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■用語 急性うっ滞性乳腺炎 [用語(き)]

[iモード]授乳期に乳汁が乳腺内にたまって炎症を起こした状態
 急性うっ滞性乳腺(にゅうせん)炎とは、乳汁を分泌する乳腺に炎症が起こる急性疾患。ほとんどは、授乳期、ことに産褥(さんじょく)期にみられます。
 若い初産の女性の出産後2~3日のころによくみられ、乳管からの乳汁の排出障害があるために、乳房のはれと軽い発赤と熱感が起こります。痛みはあっても、激しい全身症状は出ません。
 初産の場合、乳管が狭いので乳汁が乳腺内に詰まってしまうことが、その原因と考えられています。乳児への授乳が十分でない場合にも起きます。
[iモード]急性うっ滞性乳腺炎の検査と診断と治療
 乳腺外科、外科、産科、産婦人科の医師による治療では、乳汁のうっ滞を取り除くために、乳房を温めて血液の流れをよくし、乳頭と乳輪をよくマッサージして授乳を続ければ、症状はすぐにとれてきます。
 また、乳首を乳児がくわえやすいような形にしておくなどの工夫も必要です。

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■用語 急性化膿性乳腺炎 [用語(き)]

[iモード]乳房内に細菌が感染することによって起こる急性疾患
 急性化膿性乳腺炎(きゅうせいかのうせいにゅうせんえん)とは、女性の乳汁を分泌する乳腺に急性の炎症が起こる疾患。ほとんどは、授乳期、ことに産褥(さんじょく)期にみられます。
 出産後2~6週のころに乳腺内に乳汁がたまり、ここに主に黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、時には大腸菌、緑膿菌による細菌感染が起きて、乳房全体にはれが生じます。炎症が進むと、乳房が硬く赤くはれて、激しく痛み、熱感があります。
 その後、炎症が1カ所に固まってくると、膿瘍(のうよう)を作り、時には自然に破れて膿(うみ)が外に出ることもあります。わきの下のリンパ節がはれたり、全身に寒けや震えが出て、時に40℃以上にも発熱することもあります。
 急性化膿性乳腺炎を予防するためには、乳汁をためないように積極的に授乳をして、乳腺を空にしておくことと、乳頭、乳輪を清潔にして細菌感染を防ぐことが大切。
[iモード]急性化膿性乳腺炎の検査と診断と治療
 乳腺外科、外科、産科、産婦人科の医師による診断では、視診、触診、血液検査、超音波(エコー)検査などを行います。血液検査での白血球数の増加、CRP(C反応たんぱく)値の上昇が参考になります。
 膿瘍が確認できれば、膿汁を穿刺(せんし)吸引して培養により起因菌を特定し、抗生物質の感受性検査を行います。極めてまれに炎症性乳がんの場合もあるので、鑑別の目的で穿刺物を顕微鏡で調べる組織生検を行うこともあります。
 乳腺外科、外科、産科、産婦人科の医師による治療では、初期には乳房を冷湿布して、乳汁は搾乳器で搾り出します。乳房は安静を保つためブラジャーなどで固定し、マッサージをしてはいけません。
 抗生物質の注射か内服と、鎮痛薬、消炎薬の内服をします。抗生物質ではペニシリンやセフェム系の薬がよく使用されますが、耐性菌を生じやすいので注意が必要です。
 化膿が進み膿瘍ができたら、注射針を刺して膿を吸引したり、局所麻酔をかけて皮膚を切開して膿を出さなければなりません。これらの治療が功を奏すると、急速に症状は改善します。
 膿瘍ができた場合、抗プロラクチン薬で乳汁分泌を抑制します。もちろん、授乳はストップしなければなりません。




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■用語 急性副鼻腔炎 [用語(き)]

[iモード]ウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、副鼻腔にまで及ぶことで起こる急性の炎症
 急性副鼻腔炎(ふくびくうえん)とは、主に風邪などでウイルスや細菌が鼻腔に感染して炎症を起こし、それが副鼻腔にまで及ぶことで起こる急性の炎症。
 鼻の穴である鼻腔の周囲には、骨で囲まれた空洞部分である副鼻腔が左右それぞれ4つずつ、合計8つあり、自然孔という小さな穴で鼻腔とつながっています。4つの副鼻腔は、目と目の間にある篩骨(しこつ)洞、その奥にある蝶形骨(ちょうけいこつ)洞、目の下にある上顎(じょうがく)洞、鼻の上の額にある前頭(ぜんとう)洞です。
 4つの副鼻腔は、強い力が顔面にかかった時に衝撃を和らげたり、声をきれいに響かせたりする働きを持つとされますが、その役割ははっきりとはわかっていません。鼻腔や副鼻腔の中は、粘膜で覆われており、粘膜の表面には線毛と呼ばれる細い毛が生えています。線毛は、外から入ってきたホコリやウイルス、細菌などの異物を粘液と一緒に副鼻腔の外へ送り出す働きを持っています。
 急性副鼻腔炎になると、こうした機能が働かなくなり、風邪のウイルス感染に引き続いて細菌感染が起こり、細菌が繁殖して炎症を起こします。原因菌としては、肺炎球菌、インフルエンザ菌、ブドウ球菌などが挙げられます。
 急性副鼻腔炎の初期の段階では、水っぽい鼻水が出ますが、症状が進むにつれて副鼻腔の中に膿(うみ)がたまると、粘り気のある黄色っぽい鼻水が出ます。鼻水に悪臭を伴うこともあります。この粘性の高い鼻水が粘膜がはれた鼻腔に詰まると、鼻詰まりが生じます。
 頭痛や顔面痛などの急性症状も起こります。痛みの出る部位は、炎症の起こっている部位によって異なります。篩骨洞に炎症が起きた時は目のあたりに痛みを感じ、蝶形骨洞に炎症が起きた時は頭痛や頭の重い感じが現れ、上顎洞の炎症では頬(ほお)や歯に痛みを感じ、前頭洞の炎症では額に痛みを感じます。
 炎症が喉(のど)に広がったり、鼻水が喉に流れると、せきやたんが出ます。
 まれに、副鼻腔の炎症が目や脳に進むことがあり、目に及ぶと瞼(まぶた)がはれたり、視力が落ち、脳に及ぶと強い頭痛や意識障害が起こります。
 通常は、1~2週間、長くても30日以内で治ります。
 時に、この急性副鼻腔炎が長引いたり、繰り返したりすることによって3カ月以上症状が続くと、蓄膿(ちくのう)症とも呼ばれる慢性副鼻腔炎を発症します。この慢性の炎症がさらに長引くと、副鼻腔の分泌液の量が増えたり、その粘度が高くなったりして、自然孔より排出されずにたまり、状態を悪くすることにつながります。さらに、たまった分泌液により粘膜肥厚が起こると、排出がより困難となる悪循環に陥ります。
 なお、風邪のウイルス感染に引き続く細菌感染が原因で起こる一般的な急性副鼻腔炎とは別に、咽頭(いんとう)炎や扁桃(へんとう)炎などの喉の炎症、カビの仲間である真菌、虫歯なども、急性副鼻腔炎の原因となることがあります。また、細菌感染のないアレルギー性鼻炎や気管支喘息(ぜんそく)、アスピリン喘息などのアレルギーによって起こる疾患が、急性副鼻腔炎の原因となることもあります。
 一般的な急性副鼻腔炎では、自分でよく鼻をかんで鼻の中の膿を減らし、睡眠を多くとって体の抵抗力を上げることが大切です。鼻水の量が増えたり、においがひどくなったり、痛みが増すようなら、耳鼻咽喉(いんこう)科、耳鼻科を受診して早く治療し、慢性副鼻腔炎の発症を防ぐことが必要です。
[iモード]急性副鼻腔炎の検査と診断と治療
 耳鼻咽喉科、耳鼻科の医師による診断では、自覚症状を問診した上で、X線(レントゲン)検査を行います。通常であれば、空洞であるはずの副鼻腔は黒く映り、骨は白く映りますが、副鼻腔炎になると、黒く映るはずの副鼻腔が白く映ります。これは、粘膜がはれたり、膿がたまったりして空洞が埋まっているためです。
 また、炎症を起こしている部位やその程度をより詳しく調べために、CT(コンピュータ断層撮影)検査を行うこともあります。
 鼻鏡や内視鏡を使って、粘膜がはれて鼻腔が狭くなっていないか、副鼻腔から膿が出ていないかなど、鼻腔や副鼻腔の状態を確認する場合もあります。
 炎症の原因となっている細菌の種類を調べるために、吸引装置や細長い綿棒を使って、鼻腔、あるいは喉の奥にある分泌物を採取して細菌検査を行うこともあります。
 耳鼻咽喉科、耳鼻科の医師による治療では、鼻腔にたまった鼻水を吸引装置を使って取り除き、原因菌に有効な抗菌薬と、痛みを和らげるための消炎鎮痛薬を投与します。抗菌薬を続ける期間は、一般的に2週間以内です。
 そのほかに、たんや鼻水を出しやすくする気道粘液修復薬、気道粘液溶解薬、気道潤滑薬などが使われます。血管収縮薬をスプレーして鼻腔と副鼻腔をつないでいる自然孔の狭まりを軽減し、抗菌薬などの薬の液を霧状にしたものを鼻などから吸い込むネブライザーを行うこともあります。
 最も大きな副鼻腔である上顎洞に炎症がある場合には、鼻の粘膜に麻酔をかけ細い管を鼻腔から副鼻腔に入れたり、上顎洞に針を刺したりして、生理食塩水を注入し、洞内を洗浄することもあります。

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■用語 キアリ奇形 [用語(き)]

[喫茶店]脳の奇形の一種で、後頭部にある小脳や延髄の一部が頭蓋骨から頸椎に落ち込む疾患
 キアリ奇形とは、本来は頭蓋骨(とうがいこつ)の中に納まっているべき、小脳扁桃(へんとう)や延髄が頭蓋骨の下縁にある大後頭孔を超えて、頸椎(けいつい)を上下に貫いている脊柱管に脱出、下垂する疾患。脳の奇形の一種です。
 脱出した小脳扁桃が間脳、中脳、橋、延髄などで構成されている脳幹を圧迫したり、頭蓋骨と頸椎の移行部で脳脊髄液の通過を障害したりして、症状を出すことがあります。しばしば、脊髄(せきずい)の中に空洞が生じ、内部に脳脊髄液が貯留する脊髄空洞症を合併します。
 胎児期に後頭骨から頸椎上部の骨の形成異常によって起きる先天性と、出生時の外傷による頭蓋骨の変形によって起きる後天性があり、詳しい原因はわかっていません。
 また、脱出、下垂した脳組織や合併する疾患によって、キアリ奇形は1型、2型、3型に分類されます。
 キアリ奇形1型は、小脳扁桃だけが脊柱管内に下垂するものです。先天的に脊椎骨が形成不全となって、脊椎骨の背中側の一部が開放し、脊髄や髄膜の一部が骨の外に露出する脊髄髄膜瘤(りゅう)の合併はなく、神経系の奇形を合併することはまずありません
 通常は単独の疾患ですが、時に脳脊髄液による脳の圧迫が脳機能に影響を与える水頭症や、頭蓋骨縫合早期癒合症(小頭症)、脳腫瘍(しゅよう)、脊髄係留などの疾患によって、後天的にキアリ奇形1型を認めることもあります。通常は、遺伝性はありませんが、まれに家族間で発生することもあります。
 キアリ奇形2型は、小脳虫部や脳幹まで脊柱管内に下垂するもので、アーノルド・キアリ奇形とも呼ばれます。キアリ奇形1型より重症で、ほとんどで水頭症を伴うとともに、原則として脊髄髄膜瘤を伴い、神経系の奇形を合併します。
 キアリ奇形3型は、小脳、延髄が頸椎上部の脊髄髄膜瘤の中に下垂するものです。生命予後は、不良です。
 キアリ奇形1型を発症すると、頭痛、後頸部痛、めまい、手足の感覚障害、脊椎側湾症、筋肉が緊張しすぎて歩きにくくなる痙縮(けいしゅく)を生じます。頭痛や後頸部痛は、くしゃみやせきで誘発されることが多いのが特徴的です。まれに睡眠時無呼吸症候群を起こすこともあります。
 一般には、数年から十数年かけてゆっくり進行し、高校生ぐらいから40歳くらいの女性に症状が出ることが多いのですが、小児期から症状を出すこともあります。
 小児のキアリ奇形1型では、年齢によっても症状が異なります。2歳以下では、食物を飲み込みにくくなる嚥下(えんげ)障害や、胃食道逆流などの症状が約80パーセントに認められるのに対して、3歳をすぎると、合併する脊髄空洞症による腕から手にかけてのしびれや筋力低下、頭痛、脊柱側湾症といった症状が多くなります。
 脊髄空洞症も2歳以下では、約30パーセントにしか伴いませんが、3歳をすぎると、85パーセント程度と高率に伴うようになります。
 キアリ奇形2型の多くは、乳幼児期に発症しますが、やはり年齢によって症状が異なります。
 2歳以下では、嚥下障害、呼吸障害が主な症状で、重症な場合は気管切開や、腹部に開けた穴から管で胃に栄養分を送る胃ろうが必要になることもあります。2歳以上では、キアリ奇形1型と類似した症状になってきます。脊髄髄膜瘤が致死的経過をとることもあるため、特に乳児では症状が出た場合に準緊急的な対応が必要になります。
[喫茶店]キアリ奇形の検査と診断と治療
 脳神経外科、脳外科の医師による診断では、頭部のMRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行い、小脳扁桃が大後頭孔より下垂していると、キアリ奇形1型と確定します。
 脊髄のMRI(磁気共鳴画像撮影)検査により、脊髄空洞症の有無を調べます。また、CT(コンピュータ断層撮影)検査やX線(レントゲン)検査を行い、頭蓋骨の形成異常、脊椎側湾症など脊椎骨の変形を調べます。
 キアリ奇形2型に対しては、合併する水頭症、脊髄髄膜瘤を併せて評価します。
 脳神経外科、脳外科の医師によるキアリ奇形1型の治療では、基本的には小脳扁桃が下垂して空間が狭くなり、延髄などが圧迫されている大後頭孔部の減圧術を行います。
 後頭骨の一部を削除した後、人工硬膜を用いて硬膜を形成し、空間を広げます。この手術で、合併する脊髄空洞症も改善する場合がほとんどです。改善しない場合は、空洞内にカテーテルを入れて、たまった脳脊髄液をくも膜下腔(こう)へ流す手術を行う場合があります。
 キアリ奇形1型の80〜90パーセントは、手術により症状が改善し、予後良好とされています。
 キアリ奇形2型の治療では、脊髄髄膜瘤に対する修復術と、水頭症に対する脳脊髄液の一部分を頭蓋骨の外へ流す処置や、シャントチューブと呼ばれる細い管を用いて頭以外の腹腔へ脳脊髄液を流す仕組み作りを優先します。
 これらの治療にもかかわらず明らな症状が認められるようになった場合には、キアリ奇形1型に対するのと同じ減圧術を行います。しかし、予後は不良です。

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