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■習慣流産の危険性を高める塩基配列を発見 藤田保健衛生大 [健康ダイジェスト]

 流産を繰り返す女性に特徴的な遺伝子の塩基配列を突き止めたと、藤田保健衛生大(愛知県豊明市)の倉橋浩樹教授(分子遺伝学)らの研究チームが1日発表しました。欧州ヒト生殖学会の学会誌である英医学誌モレキュラー・ヒューマン・リプロダクション電子版に、近く掲載されます。
 妊娠しても流産を3回以上繰り返す「習慣流産」は、全妊娠の1~2パーセントに起こるとみられます。染色体異常や感染症などがかかわっていると考えられていますが、その約6割が原因不明です。
 妊婦の胎盤内側の表面では、血液がゆっくり流れて胎児に栄養を送っています。倉橋教授らは、この胎盤で血液が凝固するのを防ぐ蛋白質「アネキシンA5」に着目。習慣流産の女性243人と、そうではない女性118人について、この蛋白質の遺伝子を調べました。
 その結果、流産を繰り返す女性では蛋白質の遺伝子の6カ所で、流産しない女性たちと比べて塩基配列が異なっている割合が高いことを発見しました。配列が異なっている特徴的な型の場合、産出する蛋白質が少ないため、胎盤の血液が凝固しやすくなり、胎児の発育が阻害されて流産につながる危険性が高まるとみられます。
 血液が凝固するのを防ぐ治療薬はすでに広く使われており、今後、習慣流産の妊婦の遺伝子型を調べて塩基配列の違いがあることがわかれば、薬を使って流産を防ぐことができそうだといいます。
 倉橋教授は、「事前の遺伝子検査で流産を防ぐ新たな治療法につながるかもしれない。子供が欲しくても持てなかった夫婦の希望につながる可能性がある」と話しています。

 2011年2月2日(水)

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