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■培養した角膜細胞を3人に移植し視力回復 京都府立医大など、世界初の臨床研究 [健康ダイジェスト]

 目の角膜が濁って視力が大幅に下がる「水疱(すいほう)性角膜症」の患者に、体外で増やした角膜の細胞を移植する臨床研究を、京都府立医大や同志社大、滋賀医大のグループが始めました。3人に移植し、視力がよくなるなど効果が上がっているといいます。
 角膜の細胞を増やして移植した治療法は、世界で初めてといいます。12日発表しました。
 水疱性角膜症は、角膜の内側にある角膜内皮細胞が病気やけがで傷付き、角膜が濁る病気。人間やサルの角膜内皮細胞は増えて再生しないため、これまでは角膜や内皮の移植しか治療法がありませんでした。
 国内で角膜移植を受ける人は年間約3000人おり、その6割以上が水疱性角膜症の人だとされています。
 同志社大の小泉範子教授(医工学)らは、角膜内皮細胞を体外で低分子化合物を使って培養して人工的に増やし、角膜の裏側に注入して定着させる技術を開発。角膜内皮細胞をはがしたカニクイザル14匹に移植し、細胞が定着して濁りが治ることを確かめました。
 米国のアイバンクから提供を受けた10歳代の人の角膜内皮細胞をこの方法で増やし、京都府立医大の木下茂教授(眼科学)らが、昨年12月から今年2月にかけ、水疱性角膜症の57〜68歳の男女3人の患者に1人当たり約100万個移植しました。
 経過は順調で、角膜が透明に戻り、0・06以下だった矯正視力が0・1~0・9に回復しているといいます。
 グループは2014年度からの2年間で約30人に移植する計画で、2017年には製薬会社と協力して製品化を目指します。
 木下教授は、「角膜移植に比べ内皮細胞を注入するだけのため、これまで1時間かかった手術が5分になり、視力も回復しやすい。1人の角膜提供者から多くの人に移植できるなどメリットが大きい」と話しています。

 2014年3月13日(木) 




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