを持続して服用する:この治療は高齢者になった人に行われます。 
 その他にエストロゲンと男性ホルモンの併用療法も行われることがあります。また、性器系障害の強い人には、局所ホルモン療法が有効な場合があります。
 更年期障害に対するホルモン療法は、子宮ガン・乳ガンにかかっている人、肝臓障害を持っている人、糖尿病で薬を使っている人、血栓のできやすい人は、元の病気を悪化させる恐れがあり行われません。
 ホルモン療法は有効ですが、薬の量、副作用など専門的な注意と管理が必要です。主治医とよく相談しながら治療を継続してください。 
2.非ホルモン療法
 非ホルモン療法には薬物療法とカウンセリング(心理療法)があります。
 薬物療法は頭痛、不安、イライラ、不眠、うつ状態、手足のしびれ、知覚感覚の鈍麻、蟻が身体をはうような感じ(蟻走感)などに見られる“精神神経系障害”に有効で、抗うつ剤や自律神経調節剤、また漢方薬も用いられることがあります。
 薬物に頼ることなく、カウンセリング(心理療法)を受け、生活に張りや目標を定め、自信を持つだけで、症状が軽快する人もいます。 
[かわいい]更年期を迎えたら
 更年期および更年期以降になると、ホルモンの変化(エステロゲンの減少)によりさまざまな病気を起こしやすくなります。更年期出血、肥満、糖尿病、子宮ガン、卵巣ガン、乳ガン、老人性腟炎、コレステロールの増加による動脈硬化や心臓の病気、骨粗鬆症などの頻度が増します。
 適度な運動、バランスのとれた規則正しい食事、定期的に検診(住民検診や人間ドックなど)を受けるなど、健康管理にはこれまで以上に気をつけることが大切です。
[男性の更年期障害について]
 女性に特徴的な現象とされてきた更年期障害について、最近では、男性にも見られるという学説があります。
 男性諸氏の場合には、女性ほど症状が顕著ではありませんが、45歳すぎに性欲が急激に減退したり、うつ病状態が見られます。これらの症状は、男性の更年期障害によるといわれています。
 今後、男性の更年期障害の研究も進み、解明されることが期待されます。
 以上、更年期障害について解説しました。皆さんの健康を守るために少しでもお役に立てれば幸いです。わからない点や心配な点などがある場合は、お近くの掛かり付け医などの医療機関にご相談ください。

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■病気 五月病 [病気(こ)]

[スペード]新しい環境になじめぬ心のスランプ
 五月病(ごがつびょう)とは、新しく入った環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称で、主に大学の新入生や会社の新入社員などに見られます。4月には新しい環境への期待があり、やる気があるものの、1カ月後の5月ころ、何となく気がめいって勉強や仕事に身が入らない、集中できないなどの症状を起こします。
 医学用語ではなく一般的な用語で、決まった概念や定義があるわけではありません。何も5月に限らず、また新入生や新入社員に限らず一般人にも見られる症状で、新しい環境の変化についていけず、知らず知らずのうちに自分の殻の中に閉じこもりがちになる心のスランプです。
 元々は、1960年前後にアメリカで最初に注目された「スチューデント・アパシー(無気力)」から、五月病という用語は派生しました。スチューデント・アパシーとは、厳しい受験競争を勝ち抜き大学入学を果たした新入生が、その後目標を失って無気力状態、意欲喪失状態に陥ることを指したものでした。
 五月病によく見られる症状は、抑うつ気分、無気力、不安感、焦りなどで、不眠、強い疲労感、やる気が出ないと訴える場合が多いようです。
 スポーツを行う、音楽を聞く、読書をするなど、自分に合ったストレスの解消法を見付けたいものです。また、新たな目標や関心を見付けることも大切です。新しいものにチャレンジすることで、心身に刺激を与え、生活の活性化を図りましょう。

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■病気 五十肩(肩関節周囲炎) [病気(こ)]

[いい気分(温泉)]40歳から60歳にかけて発症
 五十肩とは、肩が痛くなるとともに肩の動きが悪くなるのを特徴とし、40歳から60歳にかけてよく起こる疾患。正式には肩関節周囲炎と呼びますが、1960年代までは四十肩と通称するのが一般的でした。
 原因疾患として、肩の関節を取り巻く袋状の腱(けん)や関節の変性、断裂、癒着、炎症、石灰化が挙げられます。また、関節液を蓄えている滑液包の炎症、石灰化も挙げられます。これらの変化は、中年すぎに起こる一種の老化現象です。
 急性期には、何もしなくても痛む自発痛がありますが、そのうち、動かす時に痛む運動痛だけになります。最初は、肩関節付近に鈍痛が起こり、腕の可動範囲の制限が起こります。次第に痛みは鋭いものになり、急に腕を動かす場合などに激痛が走るようになります。痛みのために、手を前方に上げたり、側方に上げたり、上腕を回旋したりすることが制限されます。
 重症化すると、髪を洗う、歯を磨く、炊事をする、洗濯物を干す、電車のつり革につかまる、洋服を着る、寝返りを打つなどが不自由となり、日常生活にも支障を来す場合もあります。
 痛みは片方の肩だけの場合と、一方の肩が発症してしばらく経つともう片方の肩にも発症してしまう場合とがあります。また、痛みのピーク時には肩や首筋の痛みに加えて、腕全体にだるさやしびれがある場合もあります。
 発症してから治癒するまでは、半年から1年半くらいを要します。初期の症状が始まってから、数カ月を要して痛みのピークを迎え、ピークが数週間続いた後、次第に和らいでいきます。腕の可動範囲を発症前の状態までに戻せるかどうかは、痛みが緩和した後のリハビリ次第です。
[いい気分(温泉)]五十肩の検査と診断と治療
 発症後、日の浅い急性期には、安静にして局所を固定し、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の局所注射をします。また、ヒアルロン酸の注射も有効です。
 急性期をすぎると、運動療法が進められます。上体を前屈させて、悪い肩のほうの手でアイロンを持ち、前後左右に振るコッドマン体操が基本になります。棒やタオルを両腕に持って、健康なほうの腕で五十肩のほうの腕をリードしながら、頭の上、首の後ろ、背中などに持っていったり、壁に指をはわせて、次第に腕を上げていく体操なども効果があります。
 これらの運動療法の前に、ホットパックなどの温熱療法を行うと、筋肉の緊張がとれるので、後の運動療法の効果がよりいっそう有効になります。
 五十肩は治るまでに長い期間が必要ですが、焦らず、のんびりと対処することが大切です。ことに初期のうちは、治療をしても、ある時期までは疾患は上り坂で悪くなるため心配しがちですが、いらいらせず、根気よく運動を続けます。運動を怠ると、腕の可動範囲が狭まったままとなる可能性があります。
 急性期をすぎたら、針治療、指圧などを試みてみると効果がある場合もあります。五十肩は、腰痛、外傷性頸部(けいぶ)症候群などとともに、健康保険で針治療が受けられる疾患の一つとなっています。

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