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■イレッサ初回投与を推奨 肺がん治療の指針を改定 [健康ダイジェスト]

 日本肺癌学会は19日までに、進行した非小細胞肺がんの治療について、患者の検体に特定の遺伝子変異があれば、初回治療から治療薬イレッサ(一般名ゲフィチニブ)の投与を検討するよう、医師向けの治療指針を改定することを決めました。
 肺がん患者の約3割が対象になるとみられますが、前提として、抗がん剤治療を受ける患者には、原則として遺伝子検査の実施を推奨します。
 イレッサは2002年の発売当初、劇的な効果がある一方、副作用の間質性肺炎による死亡者も相次ぎ、社会問題化しました。現在は、抗がん剤治療に十分な経験のある医師が使うようになり、副作用による死亡は減っています。
 従来の治療指針では、ほかの抗がん剤で効果がなかった場合の2番手以降の選択肢として位置付けられていた薬ですが、早くから使ったほうが治療成績がいいことがわかったといいます。学会は、2004年12月~2009年8月に発表された各国の文献を検討し、遺伝子変異があるケースでは、最初からのイレッサの投与が生存期間の延長に効果的との知見が得られたとしています。
 日本肺癌学会理事の弦間昭彦日本医大教授は、「一部の患者に対しては、イレッサ投与の妥当性が確立された」と話しています。
 イレッサを使うのは、手術が難しいほど進行した非小細胞肺がんの患者が対象。遺伝子検査で、がんの増殖にかかわる遺伝子(EGFR)に変異があると確かめられた場合、最初から使うことを推奨しました。
 変異がある人は肺がん患者の約3割で、50歳以下の女性では半数に上ります。 肺がんによる死者は、がんの中で最も多い年間約7万人で、非小細胞肺がんの患者は推定約5万人。
 新しい治療指針によると、進行した非小細胞肺がんの患者について、一律に遺伝子変異の有無を確認。変異がある患者で、歩行や身の回りのことが自分でできる程度に全身状態が良い人については、初回治療からイレッサ投与を検討します。

 2010年11月10日(水)




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