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■心臓再生治療、乳幼児ら7人成功 岡山大学病院 [健康ダイジェスト]

 生まれ付き重い心臓病を持つ子供への心臓の幹細胞移植に、岡山大学病院新医療研究開発センターの王英正教授(心筋再生医学)らのグループが成功しました。
 すでに7人で心臓機能の向上を確認、7月にも厚生労働省に高度医療の承認を求めて申請します。国内では子供の心臓移植が進まない中、新しい治療法として注目されます。
 全身へ血液を送る左心室が小さい「左心低形成症候群」が対象で、子供の患者自身の心臓の筋肉から幹細胞を取り出して50倍から100倍に培養後、カテーテルで戻して心筋を増強します。自分の細胞を使うため、心臓移植のような拒絶反応もなく、手術の負担も軽いとされます。
 王教授らは、2010~2011年、中国地方在住の女児(当時1歳)に、18歳未満の子供としては初めて治療を実施、2011年5月の検査で、心臓のポンプ機能が約10パーセントアップしたことを確認しました。
 その後、同じ左心低形成症候群の子供6人(5カ月~3歳10カ月)に実施。23日までに、手術後3カ月が経過した6人全員への超音波検査で、血液を送り出す心臓のポンプ機能が5パーセントから最大23パーセント向上し、心筋が増えたことを確認したほか、拒絶反応や副作用もないということです。
 子供の心臓病で再生医療による効果が確認されたのは、世界で初めてです。中には、集中治療室から出て自宅で過ごせるようになったケースもあるということです。
 岡山大学病院は、7人のデータを詳しく分析した上で、7月にも厚労省に対し、さらに多くの患者にこの治療を施すための申請を行うことにしていて、認められれば2年をかけて乳幼児40人に幹細胞移植を行う計画です。
 治療に当たった王英正医師は、「国内での心臓移植はほとんど期待できないので、代わりの医療として多くの子供の心臓病の治療につなげたい」と話しています。

 2012年5月23日(水)




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