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■南極のオゾンホール、去年より縮小 国連「回復の軌道に乗り始めた」 [健康ダイジェスト]

 太陽から降り注ぐ有害な紫外線を遮るオゾン層が破壊されて、穴が開いたような状態になる南極上空の「オゾンホール」が、今年は去年よりも小さいことが国連の世界気象機関(WMO)の調査でわかりました。今後、時間はかかるもののオゾン層の回復が軌道に乗り始めたと、世界気象機関は評価しています。
 これは、オゾン層を破壊するフロン類などの排出を規制する国際的な枠組み「モントリオール議定書」の1987年9月16日の採択から、25周年を迎える9月16日の「国際オゾン層保護デー」を前に、世界気象機関が発表したものです。
 南極上空のオゾンホールは、極めて低い成層圏の温度とオゾン層破壊物質の存在のために、南半球の冬季から春季に当たる8~9月ごろに発生、急速に発達し、11~12月ごろに消滅するという季節変化をしています。1980年代初めから、このようなオゾン量が極端に少なくなり、成層圏にオゾンホールができる現象が観測されています。
 発表によりますと、南極の上空にあるオゾンホールの大きさは9月13日時点で1850万平方キロメートル、去年の同じ時期よりも20パーセントほど小さいということです。最終的に、2010年よりは大きいものの、去年よりは小さくなる見通し。
 破壊が深刻でオゾン層が減少すると、有害な紫外線が地上に多く届いて皮膚がんや白内障などのリスクが増すため、1980年代ごろから世界的に問題になりましたが、1987年に採択されたモントリオール議定書に基づいて、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒として使われるフロン類などが規制され、ここ10年ほど大気中で減少しています。
 世界気象機関では、フロン類などのオゾン層破壊物質の量は2000年ごろをピークに、このところ年に1パーセント程度ずつ減っており、オゾン層の回復が軌道に乗り始めたと評価しています。ただ、オゾン層を破壊する物質は長期間、大気中にとどまるため、オゾン層が1980年より前の水準に回復するためには、今後数十年の時間がかかるとしています。
 また、フロン類の代わりに使われるガスの中には温室効果が高いものがあり、地球の温暖化の原因となる恐れがあるとして、世界気象機関では、こうした物質の削減も各国に呼び掛けています。
 現在、温暖化ガスでもあるフロン類は減っていますが、それ以上に二酸化炭素などの温暖化ガスが増えています。地表から上空約1万メートルまでの対流圏で温暖化ガスの濃度が高まると、その上にある成層圏は逆に寒冷化する傾向があり、セ氏零下78度以下でオゾン層の破壊が爆発的に進行するのが特徴とされています。

 2012年9月17日(月)




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